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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

結成37年、通算14作目の新作




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『Spirit』

DEPECHE MODE

 

 

 

 

 

 

 

 

  DEPECHE MODEが今月22日(輸入盤は17日発売)にリリースしたばかりのアルバムで、2013年発表の『Delta Machine』以来のバンドにとって通算14作目の作品になります。 本作のプロデュースを手掛けるのは、ARCTIC MONKEYS、MYTERY JETS、KLAXONS、Florence and the Machine等を手掛けてきた、SIMIAN MOBILE DISCOのジェームズ・フォード。 『Playing the Angel』(2005年発表)、『Sounds of the Universe』(2009年発表)、『Delta Machine』(2013年発表)と、前作までの3作品はベン・ヒリアーがプロデュースを担当してきましたが、ヒリアーはDEPECHE MODEの作品以外は、BLUR、THE EDITORS、DOVES、ELBOW等のギター・ロック・バンドのプロデュースを手掛けているプロデューサーで、DEPECHE MODEに対して特別な思い入れはない分、逆に客観的な視点でDEPECHE MODEの作品に良い刺激を与えていました。 対して、本作を手掛けるジェームズ・フォードはテクノ/エレクトロ系ユニット、SIMIAN MOBILE DISCOのメンバーでもありますが、もちろん、DEPECHE MODEには大きな影響を受けている大ファン。 フォードは2000年代以降のUKロック・シーンにおいてのプロデューサーとしての実績や評価は高く、これ以上ないプロデューサーの人選と言えるかもしれません。

 本作発売前にリード・シングル「Where's the Revolution」のMV(このブログの下記で閲覧出来ます)が、YouTubeでもアップされましたが、収容所のようなロケーションで、聖職者のような紛争をしたメンバーの姿、そして、ポップではあるもののダークなサウンド、重苦しいメッセージ性の強い歌詞に、本作の内容が込められている…。 そんな感触を覚えた方も少なくないことでしょう…。

 

「僕達はこのニュー・アルバムを政治的アルバムだと主張するわけじゃない。 僕自身も音楽を政治的に聴くなんてことはしない。 でも、僕達もこの世界で生きている以上、そこから影響は受けるよ。」

ー デイヴ・ガーン(DEPECHE MODE)

 

 シリアからの難民問題、英国のEU離脱問題、そして世界中の物議を醸したアメリカ大統領就任…。 前述の通り、デイヴ・ガーンも決して、政治的主張をしたかったわけではなかったと思いますが、結果的にこうした世界中の様々な問題が、この作品をDEPECHE MODE史上、最も政治的メッセージが込められた作品にしたのは想像に難くないはずです。 過去にもデイヴ・ガーンのドラッグ問題、アラン・ワイルダーの脱退等のトラブルで、バンドが負のスパイラルに陥り、その暗黒面がサウンドに反映されてしまった時もありましたが、本作で覆っているダークなサウンドは現在の悲観的状況を反映してのもの。 「So Much Love」のように、DEPECHE MODEの従来のポップ・サウンドを踏襲した楽曲もあるにはあるのですが、病むべき世界の情勢をレコーディング時から感じとっていたメンバーにとって、過去の彼等のポップなサウンドを踏襲した楽曲を作る気にはとてもなれなかったのでしょう。 時折、フォードが演奏するペダル・スティールを取り入れたブルージーなフレイヴァーを挿入しつつも、もの悲しくも美しいDEPECHE MODEらしい部分も鳴らしていくフォードの手腕も見事で、そこはメンバーがやろうとしている意図を明確に察知して、新しくもDEPECHE MODEらしさを損なわない、DEPECHE MODEを愛しているフォードならではのサウンド・メイキングかもしれません。 現在の世界中の情勢故、こうした暗黒面を感じさせるサウンドになるのは致し方ないところがありますが、フォードが次作以降にこうした情勢とは無縁の状態で、DEPECHE MODEの作品に関わった時にどういった作品を制作するのかが楽しみになってくると思います。 もちろん本作はダークな側面が強い作品のため、どうしても受け入れ難いと思われる方も多いと思いますが、世界の病むべき情勢を嘆きつつ、決して負のスパイラルに陥ることなく前を向いた作品なので、ファンの方は是非とも聴いてみてください。 無論、ポップな作品ではないかもしれませんが、さしずめ、メッセージ性の高いインダストリアル作品として聴いてみると、また違った解釈もあるかな?とも思います…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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