吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

【コラム】我々、音楽ファンがコロナ騒動に立ち向かうには、どうしたら良いのか?


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 3月始めに書いた、前回のTHE FAINTのアルバムについてのブログでも、既にコロナ·ウイルス騒動については触れてはいますが、その時に比べて収束どころか、世界中の状況はかなり酷くなっていくばかりです。既に世界中で多くのコロナ·ウイルスによる数多くの感染者·死亡者が出ています。経済面でも米国のFRB金利を1%引き下げる対策を打ち出しましたが、混乱を避けることは全く出来ず、これからリーマンショック以上の大恐慌が訪れるのも時間の問題となっています。そして、日本の音楽ファンが最も楽しみにしている『FUJI ROCK FESTIVAL 2020』も、8月21日から始まりますが、無事、開催されるかどうか、現在のところ微妙な状況です…。既に『SXSW 2020』と『Glastonbury Festival』は中止、『Coachella Valley Music & Arts Festival』も延期等、多くの海外フェスが中止·延期を決めているだけに、フジロックの開催も正直、厳しいと言わざるを得ません。今回のブログはミュージシャンの厳しい状況、音楽界が置かれている状況を踏まえつつ、これから我々、音楽ファンが出来ることは何なのか?を問うものになっています。

 まず、コチラ(↓)のニュース記事のリンクを見てもらいたいと思います。この記事はコロナ禍の中、ライヴを決行した東京事変に纏るネット上での騒動、ミュージシャンがライヴを中止にした場合の損失まで、非常に現在のミュージシャンの置かれている状況が分かりやすいものになっています。

 


ライブ決行で「ディスり合い」、はけ口に使われた「わかりやすいもの」 2千人ライブで1億円が消える現実(withnews) - Yahoo!ニュース

 

 

 それから、海外のインディー·ミュージシャンの現実もかなり厳しいようです…。コチラのリンク(↓)もご覧いただけたらと思います。ちなみに下記の『Rolling Stone Japan』の記事のリンクは、私のFacebookでもシェアしているので、お読みになった方もいらっしゃるかもしれません。

 


新型コロナ、多くのミュージシャンの暮らしが崩壊する危険性 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

 

 上記の2つのリンク記事(↑)をお読みいただいただけでも、充分にコロナ渦中のミュージシャンの現実がご理解いただけたと思います。では、ライヴに行けない我々が少しでも、好きなミュージシャンに貢献出来ることはないのか?と思われる方も少なくないはずです。また、ミュージシャンを手助けする案も下記の『Rolling Stone Japan』の記事のリンク(↓)で提案されています。

 


「コロナ危機」に苦しむミュージシャンを支援する9つの方法 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

 

 ライヴを観ることが出来ない我々が出来ることは、コロナ渦中のライヴを観られない期間に出来るだけの支援をして、世界中が正常な状態に戻った時にファンが健全にライヴを楽しめる状況にすることです。一番、シンプルな支援方法は、そのアーティストのアルバムやグッズを購入することでしょう。もっとも、好きなアーティストのアルバムを買わないファンなどいないでしょうが (苦笑)、そのアーティストのアルバムでも、音楽性が変わったとかで聴かなくなってしまい、売ってしまったアルバムを再購入するのも一つの手かもしれません。アーティストのグッズなんかは、ライヴに行く度に購入する方もいらっしゃいますが、普段、ほとんど購入しない方は、こういう厳しい状況の中で購入しておく方が、少しはアーティストの手助けになるはずです。

 アーティスト側にも出来ることは決して少なくないはずです。何かしらの形で募金を募るのも悪くないですが、こういう機会にコロナ渦中で経済的に苦しんでいるアーティストを手助けするためのレコードを、経済的に余裕のあるアーティストがリリースするのも一つの手ですし、そのレコードをコロナのワクチンの研究費用のために発売する手だってあるはずです。イギリスの“BAND AID”や米国の“USA for Africa”のように80年代の半ばにアフリカの貧しい人々を救う救済レコードが盛んにリリースされていたのを記憶している方もいらっしゃると思いますが、こうした企画を大物アーティストがライヴ配信して、レコードでリリースして、音楽界を救う手立てにする方法だって、決して実現不可能ではないはずです。いずれにせよ、ウイルスのワクチンが出来るまでは、音楽界にとって厳しい状況が続くわけですから、ミュージシャン側、そして我々、音楽ファンが出来ることで協力し合って、現在の苦しい状況を乗り越えるしかありません。

 このまま何もしないで厳しい状況を時の経つまま待っていれば、家庭を持つ音楽ファンの方は仕事や家庭に忙殺され、音楽から離れてしまいますし、気が移りやすい若い音楽ファンも音楽以外のことに関心が移ってしまいます。コロナ騒動が起きる前も、レコードの売上が落ち、音楽離れが顕著な状況で、それをアーティスト側がライヴ活動で補填してきた状況でしたが、現在はそれすら出来ない、本当に生死に関わる非常事態です。ただ闇雲に延期·中止をするのではなく、多少、客足がなくても対策を万全にしてライヴを行う方法を模索する必要もあるかもしれません。現在、会社員の方でも朝、体温をはかって申告してから仕事をする会社もあるはずですが、ライヴ会場で自分で体温計を持ち込んでもらって、体温計を見せてからじゃないと入場出来ないとかも案としては悪くないはずです。無論、体温の高い方の入場はお断り、体温計を持参してない方の入場もお断りという条件ですが。椅子席のライヴなら、当然、一つ席を開けてのライヴにする方が良いでしょう。これは既に映画館では実践されています。ただ、人が密集しやすいオールスタンディングのライヴは、なかなか色々な課題が多いと思います。いずれにせよ、ただ延期·中止では対策が見えてこないので、対策を明確に提示して、安全性が確認出来る方法が見えれば、今後にも繋がるはずです。

 私自身も4月にTOY、LARKIN POE、6月にMEWのライヴに行く予定ですが、この3アーティストのライヴは現在の時点では中止になっていません。私ももちろん、マスクをして万全な対策を取りますが、プロモーター側、ミュージシャン側も万全な対策をすれば、それなりに楽しめる状況にはなるのではないでしょうか? もちろん、中止や延期は覚悟はしていますが、だからと言って何も策を講じず、延期·中止を繰り返していけば、これから音楽関係者が生きていく術は何も見えてきません。これからも厳しい状況が続きますが、将来、本当の意味で楽しめる時が来るまで、皆で助け合って、この状況を乗り越えていきましょう…。