吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

ROYAL BLOODお気に入りのブライトン期待の星(?)



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『Meet Tigercub』
TIGERCUB




 2011年に結成された英ブライトンを拠点に活動するオルタナ・バンド、TIGERCUBの2枚の7インチ・シングルの楽曲と未発表曲を収めた、今年8月に発売された日本独自の編集盤。
 ブライトン出身のROYAL BLOODが、このバンドの大ファンを公言し、同じくブライトン出身のBLOOD RED SHOESの自主レーベル"JAZZ LIFE"からシングルをリリースして、このブライトンを代表する両バンドのサポート・アクトも務める等、ブライトン期待のバンドと言えると思います。
 デビュー・シングル「Blue Blood」と、2ndシングル「Centerfold」の7インチ・シングルのA・B面4曲と未発表曲3曲の計7曲が収録されている編集盤ですが、まだデビュー・アルバムもリリースされていない、ブライトン期待のバンドの楽曲が聴ける嬉しい編集盤ではあります。
 NIRVANA初期の『Bleach』辺りの荒々しいグランジサウンドに、UK独特の憂いのあるメロディーが彼等の持ち味と言えますが、最近、雨後のタケノコの如く、UKから出ているポスト・グランジ・バンドの一派と言えなくもないです。
 昨今のポスト・グランジ・バンド…例えば、DARLIA、DRENGE、DINOSAUR PILE-UP辺りと比較すると、洗練されていないヤサぐれたガレージ・ロックっぽい印象が強いですが、UK独特の憂いのあるメロディーを擁しているところは前述のポスト・グランジ勢と共通している部分かもしれません。
 むしろ、グランジの系譜を引き継いでいながらも、ブライトンの先輩バンドのBLOOD RED SHOESやROYAL BLOODとの共通項が多いバンドかもしれません。
 この後、デビュー・アルバムをリリースしたら(まだ何時、リリースするかは分かりませんが)、このヤサぐれたグランジ路線を踏襲していくのか? それとも、ROYAL BLOODのような王道ヘヴィネス・バンドの道を歩んでいくのか? 分かりませんが、少なくとも「Blue Blood」や「Centerfold」くらいの高いクオリティーの楽曲が書ければ、ROYAL BLOODの後を継ぐ、英国を代表するヘヴィネス・バンドになれる可能性はあります。
 このバンドは現在でこそ、ブライトンを拠点に活動していますが、元々、メンバー3人はブライトン出身ではないそうで、このバンドがブライトンをバンド活動の拠点に選んだのも、彼等の目指す音楽ヴィジョンが、ROYAL BLOODやBLOOD RED SHOESと共通しているからではないかという気がします。
 彼等の課題は、単なるポスト・グランジという枠を超えたヘヴィネス・バンドとして、UKロック・シーンにどうアピールするかだと思います。
 もっとも、現在の彼等はダイヤの原石とも言える未完成の状態だと言えると思いますけど、逆にこの原石が磨かれて光を放った時、他のポスト・グランジ勢から頭一つ抜けだし、ROYAL BLOODと比較され、ブライトンが新しいUKロックの聖地になったりもあるのかもしれません。



















 
 







 
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