吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

デンマーク産ブリット・ポップ(!?)



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『Communions』
COMMUNIONS








 アイルランドからは平均年齢18歳の、THE STRYPESが人気を博していますが、デンマークコペンハーゲン出身の17歳から21歳の、この4人組バンドも大きな期待が出来るバンドです。
 今月リリースされたばかりの、この日本編集EPは、12インチ・レコードとして販売して、UKでも予約だけで完売してしまった『Communions EP』に、7インチ・シングル『So Long Sun/Love Stands Still』の2曲を加えた、日本デビューEPとしては申し分のない内容の一枚です。
 アルバムのサウンドは、初期STONE ROSESやTHE LA'S、THE SMITHS辺りを思わせる、甘いブリテッシュ・ロックで、Martin Rehofの甘ったるいヴォーカルがそれに更に輪をかけ、前述のUKロック・バンドが好きな方が思い切りツボにハマるのは、間違いないと思います。
 しかし、この甘いサウンドに反して、このバンドは、SEXDROMEやICEAGE等のコペンハーゲンのハードコアやパンク・シーンと実に密接な関係にあるバンドです。
 デンマークのバンドで日本で知られているのは、MEWKASHMIRDIZZY MIZZ LIZZYといったところで、デンマーク全体の音楽シーンを象徴するバンドはいないのが現状だと思います。
 しかし、コペンハーゲンからは前述のSEXDROMEや、ICEAGE等のようなハードコア・パンクやノイズ・ロック・バンドが地元のシーンで盛んに活動していて、COMMUNIONSのメンバーも元々はSEXDROMEの熱狂的なファンだったそうです。
 メンバーは実は、COMMUNIONS以外のバンドでの活動。しかもノイズ系バンドでの活動も行っていて、WHITE VOIDやZERO FIGURE、そして、ICEAGEのメンバーも参加している、SEJRと言った様々なノイズ・シーンのバンドでの活動も並行して行っているそうです。
 もっとも、ICEAGEのメンバーにしても、いくつかのバンド活動を並行しているので、コペンハーゲンのアーティストにとって、複数のバンドの掛け持ちは普通なのかもしれません。
 ICEAGEが切り開いた新しいコペンハーゲンのロック・シーンを、全く新しい形でコペンハーゲンのもう一つの行くべき道標として、COMMUNIONSは大きな注目を集めていると思います。
 COMMUNIONSは、ハードコア・パンクやノイズ・ロックという、コペンハーゲンのロック・シーンの印象を覆すだけでなく、デンマーク全体の音楽シーンの指標になる可能性を秘めたバンドです。
 このハードコア好きの若いキッズ達が、何故、こういった甘いブリティッシュ・ロックを演るのかは僕には分かりませんが(笑)、でも、この甘いポップなサウンドに少しも嘘のない、ポップを演る必然性は感じさせます。
 同じ若い世代の、THE STRYPESが思い切り若さをぶつけた、パブ・ロック直系のガレージ・サウンドで勝負しているのに対して、COMMUNIONSは若さに反して、完成された印象があります。
 両者共に決して、新しいサウンドで勝負しているわけではありませんが、ロックの限りない明るい未来を提示しているという点では共通していると思います。




















































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