吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

(祝) 来日決定!




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『Music Complete』






 1987年以来、29年ぶりの単独公演での来日公演が決定した(フェス出演も含めれば、2012年の『SUMMER SONIC 2012』以来)、NEW ORDERが昨年9月にリリースしたアルバムで、スタジオ・アルバムとしては2005年の『Waiting for the Sirens' Call』以来、10年ぶりになります。
 単独公演としては29年ぶりとは言うものの、その間にフジやサマソニ等に何回か出演しているので毎年のようにフェスに参加されている方にとっては何年も待たされた印象がない方もいらっしゃると思いますが、本作のスタジオ・アルバムの10年ぶりの方がよっぽど待たされた印象があるかもしれません。
 その10年間の間に、バーナード・サムナーとピーター・フックの仲が悪化し、2007年にはフッキーが「NEW ORDERは解散した」とまで発言。バーニーはBAD LIEUTENANT、フッキーはFREEBASSやPeter Hook and The Lightでそれぞれ活動。
 2012年にはフッキー抜きで正式に活動することを宣言して、新生NEW ORDERは新ベーシストとしてトム・チャップマンを迎え新たな舵を切りました。
 フッキーは「俺抜きでは絶対に上手くいかない」と言うほど、フッキーのアグレッシブなベースは今までのNEW ORDERに欠かせないものだったのは確かだと思います。
 その"俺抜き"のNEW ORDERが指向したサウンドはダンス・ミュージックであり、エレクロニック・サウンド。93年発表の『Republic』でもクリア・トーンのギター・サウンドが入り始めてはいたものの、01年発表の『Get Ready』、05年発表の『Waiting for the Sirens' Call』はギター・ロック化していたのも事実。
 フッキーが抜けたものの、ジリアン・ギルバートが正式に復帰したことで、ダンス・ミュージックやエレクロニック・ポップの路線にこだわったのは必然だったと言えなくもないですが、元々は1982年に『Factory Records』の社長、トニー・ウィルソンと共にマンチェスターのクラブ・ミュージックのメッカだったハシエンダを共同経営し、後の"マッドチェスター"や"セカンド・サマー・オブ・ラブ"に繋がっていった、マンチェスターのクラブ・シーンに大きな影響力を持っていた頃のサウンドこそ、NEW ORDERの本質だと思います。
 本作ではゲストとして、THE CHEMICAL BROTHERSのトム・ローランズ(Mー2、9)、イギー・ポップ(Mー6)、La Rouxのエリー・ジャクソン(Mー3、4、5)、THE KILLERSのブランドン・フラワーズ(Mー11)が参加していて、トム・ローランズは「Singularity」と「Unlearn This Hatred」でNEW ORDERのメンバーと共同プロデュースも行っています。
 この2曲でのトム・ローランズでの起用でも理解出来るかと思いますが、今回のサウンドはハシエンダで鳴らしていた音の2015年度版ではなく、NEW ORDERの本質でもあるポップな楽曲を現在のクラブ・ミュージックとして鳴らしているのが本作だと思います。
 どこかBAD LIEUTENANTを思わせる繊細な王道ポップ・ソング「Restless」で、このアルバムはスタートしますが、基本的にはフロア対応のサウンドに支配されたポップ・アルバムだと思います。
 それから、NEW ORDERに大きな影響を受け遺伝子を引き継いでいると言える、エリー・ジャクソン(La Roux)とブランドン・フラワーズ(THE KILLERS)の参加も注目に値すると思います。
 01年発表の『Get Ready』でもビリー・コーガン(THE SMASHING PUMKINS)とボビー・ギレスピー(PRIMAL SCREAM)が参加しましたが、15年近く経った2015年にもNEW ORDERの影響を受けたアーティストが世代交代して参加した形になっています。
 ビリー・コーガンとボビー・ギレスピーの場合、NEW ORDERに影響は大きく受けているものの、それぞれのバンドで必ずしもその影響が顕著に出ているわけではありませんが、エリー・ジャクソンとブランドン・フラワーズは自己の音楽活動でもNEW ORDERの影響が顕著に出ている点で大きな違いがあります。
 このフロア対応の享楽なサウンドは、NEW ORDERの旧譜をまともに聴いたことがない若い世代が聴いても絶大に受け入れられるであろう最高のものだと思います。
 石野卓球がオープニング・アクトを務める来月の来日公演に行かれる方は、過去の名曲をそれほど知らなくても、新木場スタジオ・コーストのフロアで思いきり踊って、享楽のポップをおおいに楽しもうじゃありませんか!













 
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