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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

"SONIC"に捧げたアルバム


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『Psychic Hearts』











 無期限活動停止中のSONIC YOUTHですが、サーストン・ムーアはSONIC YOUTH活動中も、セッションやプロジェクト参加は非常に多く、またノイズやアヴァンギャルド、インプロヴィゼイションものが多いので、マニアなファン以外は手を出さない作品も多いのですが、ただソロ名義の作品に関しては無期限活動停止中の現在まで全部で4枚。
 しかもソロ名義の4枚とも、ファンなら決して聴き逃せない秀逸な作品で、中でも、1995年発表の初ソロ名義である本作『Psychic Hearts』は、SONIC YOUTHファンなら聴きやすい作品なので、ソロ作品では一番聴かれているアルバムではないかと思います。
 本作に参加しているのは、SONIC YOUTHのドラマーのスティーヴ・シェリーと、そのスティーヴと一緒に"TWO DOLLAR GUITAR"というバンドで活動していた、ギタリストのティム・フォルヤン。
 SONIC YOUTHの1994年発表の『Experimental Jet Set, Trash and no Star』と、1995年発表の『Washing Machine』の合間に発表された作品ですが、ほとんどその2枚の作品の地続き的な作品で、サウンドの構造そのものは、SONIC YOUTHの作品とほぼ変わりはありません。
 では何故、この前述の2枚の合間に、このソロ作品がリリースされたのかと言うと、それは明らかに、1994年の11月4日に亡くなった、フレッド"SONIC"スミスに捧げたアルバムだったからに違いありません。
 フレッドはファンの方ならご存知の通り、SONIC YOUTHのバンド名の由来になっている人物で、パティ・スミスの夫でもあり音楽活動の重要なパートナー。
 本作に収録されている「Patti Smith Match Scratch」、19分超の「Elegy For All The Dead Rock Stars」は明らかにフレッドに捧げた曲で、特にひたすら小宇宙を浮遊するような「Elegy For All The Dead Rock Stars」は圧巻。
 同曲の"Elegy"は哀歌と言う意味で、あまり現在の音楽シーンではほとんど使わない言葉らしいですが、古いジャズも愛聴しているサーストンらしいセンスなのかもしれません。
 『Washing Machine』に収録されている、20分超のナンバー「The Diamond Sea」も、おそらくは「Elegy For ~」と地続きなのでしょう。
 ちなみに本作に「Ono Soul」という曲が収録されていますが、個人的には分かりませんが、おそらくはオノ・ヨーコへのオマージュだと思います。
 前述の重要な意味合いを持つ本作は、SONIC YOUTHのアルバムと同じくらいファン必聴のアルバムです。