吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

Best Album Of 2010's


f:id:killer_yoshikage:20200114173547j:image

 

 昨日に引き続きのブログですが、本日のブログは、私が選んだ2010年代のアルバム·ベスト10を発表したいと思います。どこかの音楽雑誌で、2010年代のベスト·アルバムを発表する企画をやっていましたが、私は敢えて、自分の音楽嗜好が明確になりやすいように10枚に絞らせていただきました。選考基準は基本的に、2010年1月1日から2019年12月31日までに発表されたアルバムになります。

 今までの過去のロックの歴史には様々な、ジャンル、ムーヴメントがありました。プログレ、ハード·ロック、グラム·ロック、パンク、グランジ、ブリット·ポップ、シュゲイザー…等、多くのムーヴメントがロック·シーンを賑わせることで活性化してきましたが、悲しいかな?、2010年代には、そうしたシーンを活性化させるムーヴメントは結局、何も起こりませんでした…。2000年代ですら、ガレージ·ロック·ムーヴメントがロック·シーンを活性化させてきたわけですが、悪く受け取ってしまえば、ロック生誕以来、最も停滞してしまった年代なのかもしれません。ロック·バンドのアルバムのセールスは冷え込む一方なのは確かですし、もう、ロック·バンドが以前ほどのアルバム·セールスを上げることはないのかもしれません。しかし、本当に魅力あるロック·バンドの多くはライヴで素晴らしいパフォーマンスを見せることで、存在感を示し、ファンを魅了しているのだと思います。2010年代と言う時代は、ある意味、ロックにとって“受難”の時代なのかもしれませんが、だからと言って、ロックは決して“死なない”と思います。もしかすれば、この“受難”の2010年代の音楽が何かしらの形で、2020年代以降に芽吹いてくるかもしれないからです。

 もちろん、私もそうですが、皆さんもこの2010年代を“受難”とは捕らえずに、素直に音楽を楽しまれてきたはずです。ちょっと、ネガティブな内容の前置きになってしまいましたが (苦笑)、私の2010年代のアルバム·ベスト10を発表したいと思います。

 

 

 

 

 

 


f:id:killer_yoshikage:20200114173611j:image

①『Silence Yourself』

SAVAGES

 

 私がこのアルバム·ランキングを考えた際、真っ先に2010年代のアルバムのトップは、このアルバムしかないだろう。それぐらい、2010年代の中では、ダントツでインパクトのあるアルバムだと思います。このアルバムは発表当時、THE CUREやSIOUXSIE AND THE BANSHEESと比較されることが多かったのですが、このアルバムは明らかに過去のポスト·パンク·バンドの焼き直しや模倣とは違う、新しい時代のサウンドでした。どちらかと言えば、ノイジーなギター·サウンドはBAUHAUS辺りに近いと言えば、近いのかもしれませんが、彼女達の手法は後に共演することになる、BO NINGEN辺りのオリジナリティの高いノイジーオルタナに近いのかもしれません。どこか凍てついたクールさも同胞しながらも、“私はココにいる”(I am Here)と言う主張は、無毛な2010年代の中での自分達の存在感を問う、熱く攻撃的な時代を体現する彼女達のメッセージなんだと思います。当然、この時代を生きる彼女達にとって、過去のポスト·パンク·バンドと比べるのは愚の骨頂。ましてや、THE SLITS等のフェミニズム·バンドや90年代のライオット·ガール·バンド連中とは明らかに一線を画しているバンドで、過去の女性バンドにはない唯一無二の稀有なバンドだと思います。

 個人的に2016年に真夜中の幕張メッセで行われた『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER』での、彼女達の圧巻のライヴの模様は以前、このブログでも書かせていただきましたが、本当に素晴らしいライヴ·バンドで、この日の素晴らしいライヴ·パフォーマンスの姿も、このアルバムの評価に繋がっているのかもしれません。

 

 

 

 


Savages - "Shut Up"

 

 

 

 

 

 


f:id:killer_yoshikage:20200114173640j:image

②『Beyondless』

ICEAGE

 

 SAVAGESを圧倒的な1位に挙げましたが、デンマーク·コペンハーゲン出身のこのバンドを挙げてこそ私らしいと、このブログの購読者の方は思うのではないでしょうか?(笑)このアルバムは2018年にリリースされたアルバムで、この時期は私がちょうどネットを離れたいた時だったので、このアルバムをこのブログで取り上げる機会がなかったのですが、ICEAGEの最高傑作であると共に、(個人的に)2010年代を代表するに相応しいアルバムだと思っています。

 ICEAGEと言うバンドは、初期の頃こそ、新世代のポスト·パンク·バンドとして評価され、あのピッチフォークにも高く評価されてもきたのですが、フロントマンのエリアス·ベンダー·ロネンフェルトは、元々、ICEAGEの他にホワイト·ソウル嗜好のMARCHING CHURCH、エレクトリック·ユニットのVar (このユニットは現在、解散)等の別プロジェクト·バンドでも積極的に活動しているのですが、本家(?)のICEAGEでも、3rdアルバム『Plowing Into the Field of Love』で、カントリー·ミュージックやバー音楽等の幅広い音楽を取り入れた作品を作りあげました。エリアスは日本公演で新宿で夜飲んでいても、そこに流れている音楽にも積極的に耳を傾けていたそうですが、この4枚目にあたる本作でも、ガレージ·パンクからサイケデリックまで幅広い音楽を取り入れ、3rdアルバム以上に素晴らしい作品を仕上げました。ちなみに、このアルバムではPRIMAL SCREAMとも共演経験のあるスカイ·フェレイラとも共演を果たし、更に新しい領域へと踏み込んでいます。

 

 

 

 

 

 

 

 


Iceage - Pain Killer (feat. Sky Ferreira)

 

 

 

 

 

 


f:id:killer_yoshikage:20200114173704j:image

③『The Balcony』

CATFISH AND THE BOTTLEMEN

 

 このCATFISH AND THE BOTTLEMENのデビュー·アルバムも、1位のSAVAGESのデビュー·アルバムと並んで、衝撃的な1枚と言えるのではないでしょうか?。このアルバムに関しては、私も過去にブログで書かせていただきましたが、2010年代を英国ロックを代表する一枚と言っても過言ではないはずです。この後にリリースされる、2ndアルバムと3rdアルバムでは、アリーナ·ロック向けの王道ロック路線へとシフトしていきますが、このアルバムは、試験管ベイビーと言う宿命を持つ、フロントマンのヴァン·マッキャンの切なくも悲しい愛のストーリーで構成されています。このアルバムを聴いて、UKロックの未来を確信したのは決して、私だけではないはずです。このアルバムは言ってみれば、バンドだけではなく未来のUKロックの将来への第一歩と言える重要な作品と言えると思います。

 

 

 

 

 

 

 


Catfish and the Bottlemen - Kathleen

 

 

 

④『Come of Age』

THE VACCINES

⑤『Lonerism』

TAME IMPALA

⑥『Hot Thoughts』

SPOON

⑦『Don't Forget Who You are』

Miles Kane

⑧『King of the Waves

LITTLE BARRIE

⑨『The Heart is Monster』

FAILURE

⑩『Find What You Love and Let It Kill You』

HURRICANE #1

 

 以上が、私の2010年代のアルバム·ベスト10ですが、一応、少しだけ時代を反映しつつも、結局は独り善がりなランキングになったかなと思います(笑)結局、ムーヴメントそのものが存在しないに等しい、2010年代から選出すると、選ぶ方それぞれのランキングになるだろうってことですかね? FAILUREやHURRICANE #1のような復活したベテラン·バンドのアルバムも個人的には期待以上の作品だったと思いますし、また2010年代をTHE VACCINESやTAME IMPALAの作品も、当然ながら時代を反映する素晴らしい作品だと思います。また、10年経って2020年代で同様な企画があった際に、ロックの歴史に残る素晴らしい作品がランクインするような状況になって欲しいと願うばかりです。