ICEAGE Live in Japan(12/22)
私の今年最後のライヴ参戦になるICEAGE。自身のこのブログの中で大絶賛していた(笑)ICEAGEを今年の締めとして観られたのは、2015年という年を振り返った時に良い思い出となるかもしれません。
22日は泊まりがけの仕事が終わってのライヴ参戦なのですが、この日のライヴの開場時間が20時、開演時間は21時30分と遅い時間なので、仮眠も取れて、尚且つ、家でゆっくり夕食を摂ってから原宿に行けば良かったので、私も非常に体調的に良い状態でライヴに望むことが出来ました。
既に、ICEAGEの東京公演は当日券以外は完売で、当日券も15枚しかないという状態で、小さな会場での開催とは言え、ICEAGEの知名度が近年、高まってきたことを実感しました。
このライヴが開催されたASTRO HALLという会場は、私が今年観に行ったライヴ会場では、NINE BLACK ALPSの来日公演で使用された新宿MARSと同等クラスの小さなライヴ・ハウスで、私も図々しく最前列をキープしましたが、本当に至近距離でライヴを楽しむことが出来ました。
ICEAGEのライヴが始まったのは、定刻の21時30分を10~15分過ぎぐらいだったと思います。
ライトが暗いままの状態でメンバーが登場しましたが、コートに手を突っ込みながら登場したフロントマンのエリアス・ベンダー・ロネンフェルトは、永遠の不良少年という感じのふてぶてしい雰囲気で、カリスマ性を充分に感じさせてくれました。
ライヴは、昨年リリースした最新作『Plowing into the Field of Love』のオープニング・ナンバー「On My Fingers」でスタートしました。下記(↓)のセットリストを見ていただくとお分かりになると思いますが、今回のライヴの大半の曲は、この最新作からのものになっています。
このアルバムを聴けれた方はご存知だと思いますが、このアルバムはカントリーやブルース、ピアノ・バラードまで入った、ICEAGEが新たなサウンドを取り入れた野心作で、当然、今回のライヴも、ICEAGEが新たなステージに突入してからのライヴ人なります。
ICEAGEは正直、バンドとしての技量も高くないですし、エリアスもお世辞にも上手いヴォーカリストとは言えません。実際にこのライヴではそう言った点も露呈したライヴだったとは思います。
しかし、このバンドの魅力はパンク直系の荒々しさにあって、このバンドのヘタウマが生み出すライヴの臨場感を生み出していて、ASTRO HALLのような小さな会場にはうってつけのバンドだと思います。
彼等が1stや2ndのようなパンク/ポスト・パンクをそのままライヴでやっていれば、おそらく100点満点のパフォーマンスになったと思います。
しかし、今回のICEAGEのライヴは様々な音楽を取り入れた、バンドが新たなステージへと突入してからのライヴで、2012年にサマソニに出演した時よりも高い次元での進化を目指しているのです。
会場でも実際、このバンドの技術的な微妙さを疑問視する声があったのも確かですが、新たなステージに入ってからのICEAGEのライヴがダメだったかと言うと、私は全くそう思いません。
この最新作での静と動、闇と光のコンストラスト。この二極の世界観を行き交いするICEAGEのライヴは、今までのパンク/ポスト・パンク路線だったサウンドを遥かに超越したものになったと思います。
時折、観客席に飛び込みながらアグレッシヴなパフォーマンスも観せたエリアスですが、やはり、当代きってのカリスマ性を充分感じさせてくれましたし、新しいサウンドを取り入れながらも、しっかりパンクを感じさせてくれる荒々しい演奏も、観客を否応なしに感動させたと思います。
最新作からの楽曲の反応ももちろん良かったですが、デビュー・アルバムからの「White Rune」、2ndアルバムからの「Ecstacy」にも一際、高い反応がありました。
ベテラン・バンドと違って演奏時間は短かったものの、静と動、光と影のコンストラストが織り成す磁場が、この日のライヴを濃厚さなものにしてくれたと思います。
エリアス目的のイケメン好きミーハー女子は別にして(笑)この日のライヴに参加された方が100%満足したかどうかは微妙ですが、私は今年最後のライヴをICEAGEで締めくくれて良かったと思っています。