PRIMAL SCREAM Live in Japan (10/20)
この日(10/20)のPRIMAL SCREAMの来日公演は、私にとっては8月のサマソニ以来、STUDIO COASTのライヴとしては5月以来のライヴ参戦となりますが、Facebookのお友達二人と一緒に楽しんだこともあって、実に楽しい時間を過ごすことが出来たライヴにもなりました。 実は私も夜勤明けでのライヴ参戦だったのですが、新木場に行く前にしっかり仮眠もとって天気も良好で気分良くライヴに望むことが出来ました。 少し早めにSTUDIO COASTに着くと、早速、会場外のワゴン車からボビー・ギレスピーが現れると言うサプライズがありました。 ワゴン車に人だかりが出来ていたので何なのか? と覗いてみたら、いきなりのボビー登場で驚きましたが (苦笑)、ボビーを一目でも見られたファンには嬉しいサプライズだったと思います。 しばらくして、私の方もFacebookのお友達のOhkiさんとHaradaさんとお会いして、開場前から音楽の話しに華が咲いて、友達お二人のおかげで楽しい気分でライヴに望むことが出来ました。 時間が来てお二人と入場した後、お二人はグッズ売場に向かわれたので、私は一足先に会場内へ入場し、比較的スペースが空いていたステージ右側に陣取りました。 私の整理番号はA800番台という決して良い番号ではなかったのですが、その割には比較的、良い場所を確保出来たと思います。 今回はPRIMAL SCREAMの来日公演ですが、オープニング・アクトのにせんねんもんだいも私にとって楽しみなバンドなので、PRIMAL SCREAM前から私のテンションは嫌がおうでも高まりました。にせんねんもんだいのアルバムについて書いた私のブログを読まれた方もいると思いますが、そのブログを読んでいただければ、私がにせんねんもんだいをどれだけ楽しみにしていたかはお分かりいただけると思いますが…(笑)
ほぼ定刻通りの19時からライヴをスタートしたオープニング・アクトのにせんねんもんだいは、高田正子(G)、在川百合(B)、姫野さやか(Dr)による女性3人組のインスト・バンドで、昨年4月にはエイドリアン・シャーウッドの来日公演に客演出演したこともあるバンドです。 …とは言え、このバンドは日本よりも、むしろ海外で評価されているバンドのために、この日の公演に来られている、ほとんどの方はアルバムすら聴いたことがないんじゃないかと思います。 彼女達はテクノのミニマリズムをギター、ベース、ドラムで体現した、いわゆる"人力テクノ"で、そのうえで不穏なサイケデリック・サウンドも加わる、国内はもちろん、海外でもいないタイプの稀有なサウンド嗜好のバンドだと思います。 当然、彼女達のサウンドを知らない大半の会場のファンの反応は戸惑いに近いものがあったように思います。 ギターの高田の前に置かれた卓上には様々なエフェクター、姫野のドラム・セットはたった一つのスネアにシンバル、バスドラという、セッティングされた楽器を見ただけでも明らかに通常のロック・バンドではないというのが分かります。 不穏でダークな彼女達のミニマルなビートは、私のように好きな方はこのビートにいつまでも身を委ねたいと思うのですが、知らない方には、このミニマルなビートに退屈を感じていたかもしれません。 ひたすら、ミニマルなリズムを機械のように刻む、在川のベースと姫野のドラムに、卓上から不穏なサイケデリック・サウンドで独創的な世界観を構築する三人のサウンドは決して、万人向けとは言い難いものですが、そんな彼女達の演奏をPRIMAL SCREAMのような、UKロックの至宝とも言えるバンドのオープニングで体験出来るのは、実に貴重な体験だったと思います。 来日アーティストに日本人のバンドがオープニング・アクトが登場する機会は多いですが、こうした日本の独創的なバンドが体験出来る機会を今後とも増やして欲しいと私は思っています(もっとも、これに関しては賛否両論あると思いますが…)。 個人的には大好きなにせんねんもんだいのライヴで、次の真打ちのPRIMAL SCREAMのライヴがさらに楽しみになったのは確かです。
PRIMAL SCREAM東京公演のオープニング・アクトに決定! - 吉良吉影の奇妙な音楽日記
そして、30分ほどの最高のオープニング・アクト(笑)のライヴが終わって、待ちに待った"真打ち"のPRIMAL SCREAMのライヴが、『Screamadelica』収録の「Movin'on Up」でスタートしました。 おそらく、PRIMAL SCREAMは『Screamadelica』から入ったファンも多いかと思いますが、ロック史に残る名盤のオープニング曲から始まったライヴは、会場のファンのテンションを最初からトップ・ギアにしてくれたのではないかと思います(笑) 今回のメンバーは、ボビー・ギレスピー(Vo)、アンドリュー・イネス(G)、マーティン・ダフィー(Key)、シモーヌ・バトラー(B)、ダリン・ムーニー(Dr)の5人編成。 長年、マニ(現THE STONE ROSES)がベーシストとして、ボビーと並ぶバンドの顔として大きな存在感を放っていましたが、マニ脱退後、デビー・グッキ(MY BLOODY VALENTINE)がサポート・ベーシストを一時期、務めた後に加入した女性ベーシストのシモーヌが今回の来日公演でも華を添えたと思います。 もちろん、バンドの核はボビーですが、赤い上下のスーツ姿で登場したボビーはロッカーというよりはモデル並のスタイルの良さで、その容姿端麗ぶりに女性ファンからも黄色い声援を受けていました(笑) とても50過ぎとは思えない体型のボビーもアクティブに動き回り、現UKロック界屈指のヴォーカリストとしての存在感を我々に充分過ぎるくらい、見せつけてくれたと思います。 楽曲のセット・リストは下(↓)に掲載しましたが、新作『Chaosmosis』の楽曲はもちろんやっていますが、『Screamadelica』以降のオールド・ファン好みの選曲になっていると思います。 PRIMAL SCREAMというバンドはアルバムによってサウンドが大きく変化する印象が強いバンドですが、この来日公演に限らず、ライヴでのPRIMAL SCREAMは実にオーソドックスなロックンロールが楽曲のベースになっていることに気付かされます。 アルバムこそ、ダブやインダストリアル、ポスト・パンク、ガレージ、サイケデリック等、様々なサウンドが飛び出しますが、そのルーツにはソウルやロックンロール等、アーシーなアメリカ南部のロックンロールが根差しているバンドなんだと実感しました。 ボビー自身がアルバム制作後にその出来にガッカリした『Give Out But Don't Give Up』からの選曲にしても、ファンに人気の高い「Rocks」を始め、「Jailbird」やエモーショナルなヴォーカルで今回の来日公演でも山場を作った「(I'm Gonna) Cry Myself Blind」がライヴだと映えるのも、PRIMAL SCREAMの本質が"Same Old Rock 'n' Roll Band"に他ならないからだと思います。 やはり、先鋭的なアルバムのはずの『XTRMNTR』の楽曲(「Accelerator」、「Shoot Speed/KillLight」、「Swastika Eyes」)は少々、オーソドックスなロックンロール・ソングとは掛け離れていますが、そんな『XTRMNTR』の楽曲ですら、ロックンロール・ソングとして響くところにPRIMAL SCREAM本来のライヴでの本質を感じることが出来ます。 今年リリースされた『Chaosmosis』もバンド史上、最もポップなアルバムと言われていますが、元を正せば、バンドの本質のロックンロールが根差していることに気付かされます。 新旧織り交ぜた選曲にはなっていますが、やはり『Screamadelica』の楽曲が軸になっていた気が私にはします。 オープニングの「Movin'on Up」、トリップ感の高い「Higher than the Sun」、そして鉄板ソングの「Loaded」、そして最後の締めに最も相応しい「Come Together」とライヴの中核を成す曲が今回の来日公演でも山場を作ってくれました。 最後の「Come Together」の大合唱は圧巻でしたが、日本のファンとPRIMAL SCREAMの相思相愛の関係も来日公演をより良いものにしていると思います。 以前は毎年、フジロックにも出演していて、日本の音楽ファンとの密接な関係にあったのがPRIMAL SCREAM。 何度も来日しながらもマンネリズムに陥らず、最高のパフォーマンスを披露出来るのは、彼等が"最高のロックンロール・バンド"であるからだと改めて、実感しました。
公演終了後は、一緒にライヴ参戦していただいたOhkiさんとHaradaさんと帰りに音楽の話しをして帰宅しましたが、お友達と一緒にライヴを体験出来たこともライヴをより楽しいものにさせてくれたと思います。 最近、私もお友達の皆さんのおかげでライヴを楽しむことが出来て、私も幸せに感じています。 私と一緒でご迷惑でなければ、(笑)またお友達の皆さんとライヴを一緒に楽しみたいと思います。 とりあえず、この後、私はHURRICANE #1、KULA SHAKER、CATFISH AND THE BOTTLEMENの来日公演を楽しむ予定でございます。
Thursday 20th October
PRIMAL SCREAM Live in Japan Setlists
(@STUDIO COAST, Shinkiba, Tokyo)
1. Movin'on Up
2. Where the Light Gets in
3. Jailbird
4. Accelerator
5. (Feelig Like A) Demon Again
6. Shoot Speed/Kill Light
7. (I'm Gonna) Cry Myself Blind
8. Higher than the Sun
9. Trippin on Your Love
10. 100% or Nothing
11. Swastika Eyes
12. Loaded
13. Country Girl
14. Rocks
【Encore】
15. Come Together