吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

期待の新作 (2021年初頭編②)


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 今年の年始早々に一度、本ブログで『期待の新作 (2021年初頭編)』について書きましたが、その続編になる今回は、前回紹介し切れなかったアルバムと、前回紹介し忘れたアルバム (苦笑)も含めて書いていきたいと思います。今回紹介するアルバムに関しても、今年の重要作品になる可能性の高いものばかりだと思います。海外では『Glastonbury Festival』が今年の開催を中止を決定する等、今年も音楽業界にとって厳しい状況が続きそうな感じです…。前回にも書きましたが、我々、音楽ファンが楽しめるのはアーティスト側が提供してくれる音源だけです。いつの日か、この最悪の状況が少しでも緩和され、ライヴが楽しめる日が来るまで、我々は大好きなアーティストの音源を楽しもうではありませんか…。前回、紹介したアルバムも話題性充分のものばかりだったと思いますが、今回紹介するアルバムも話題性では事欠かないものばかりだと思います。

 

 

 


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『For the First Time』

(2021年2月5日 日本/海外同時発売)

BLACK COUNTRY, NEW ROAD

 

 

 昨年、コロナ禍に襲われてしまったものの、近年、black midi、GOAT GIRL、SHAME、SORRYと言った話題性も質も高いバンドがロンドンから続々と登場している状況ですが、このバンドもこのデビュー·アルバム発売前から全公演がソールドアウトになるほどの人気ぶりで、大袈裟でも何でもなく、今年最も聴かなければいけないアルバムの一枚かもしれません。彼らは7人編成のバンドで、あらゆる音楽を飲み込んだ混沌としたハイブリッド感、ミクスチャー感でバンドのサウンドの特色すらも読ませないミステリアスな部分もありますが、彼らのその混沌とした音楽性はライヴでこそ発揮されるもののようです。その音楽の混沌性故か、彼らが契約したレコード会社がクラブ系音楽の印象が強い「Ninja Tune」であるところも、彼らが普通のロック·バンドの枠を超えた存在であることを匂わせていたりもします。本作にはプロデューサーとして、MY BLOODY VALENTINE等を手掛けたアンディ·サヴァースが担当していますが、アルバムのレコーディングも彼らの持ち味が出せるであろうライヴ·レコーディングで行われたそうです。この状況下で“もし”と言う言葉は使いたくないですが、コロナ禍でなければアルバム·リリース後に来日公演をやれば、即座に公演がソールドアウトになるほどの話題性は充分あるだけに、この状況下を恨みたくなるばかりです…。

 

 

 

 

 

 

 


https://youtu.be/u3H8O8RJp3M

 

 


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『Drunk Tank Pink』

(2021年1月15日 日本/海外発売済)

SHAME

 

 

 2014年に英サウス·ロンドンで結成されたポスト·パンク·バンドの2ndアルバム。実は前回の『期待の新作 (2021年初頭編)』で紹介するはずなのが忘れていたので、発売後の今頃になって紹介することになりました (泣)。BLACK COUNTRY, NEW ROADの項でも既に触れてはいますが、近年のロンドンのロック·シーンを盛り上げているバンドの一つで、2018年に発表したデビュー·アルバム『Songs of Praise』は同年の『Rough Trade Records』の年間アルバム·チャートで第1位に輝いており、各音楽メディアの評価も非常に高いバンドです。バンドはTHE FALLやTELEVISION、WIRE等に影響を受けた、典型的なポスト·パンク·バンドですが、このアルバムで彼らが更なる進化を遂げて、IDLESと並ぶ2010〜2020年代を代表するポスト·パンク·バンドとしての地位を確立する試金石にもなりそうです。

 

 

 

 

 


https://youtu.be/jka7aCIHT-I

 


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『Typhoons』

(2021年4月30日 海外発売予定/日本盤発売未定)

ROYAL BLOOD

 

 2013年発表のデビュー·シングル「Out of the Black」が全英シングル·チャート1位、更に2014年発表のデビュー·アルバム『Royal Blood』が全英アルバム·チャート1位を記録。更に2017年発表の2ndアルバム『How Did We Get So Dark』も全英アルバム·チャート1位を獲得して、もはや英国を代表するバンドとしての地位を確立したギターレス·ロック·デュオの3rdアルバム。ギターレスで二人だけのバンドとは思えない厚みのある重厚でヘヴィーなサウンドが彼らの持ち味ですが、本作では彼らが影響を受けてきたDAFT PUNK、JUSTICEと言ったクラブ系アーティストのダンサブルなビートを取り入れた、新たなフェーズへと突入した作品になるそうです。元々、彼らのヘヴィーなサウンドの中で展開されるビートも元々、ダンサブルな要素は決して無いわけではなく、前述のクラブ系アーティストの影響を感じ取れないわけでもないのですが、二人組と言う限られた制約の中で進化するうえでの変化は必要不可欠なものかもしれません。MUSEのマシュー·ベラミーと比較されることも多いマイク·カーの情感的なヴォーカルも新しいサウンドの変化にフィットすれば、更なるバンドの進化が期待出来そうな気がしますね。

 

 

 


https://youtu.be/uURsMKMloM8

 

 


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『Intruder』

(2021年5月21日 海外発売予定/日本盤発売未定)

Gary Numan

 

 多くのアーティストに影響を与えている、今更、説明不要のニューウェーブ界のレジェンド、ゲイリー·ニューマンのニュー·アルバム。2017年発表の『Savage (Songs from a Broken World)』以来の作品になる本作は、2006年発表のアルバム『Jagged』以来、ニューマンのプロデューサーを務めているアデ·フェントンのスタジオでレコーディングされたそうです。今回のアルバムのテーマは気候変動を地球の視点から見たものになっているそうで、地球が我々と同じように感じたり、話したり出来たら、現在の世界の状況をどう思うか? アルバムに収録されている楽曲のほとんどは、この重いテーマを元にしているそうで、終局に向かっていく現在の世界の状況そのままに、ヘヴィーな内容のアルバムになっているのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 


https://youtu.be/-RxebQuFgJY

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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