吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER 2016』(8/20)


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 18日のSUEDEの単独公演で濃い一夜を過ごし、その後、19日の私の誕生日を連日の仕事の疲れを癒すための完全休養に充て、20日のこの日の『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER』に参加。 幕張までは私が住んでいる板橋区から(余裕を見て)約2時間くらいなのですが、21時開場予定の同イベントは自宅を19時頃に出発すれば良いので、朝早く起きて家をでなければならないサマソニよりは気分的にかなり楽です。 また、DEERHUNTER、DINOSAUR Jr.、SAVAGES、ANIMAL COLLECTIVE等、どんな音楽ファンでも楽しめる"お祭り"的なサマソニと違って目の肥えた音楽ファンが楽しめるイベントがこの『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER』だと思います。 そんな濃いメンツが揃った中で私が最も注目していたのがSAVAGES。 RADIOHEAD観たさにサマソニのチケットでこのイベント参加という形を取りましたが、この夏は18日に単独公演のあったSUEDEとSAVAGESのライヴが私にとっての最大の楽しみだったと断言しても良いと思います。 このイベントはサマソニの『RAINBOW STAGE』と『SONIC STAGE』の二つのステージを利用したものですが、私の観たいバンドが幸い『RAINBOW STAGE』に集中したために、私はこの『RAINBOW STAGE』のみ、この日の一夜を過ごすことになりました。 23時過ぎに開始のDEERHUNTERが始まる前に、私が以前、所属していたFacebookの音楽グループの仲間でもあり、現在もFacebookの友達でもある、Yoshidaさん、和氣さん、岡村さんとお会いし、少しの間ですが音楽の話をして旧交を深めました。 ちなみにYoshidaさんとは昨年の『HOSTESS CLUB WEEKENDER』、和氣さんと岡村さんとは昨年のサマソニでもお会いしているので、リラックスして旧交を深めて記念撮影もして、『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER』本番を迎えることが出来ました。 今回のブログは、私自身、仕事に忙殺されてだいぶ時間が経過してから書いているのでライヴの内容もうろ覚えの部分も多いですし、敢えてセットリストも掲載せず、簡素にブログを書かせていただきます。 それ故、今回はたいした内容のブログにはならないと思うので何分、ご了承を…。

 

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①DEERHUNTER(23:15~)

 『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER』のトップを飾るDEERHUNTERは昨年、『SONICMANIA 2015』への参加が決定していながら、急遽、来日がキャンセルになり、ファンにとっては待望のイベント出演になったと思います。 私自身はDEERHUNTERのアルバムで聴いたことがあるのは『Microcastle』(2008年発表)と『Halcyon Digest』(2010年発表)という代表的な2枚のアルバムだけで、『Monomania』(2013年発表)以降は全く聴いていなかったのですが(もちろん、『Microcastle』以前も聴いていないのですが…)、それでも米国を代表するインディー・サイケデリック・バンドとしての実力を見せつけるライヴをやってのけたと思います。 めちゃくちゃ華奢で弱々しい印象のあったフロントマンのブラッドフォード・コックスはベック並の着こなしを見せるだけでなく、時折、ワイルドに咆哮してみせたりする等、ライヴでは非常に逞しい印象で、ひ弱なインディー・オタクっぽい印象を覆すフロントマンとしてのカリスマ性も感じさせました。 DEERHUNTERの楽曲自体も繊細な印象が強いですが、バンドとしてのダイナミズムも備えていて、単純に米国のインディー・オタク向け御用達バンドではない、米国インディー・ロック・シーンを支える最重要バンドの一つという威厳を見せつけてくれました。 DEERHUNTERは元々の楽曲がポップで入りやすいものが非常に多いというのも、このライヴで改めて、認識させてくれ、TAME IMPALA辺りに共通する最良のポップネスがバンドの根っ子に根付いているのも実感させてくれます。 そして、バンドのサウンドを支えるギタリストでもあり、コックスの元恋人でもあった(笑)ロケット・パントの貢献も見逃せないところで、ロケットが書いた最高の名曲「Desire Lines」では自身がヴォーカルを取り、肝心のギター・プレーでもバンドのサイケデリック・サウンドの核がロケットにあることを改めて、実感させてくれました。 予想以上に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた、この日のDEERHUNTERのステージは昨年、(来日中止で)『SONICMANIA 2015』で観られなかったファンを感激させただけでなく、イベント初っ端から、この『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER』を観に来て本当に良かったと思わせることが出来たのは大きいと思います。

 

DINOSAUR Jr.(0:40~)

  今月5日には新作『Give a Glimpse of What Yer Not』もリリースして、22日には単独公演も行った(恵比寿 LIQUIDROOM)、DINOSAUR Jr.ですが、この日、最も幅広い世代のファン層を狂喜させたバンドかもしれません。 2005年にルー・バーロウ、マフと共にオリジナル・メンバーで再結成して、再結成後、10年を超えたDINOSAUR Jr.のライヴは90年代のグランジ・ムーヴメントを経験したファンよりも暴れたい盛りの若い世代の男性ファンが多かった気がします。 私は次の出番のSAVAGESを少しでも前で観るために、ほぼ最前列から2~3列目の位置にいましたが、近くが若い世代の男性が暴れているモッシュ・ピットの近くだったので、50近い中年男性の私には正直、体力的にキツいものがありました (苦笑)。 しかし、90年代にはルー・バーロウやマフがほとんど関わっていないはずのDINOSAUR Jr.の代表作の『Green Mind』や『Where You Been』の楽曲もやってくれていたので、単純に暴れる云々モッシュ・ダイヴ云々は抜きにしてファンも大合唱するほど、充実したライヴになったと思います。 このバンドもグランジというジャンルにカテゴライズされてはいますが、新しいサウンドで勝負するよりもいわゆる"ダイナソー節"と言われるキャッチーなオルタナ・ソングをひたすら無骨に直球勝負でぶつけてくるバンドで、個人的にはRAMONESに近い感覚のバンドとも思えました。 もちろん、この"再結成"DINOSAUR Jr.のもう一人の核でもあるルー・バーロウも3曲でヴォーカルを取り、J・マスキスとは違った味わいのあるヴォーカルで存在感を見せつけてくれました。 今回の『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER』は、ANIMAL COLLECTIVEやDEERHUNTER等の米国インディー・サイケデリック・バンド、SAVAGES、TEMPLES等の2010年代以降のUKバンド、そして、クセのあるポップ職人のAsgeil、John Grant、Matthew Herbertと、いわゆるマニア向けの濃いバンドが多く集結しているイベントと言えるのかもしれませんが、そこに直球勝負のDINOSAUR Jr.を入れたことで若い世代も親しめるイベントにはなったと思います。 もっとも、私自身、SAVAGES目前でモッシュ・ピットの近くで疲弊したのは確かですが、それでも念願のSAVAGESを観るために最前列に陣取るエネルギーをDINOSAUR Jr.から受け取った気もします…。

 

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③SAVAGES(2:35~)

 そして、私がこのイベントで最も期待しているバンドで愛して止まないのが、このSAVAGES。 私もDINOSAUR Jr.でモッシュ・ピットの近くで疲弊しながらも、SAVAGESでは図々しくも最前列をキープ。 この夏の目的は18日のSUEDEとこのバンドと言っても良いくらい、SAVAGESは2010年代以降の最重要バンドの一つです。 私が最前列で陣取っていると私の隣に陣取っている中年の女性に話し掛けていただきました。 やはり、私がSAVAGESが好きでたまらないというのを感じていただいたようで、彼女もまた、18日のSUEDEの公演に行かれたということで、ますます、話も弾みました。 DEERHUNTERのライヴが始まる前はFacebookの友達三人と出会って嬉しかったですが、こういう場で見知らぬ方と音楽の話が出来るのも、また楽しいものです。 ちなみに、後に女性ヴォーカルのジェニー・ベスがステージ下に降りて来る階段を発見して、ジェニーがステージ階段を降りてステージ下に降りて来ることを示唆してくれたのはこの女性です。 なにしろ、この階段、私の真正面に位置しているのでジェニーが降りて来れば、私は目前でジェニーを観られるわけです。 最前列に位置して何か凄く良いことが起こりそうな予感がする(笑)SAVAGESのライヴですが、その前のサウンド・チェックでもギターのジェマ・トンプソンのスレンダーで美しい容姿についつい見とれてしまいました(笑) ほとんどミーハー女子みたいな私ですが (苦笑)、(最前列から見た)客層もDINOSAUR Jr.と違って若い女性ファンも多く、どこかゴシックな感性を持った新世代を担う、ポスト・パンク・バンドは女性ファンのハートも惹きつけているのかもしれません。 そして、4人共、黒を基調とした、いかにも"SAVAGESらしい"衣装で登場してライヴがスタートしました。 ヴォーカリストのジェニー・ベスは黒のスカーフを首に巻いていたのですが、実は彼女、首をケガしたそうで、少し苦しいはずにも関わらず、妖艶さも漂うジェニーは充分過ぎるくらいの存在感を見せつけてくれていたと思います。 ギターのジェマ・トンプソンも先程のサウンド・チェックと同じラフなTシャツにジーンズ姿ですが、スレンダーで少々、ゴシックなメイクを施した美しいギタリストで、ジェニーと共にバンドの華であることを実感させてくれます。 そして、アイセ・ハッサンも小柄ながら重いビートをキープする、ギターのジェマ同様にSAVAGESのポスト・パンク・サウンドの重要な核になり、フェイ・ミルトンのタイトなビートも同様にSAVAGESには欠かせないものです。 JOY DIVISIONのフォロワーでもなければ、BAUHAUSでもなければ、ましてやSIOUXSIE AND THE BANSHEESでもない…。 「I  am Here」…。 SAVAGESとは単純に過去のポスト・パンク・バンドの遺産を食い潰したバンドではなく、今現在、ココに存在するバンド…。このライヴを観た方はそれを実感したはずです。 むしろ、SAVAGESの同胞は前述のレジェンド・ポスト・バンドよりも、美意識を持った同世代のデンマークのICEAGE、そして、ロンドンを根城にしている日本人バンド、BO NINGENになると思います。 単純にこのイベントを公平に観られている方はDEERHUNTERやDINOSAUR Jr.、ANIMAL COLLECTIVE等をこの日のベスト・アクトに挙げられるかもしれませんが真からSAVAGESを好きな方は、彼女達が奏でるダークな感性に身を委ねられる、彼女達のサウンドが好きでたまらないはずです。 私同様に"心に影を持つ"人間にしか感じない感性を共有出来るのがSAVAGESというバンドで、私は彼女達が奏でる世界観に身を委ねることが出来ただけでも観に来た価値はあったと思っています。 しかし、この日の私はこのサウンドに身を委ねるだけに終わることはありませんでした。 前述の階段を伝わって、ジェニーが予想通り、ステージ下で熱唱して、彼女がステージに戻ろうとする際、私はジェニーと握手することが出来たからです。 もしかして、良いことがあるとは自分勝手に思っていましたが、予想外の素晴らしい出来事に私はしばらく放心状態でした…。 そして、ライヴもクライマックスを迎えると、BO NINGENのベーシスト、TAIGENも登場して、アイセとのダブル・ベース状態で盛り上がり、SAVAGESを好きな方は大満足なライヴになったと思います。 SUEDEのライヴの時もブレットに触れることが出来て嬉しかったですが、ジェニーが握手してくれた手の感触は未だに忘れません(笑)。 

 

④TEMPLES(4:00~)

 そして、イベント最後のTEMPLESのライヴの時には、TEMPLESを観たい方の迷惑にならないように、私もさっさと後ろの方で観ることにしましたが、DINOSAUR Jr.のライヴでモッシュ・ピット近くで体力的に消耗したのと、SAVAGESのライヴでジェニーと握手出来たおかげで変に達成感を感じて、オマケに連日の忙しい仕事の疲れがどっと出たのでしょうか? TEMPLESは途中まで観て途中退場してしまいました…。 私も『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER』のみの参加だったら最後まで観る予定だったのですが、9時過ぎにはサマソニの方に参加するので体力温存を考えて決断しました。 TEMPLESは途中まで観ましたが、決して個人的には悪くなかったと思います…。 しかし、この決して体調的に良いとは言えない状態で後々のサマソニで後悔することになるのですが、これについては後日、書くことにしましょう…。 それでも、DEERHUNTER→DINOSAUR Jr.→SAVAGESと言う流れで観た今回の『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER』は決して、サマソニに負けない素晴らしいイベントだった(もちろん、それは私にとってですが…)と断言しましょう。

 

 


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