吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

期待の新作 (2021年初頭編③)

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 もう3月に突入しようとしているのに“2021年初頭”と言うのも変ですが (苦笑)、まだまだ、これから楽しみな新作が続々とリリースされます。こんな御時世故、ライヴには行けませんが、ぼちぼち暖かい季節を迎えて、フラフラと外に飲みに行きたくなる方もいらっしゃると思いますが(笑)、家でじっくり好きな音楽や気に入ったアルバムを聴くのも楽しいかもしれません。
 






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『Seek Shelter』
ICEAGE
(2021年5月7日 海外発売予定/日本盤発売未定)




 日本でも人気の高いデンマーク·コペンハーゲン出身のバンド、ICEAGEの5枚目のアルバムで、ニューヨークのインディー·レーベル「Mexican Summer Records」と契約しての初のアルバムにもなります。新世代のニック·ケイヴとしても評価の名高いフロントマンのエリアス·ベンダー·ロネンフェルトのカリスマ性のみが注目されがちですが、様々な音楽を吸収しながら、アルバムをリリースするごとに深化している音楽性も評価したいところ。
 彼らもある程度の人気は日本でも確立しているとは言え、このアルバムはICEAGEのこれからの新たな飛躍に繋がっていくかもしれません。近年はサウス·ロンドンを拠点としたバンドに話題が集中しがちな音楽シーンですが、ICEAGEのこれからの活動も大いに注目したいところです。







https://youtu.be/U1ZCcJLEvhM
 


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『Coral Island』
THE CORAL
(2021年4月30日 海外発売予定/日本盤発売未定)


 2000年代以降のリヴァプール音楽シーンを代表するバンド、THE CORALがリリースする新作。2018年リリースの前作『Move Through the Dawn』以来のアルバムになります。前作は爽やかな夏を思わせるようなレイドバックした雰囲気のアルバムでしたが、本作は発表された新曲(Faceless Angel)を聴く限りでは酩酊感のある印象的なメロディーのCORAL節が復活するのでは?と言う期待が持てそうな気がします。
 近年、話題を独占しているロンドン勢に対抗するとは言わないまでも、リヴァプールTHE CORALありを久々にアピールしたいところ。THE CORALもデビュー当初から様々な音楽を吸収した懐の深さを持ち合わせているだけに、話題やムーヴメントに左右されない素晴らしいアルバムを期待出来そうです。








https://youtu.be/5fpPoaBwtDI


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『Bright Green Field』
SQUID
(2021年5月7日 日本/海外同時発売)



 2015年に英ブライトンで結成された5人組のバンドのデビュー作で、エレクトロニカIDMを中心としたクラブ系音楽レーベルとして知られている「Warp Records」からのリリースとなります。
FRANZ FERDINANDをブレイクさせ、black midiとFONTAINS D.C.を発掘したことでも知られているダン·キャリーのプロデュースによる作品になります。
 何処か得体の知れないサウンドを鳴らしている点、ロック系のレーベルではなくクラブ系音楽中心のレーベルと契約しているところ等は、あのBLACK COUNTRY, NEW ROADと共通している部分ですが、このバンドもまた、BLACK COUNTRY, NEW ROADと同様にデビュー·アルバム·リリース前から英国音楽メディアで注目を集めていたバンドです。
 近年で言えば、black midiやBLACK COUNTRY, NEW ROADが気に入って仕方ないと言う偏屈者は(笑)是非とも聴いて欲しいデビュー·アルバムかもしれません。
 






https://youtu.be/__zmVSREvxY



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『New Long Leg』
DRY CLEANING
(2021年4月2日 日本/海外同時発売)




 DRY CLEANINGは2枚のEPをリリースしただけでblack midiやFONTAINS D.C.と共に注目されたバンドで、本作は名門インディー·レーベル「4AD」からリリースされる待望のデビュー·アルバム。
 このバンドもまたサウス·ロンドンの「Windmill」を拠点とするバンドではありますが、PJハーヴェイのプロデューサーとしても名高い、ジョン·パリッシュをプロデューサーに迎え、新世代のポスト·パンクとして注目されています。
 女性ヴォーカリストのフローレンス·ショウのスポークン·ワーズ風のヴォーカルが目立ちますが、DEVOSONIC YOUTHを思わせる尖ったサウンドも魅力の一つ。またサウス·ロンドンのバンドかと食傷気味になる方もいらっしゃるかもしれませんが、また素晴らしいバンドがサウス·ロンドンから登場したと思っていただいた方が良いと思います。








https://youtu.be/6PuqlOTyJt0


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『When You See Yourself』
KINGS OF LEON
(2021年3月5日 海外発売予定/日本盤発売未定)



 そしてラストは2000年代のガレージ·ロック·ムーヴメントから登場しながらも、現在では英米で圧倒的な人気を誇るスタジアム·バンドに成長したKINGS OF LEONが来月にリリースする新作。2016年にリリースされた英米でアルバム·チャート1位を獲得した前作『Walls』以来、実に約5年ぶりの作品になります。
 英米での圧倒的な人気に対して日本での人気は今ひとつなバンドですが、泥臭さもあった彼らのサウンドは年々、洗練さと色気が加わって研ぎ澄まされていき、決してガレージ·ロック·ムーヴメント人気の遺産だけでやっているバンドではありません。
 今年リリースされたFOO FIGHTERSの新作『Medicine at Midnight』同様に、王者としての威厳を感じさせる作品になりそうな予感はします。






https://youtu.be/YmeJrWu3CWo











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