吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

『HOSTESS CLUB WEEKENDER』出演決定!③




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『Death Express』

LITTLE BARRIE

 

 

 

 

 

  今月26日の『HOSTESS CLUB WEEKENDER』に出演が決定している、英ノッティンガムシャー出身のガレージ・ロック・バンド、LITTLE BARRIEが今月15日にリリースした(私はタワー・レコードの通販で購入したので、1日早く入手しています)、バンド通算5作目になる新作です。

 LITTLE BARRIEは2005年にデビュー・アルバム『We are Little Barrie』をリリースすると、同年の『SUMMER SONIC 2005』の「SONIC STAGE」で入場規制がかかるほどの人気を博し、更にはフロントマンのバーリー・カドガンはPRIMAL SCREAMモリッシー、ポール・ウェラー、SAINT ETIENNEのサポート・ギタリストとしてツアーに帯同する引く手数多のギタリストとしても有名です。 LITTLE BARRIEの結成当初のメンバーは、バーリー・カドガン(Vo/G)、ルイス・ワートン(B)、ウェイン・フルウッド(Dr)のトリオで、元ORANGE JUICEのヴォーカリストでもあったエドウィン・コリンズのプロデュースで2005年にデビューアルバム『We are Little Barrie』をリリースしますが、2ndアルバム・レコーディング前にフルウッドが脱退。 2006年発表の『Stand Your Ground』では1曲を除いて、The Jon Spencer Blues Explosionラッセル・シミンズがドラムを叩き、残り1曲を叩いたビリー・スキーナーが正式加入。 しかし、スキーナーも脱退すると、次はYESやASIAのギタリストのスティーヴ・ハウの息子、ヴァージル・ハウが加入し、3rdアルバム『Kings of the Waves』(2010年発表)以降はヴァージルが正ドラマーとして定着しました。 本作は2ndアルバム『Stand Your Ground』以外のプロデュースを手掛けてきたエドウィン・コリンズの手を離れ(ちなみに2ndのプロデューサーはDan the Automatorとマイク・ペランコーニ)、バンド自らのセルフ・プロデュース作品になっています。 R&Bやブルース、ファンク等の黒人音楽を取り入れたガレージ・サウンドが初期の頃からバンドのサウンドの特色として挙げられ、特に初期はモッズ色も感じられるタイトな演奏でしたが、複雑で高度なリズムが叩けるヴァージル・ハウが加入してから、徐々にその音楽性もより高度に進化していき、初期とヴァージル加入後では違うバンドのようになっています。 ヴァージル加入後の大きな変化は前作の『Shadow』のフルーキーなジャム演奏に近いスタイルで顕著になっていましたが、エドウィン・コリンズの手を離れた本作でも、更にヴァージル加入後以降の新たなサウンドLITTLE BARRIEを聴くことが出来ます。 このブログの下に貼っている2曲の先行シングル曲「I.5.C.A.」と「Love Or Love」のMVを観ていただければ明らかにお分かりいただけると思いますが、「I.5.C.A.」のように濃厚なサイケデリック・ナンバーながらも、PRIMAL SCREAMのエレクトリック・ナンバーのようなグルーヴ、そしてヴァージルの複雑かつ高度で尚且つ高速なドラミングに圧倒されるアッパーなナンバーと、2曲を聴いただけでも明らかに今までと違う、LITTLE BARRIEサウンドが聴くことが出来ます。 曲のフォーマットそのものは前作ほど崩してはいないのですが、プログレッシブ・ロックに明らかに影響を受けていると思われるヴァージルの複雑で高度なドラミングが様々なリズムを可能にしたことで、1曲の中に様々な音楽ジャンルのリズムを挿入することが出来、それに呼応するかのようにカドガンのギターやワートンのベースと化学反応するかのように、新たなケミストリーが生まれている気がします。 カドガンがPRIMAL SCREAMやSAINT ETIENNE等へのツアーへの同行の他にKASABIANTHE CHEMICAL BROTHERS等のレコーディングに参加していることもあって、エレクトリック・サウンドを擁するバンドとの演奏が、『Shadow』とは違った形でバンドのサウンドをフリーフォームなものにしていると思います。 前述のPRIMAL SCREAM的なグルーヴからTHE STOOGESのようなパンキッシュなガレージ・サウンド、そして、ヴァージルのプログレッシブ・ロック色濃厚なドラミング、どこかLED ZEPPELINであったり、どこかTHE ROLLING STONESであったりするところは、元々が黒人音楽を取り入れたガレージ・サウンドLITTLE BARRIEところと言えるでしょう。 シンプルなガレージ・サウンドをベースにしながら、これだけの音楽情報量が詰まって、尚且つ、それを整然とした形での楽曲に仕上げることが可能なのは、高度な演奏技術と多くのアーティストとの共演を果たしてきた3人だからこそのものかもしれません。 初期作品しか聴いていない方は、このサウンドの進化ぶりに驚くこと必至ですが、26日の『HOSTESS CLUB WEEKENDER』に参加される方はこのアルバムは聴かなければ話になりません。 26日に参加する私としても彼等のライヴは一番期待していますが、このアルバムは『HOSTESS CLUB WEEKENDER』に参加されない方にも是非とも聴いていただきたいアルバムです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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