読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

オーストラリア最高のサイケ・バンド



f:id:killer_yoshikage:20150729185639j:image
『Currents』
TAME IMPALA



 オーストラリア・パース出身のサイケデリック・バンド、TAME IMPALAが今月リリースしたばかりの3rdアルバム。
 2012年に2ndアルバム『Lonerism』が、NMEの最優秀アルバムに選ばれる等、一躍、世界的な評価が高まり、もはやオーストラリアを代表するバンドにまで成長した彼等の期待の新作です。
 2010年発表のデビュー・アルバム『Innerspeaker』で、古典的な60年代後半のサイケデリック・ロックをベースにしていましたが、さらにその基本路線のサイケデリックを発展的に進化させたのが、2012年に世界的に高評価を受けた『Lonerism』。
 前作である程度、導入されていたエレクトロニック・ミュージックのプロダクションを、さらに大胆に導入し、ほとんどの曲がシンセサイザー主体のサウンドになっています。
 特に「Let it Happen」と「The Moment」に至っては、ほとんどエレクトロニック・ポップと言って良い楽曲で、「The Less I Know the Better」こそエレクトロニック・ポップではないのですが、ファンク・ビートが印象に残る、TAME IMPALAの新機軸と言えるポップ・ナンバーです。
 元々、TAME IMPALAはサイケデリック・ロック・バンドとしての印象が強いので、ANIMAL VOLLECTIVE辺りと比較されがちなのですが、サイケデリックなサウンドの中で鳴らされているのは、かなり甘口で普遍的なポップ性のある楽曲であることは理解はしていても忘れがちな面でもあります。
 このサウンドの変化は、TAME IMPALAの楽曲の普遍的なポップをさらにハイファイに進化させた結果だと思った方が良いかもしれません。
 (曲によっては打ち込みビートですが)ジュリアン・バルバッガロの手数の多いドラミングも、ミニマムでグルーヴィーなビートに変化し、シンセを大胆に導入しながらも、音数を少なくし、ビートもタイトにしたのは一番の変化かもしれません。
 元々、ピッチ・フォーク辺りで取り上げられているバンドの為、インディー・メンタリティーのバンドだと思われがちなのですが、本来、彼等が目指しているのは、あくまでポップ・ミュージックをクリエイトするバンド。
 彼等が本来なりたいのは、ANIMAL COLLECTIVEでも、ARCADE FIREでもなく、(冗談抜きで)マイケル・ジャクソンやプリンス、ブリトニー・スピアーズなのかもしれません。
 前述のアーティスト連の表現がオーヴァーなら、IMAGINE DRAGONSやOWL CITYと言った連中を例に出せば、分かりやすいかもしれません。
 ただ、サウンドは大きく変化しても、彼等が書いている楽曲の構造そのものは、いかにもTAME IMPALAらしい楽曲なので、以前からのファンの方も違和感はそれほど感じられないはずですし。
 むしろ、この作品をきっかけに発展的にサウンドを進化させて、更なる傑作アルバムを世に送り続けそうな気がします。
































 
f:id:killer_yoshikage:20150729185524j:image