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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

『HOSTESS CLUB WEEKENDER (11/22)』




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 11/12のTHE STRYPESの来日公演以来のライヴ公演で、またしても場所はTHE STRYPESの公演と同じ新木場のStudio Coast
 2月にも、FAITH NO MORE/ANTEMASQUEの公演でStudio Coastに来ているので、今年3度目のStudio Coastなのですが、東京メトロ有楽町線一本で行ける、私にとっては非常に便利な会場。
 それゆえ、私も前日、仕事のイベントで多々忙しかったせいか疲れが取れない状態だったので、ノンビリし過ぎて13:30開演のDornikのライヴには間に合いませんでした。
 元々、ほぼ100%、MELVINS目的でのイベント参加なので、もっとゆっくりしていても良かったぐらいでしたが(笑)
 一応、Dornikも少しだけ観るには観ましたが、ほとんど観ていないのと一緒なので、Dornikのライヴについては書かないことにします。
 それから、MELVINSのサイン会に参加したいので物販売場に行きましたが、MELVINSのサイン会に参加出来るCDの方は売り切れ。
 まぁ~、遅刻して来た私が悪いので、仕方ないですが (苦笑)、DAUGHTERのサイン会のCDの方も売り切れで、4ADに大プッシュされていたとは言え、知名度の高いMELVINSだけでなく、DAUGHTERの日本での人気の高さを改めて、認識させられました。
 その後は、Facebookの音楽グループの『THIS IS POP』のメンバーのTatumiさん、Yoshidaさん、平間さんとお会いして、色々、音楽の話をさせていただき、楽しい時間を過ごさせていただきました。
 フジ・ロックやサマソニでも『THIS IS POP』のメンバーの方には、大変、お世話になっていますが、この音楽グループのおかげで本当に楽しい交流が出来て、今年の私の音楽生活を楽しいものにしていただいています。




 14:55からは元GIRLSのメンバーだった、クリストファー・オーウェンズの登場。
 私自身、GIRLSは聴いていたのですが、今年リリースしたソロ・アルバムは全くの未聴。
 遠くから見ると浴衣姿にしか見えない服装に(CREATIVENANで掲載されている写真を見ると浴衣ではないっぽいですが)、ピンクのズボンにスニーカーという可笑しなセンスの着こなしですが、夢見がちな女性なら誰でも惚れてしまうであろう(笑)、オーウェンズの端正な顔立ちがその服装センスと不思議にマッチしていて、惹きつけられるものがありました。
 最初に登場した時のオーウェンズはボブ・ディラン風に口元辺りにハーモニカを固定したスタイルで登場。
 このディラン風スタイルで出て来たオーウェンズの始めの方の曲はオーソドックスなフォーク・スタイルの曲なのですが、どこか気怠いオーウェンズの雰囲気が、楽曲そのものにプラスアルファーの魅力を感じさせてくれたりもします。
 ローファイな楽曲もありますが、奇のてらいのないオーソドックスなじっくりと聴かせる曲が多いのはGIRLS時代からではあるのですが、それでもライヴでは観客をぐいぐいと惹きつけるカリスマ性みたいなものをオーウェンズは持っている気がします。
 おそらく、この日のイベントに出演したアーティストの中では一番、シンプルでオーソドックスな音楽スタイルだったのがオーウェンズだったと思うのですが、シンプルだった分、これからの音楽活動に色々なサウンドの変化を持ち込んだ時、一番、面白いアーティストになれる可能性も極めて高い気もします。
 GIRLS時代からの日本での知名度自体はそれほど高くはなかった気はしますが、これからの活動の色々な音楽活動の拡がりを期待出来そうなのは、もしかしたらオーウェンズなのかもしれません。




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 オーウェンズのライヴ終了後の16時頃、後半のDAUGHTERとMELVINSに備え、会場外に出店している屋台でビーフン・ラーメンで腹ごしらえ。正直、特に美味しいってほどでもないですが(笑)軽く腹の中に軽い食事を詰め込んでおくと後半のライヴも楽になるものです。
 そして、16:30からは前述の物販のサイン会用のCDの売れ具合でも分かるように、日本でも人気の高いDAUGHTERの出演。
 DAUGHTERは、4ADの大プッシュで、2013年にデビュー・アルバム『If You Leave』をリリースし、日本でも『FUJI ROCK FESTIVAL 2013』にも出演して、日本でも人気の高いバンド。
 エレナ・トンラ(Vo/G/B)、イゴール・ヒーフェリ(G)、レミ・アギレラ(Dr)の三人のメンバーに加え、ライヴではギター、ベース、キーボードをこなす女性サポート・メンバーが加わる形になっています。
 バンドのヴィジュアルも知性と清楚さを感じさせますが、このライヴでのサウンドも彼女達のイメージ同様、実に美しさと荘厳なサウンドに引き込まれてしまいます。
 基本的にフォーク・サウンドをベースにしているバンドではありますが、エレナは楽曲毎に数種類のギターとベースを使い分け、エフェクターのサウンドのセットも、ほぼ一曲に一回の割合で巧みに変えて、フォーク・バンドというよりはシュゲイザー・バンドのスタイルに近い感じがします。
 ライヴ中での曲毎に変わっていく、美しいライティングも楽曲の美しさを一層、引き立たせ、地味な印象の強かったDAUGHTERのライヴの本来の魅力を感じさせてくれたライヴでした。
 途中でトラブルらしきものがあって(詳しいことは分かりませんが)、ギターのイゴールがエレナに何か指摘したり、ドラムスのレミがイゴールに曲の出だしでダメ出ししたりはありましたが、幸い、大きなトラブルどころか笑って観客に詫びるところも、何か憎めず、荘厳な印象の強いバンドのイメージとは違った、アットホームな雰囲気も感じさせてくれました。
 ちょっとしたトラブルはあったものの、新作をリリースする、来年以降の音楽活動を楽しみに出来るライヴの魅力は充分にあったと思います。




 そして、18:45からは私が待ちに待ったMELVINSの出番なのですが(笑)、その本番前のサウンド・チェックの時から、実はメンバー三人自らがサウンド・チェックを行っていたりするのです。
 メンバー自身がサウンド・チェックを行っていることは私を含めて、会場のファンのほとんどが知らなかったはずで、もちろんファンは大変な喜びようでしたが、サウンド・チェックをスタッフ任せにせず、自らが行うからこそ、凄いライヴが常時出来るバンドなのだろうと改めて感心しました。(実は夕方に行われる予定だった、MELVINSのサイン会が公演終了後に変更になった点は、実はこのサウンド・チェックにあったのです)。
 そして、ほぼ定刻通りに、デイル・クローヴァーのドラミングから始まったMELVINSのライヴですが、サウンド・チェックの時点では気さくな中年のオッサンという印象の強かったバズ・オズボーンがステージに立った瞬間、まるで鬼神のようなオーラを纏っているのには驚かされました。
 これは私が1月の来日公演で観た、SWANSのマイケル・ジラにも共通している部分かもしれませんが、ステージに立ったバズには、神とも悪魔とも言える何かが憑依しているに違いありません。
 「Hug Me」でスタートしたMELVINSのライヴですが、下記のセット・リスト(↓)をご覧いただくとお分かりになると思いますが、「Boris」や「Zodiac」のようなファンにとっての名曲の類いは一切やりませんでした(もっとも、最近のセット・リストをチェックして予想はついていましたが…)
 最新作の『Hold It In』からの曲(「Onions Make the Milk Taste Bad」、「Sesame Street Meat」、「Bride of Crankenstein」)、そして、2010年発表の『The Bride Screamed Murder』からの「The Water Glass」等、比較的、最近のアルバムからの楽曲が多く、特にライヴ序盤でファンとの掛け合いコーラスのあった「The Water Glass」は本来、2011年の3月11日に行われる予定だった東京公演でもファンと一緒に盛り上がれる曲だったはずです。
 今回のライヴでは、BUTTHOLE SURFERSのジェフ・ピンクスがベースで参加しているのもあって、BUTTHOLE SURFERSのカヴァーもプレーしたりして、安易に過去の知られている楽曲をプレーしてお茶を濁すことのない、MELVINSらしい選曲がなされていました。
 今回のツアーでの選曲は熱心なメルヴィン・マニアでも全曲分かる方はほとんどいないと思いますが、それでも"遅重轟音"のMELVINSの凄みは全く、MELVINSを知らない方にも充分過ぎるくらい伝わったと思います。
 とにかく、岩をも砕くようなブルータルで重いバンド・サウンドは、非の打ちどころがないどころか、もはや神レベルのパフォーマンスで、やれ良い演奏をしました、誰々のプレーはめちゃくちゃ上手かったですとか、そんな領域を超えてしまっていると思います。
 私自身は元々、例の東日本大震災で中止になったMELVINSのライヴは行けない予定はずだったのですが、4年半以上経った、この日に私はMELVINSを観る宿命だったのかもしれません。
 この日のDAUGHTERと違って、楽器を全く変えずにダウン・チューニングの曲をひたすら、これでもかと演奏するMELVINSに、DAUGHTERやクリストファー・オーウェンズ、Dornikのファンが付いていけたかどうかは分かりませんが(笑)、この日の新木場のMELVINSのライヴは、大震災を乗り越えた新たな伝説が生み出したと思います。
 名曲を堪能出来るベテラン・バンドのライヴもそれはそれで楽しめるのかもしれませんが、過去を振り返らず、ひたすら前を向いて突き進むことしか知らないMELVINSのライヴは一生の思い出に残りました。




MELVINS Live in Japan(22nd November 2015)
『HOSTESS CLUB WEEKENDER』



1. Hag Me
2. The Water Glass
3. Captain Comedown
4. Onions Make the Milk Taste Bad
5. Sesame Street Meat
6. Gaveyard (BUTTHOLE SURFERS Cover)
7. It's Sheved
8. Stop (James Gang Cover)
9. Moving to Florida(BUTTHOLE SURFERS Cover)
10. Sweet Willy Rollbar
11. Bride of Crankenstein
12. S Growing Disgust
13. We are Doomed
14. Youth of America(WIPERS Cover)
15. The Bit
16. Your Blessened
17. Night Goat
18. Fascists Eat Donuts(POP-O-PIES Cover)






 
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