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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

孤島のエキゾチカ・ワールドヘようこそ


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『Tayi Bebba』
CLAP! CLAP!

「タイー・ベッパーは植物と生命に満ち溢れた絶海の孤島である。ピラミッドのような形をした大きな山が島のちょうど真ん中に位置しており、その緑が周囲の海に反射している。森の中を吹き抜ける風が、いつもメロディとリズムを奏で、葉音を鳴らし、木々の枝を揺らす。

タイー人は島に感謝し、そのリズムをとても大切にしている。彼等の楽しみはパーカッションを作ることで、それらはいつも様々な形状をしていて異なる素材で作られている。彼等は一定のビートでそれを演奏することで、美しい花や薬草を育んでくれる月の磁力を増幅させようと促すのだ。」

 このアルバムは昨年、LPとデジタル配信のみで発売された、イタリア人トラック・メイカー、CLAP! CLAP!のアルバムなのですが、都内のどのレコード店でも売り切れが続出し、クラブ・ミュージックでは、昨年最も大きな話題を呼んだアルバムで、今年に入って待望のCD化が実現しました。
 ベース、ジューク、ワールド、エレクトロニカ、ダブが渾然一体となった、正に絶海の孤島のトロピカル・サウンド。
 ダブの入ったトライバル・サウンドは、ニュー・ウェーブ好きやポスト・ロック好きのツボも刺激するのは間違いないと思うので、ロック・ファンの方も充分、聴けるアルバムだと思います。
 このアルバムはもちろん、ダンス/クラブ・ミュージックとして優れた作品には間違いないのですが、ドラム・マシーンやサンプラーを使って、アフロ~トライバル・ビートを奏でる手法が、ダブステップ以降のUKベース・シーンにシンクロしているのも見逃せない点です。
 所詮、西洋人が誤解や偏見を含めた南国の楽園をイメージしたエキゾチカな音楽に過ぎないのですが、その身勝手な西洋人のエキゾチカな感覚こそが色々な音楽性を飲み込んで、単なるクラブ・ミュージックを超えたアルバムになったのだと思います。
 ちなみにCDにはタイー・ベッパー島のマップが封入されているのですが、前述冒頭の文章は、そのマップの説明文です。
 架空の島"タイー・ベッパー島"をマップを見ながら探検する気分で、この音楽を聴くと理屈抜きで楽しめると思います。



「Ashiko」
CLAP! CLAP!


「Kuj Yato」
CLAP! CLAP!