吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

PIXIES (with BO NINGEN) Live in Japan (2/27)




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 2月25日の『HOSTESS CLUB WEEKENDER』出演に続いてのPIXIESのこの日(2月27日)の単独来日公演。 私は25日のHCWにプライベートの諸事情で参加出来なかったので、PIXIESは観られないものだと思っていた矢先の単独公演で、しかも、オープニング・アクトのバンドは日本でもオルタナ・ファンに人気が浸透してきたBO NINGENとあって、私だけでなくこの単独公演に大きな魅力を感じた音楽ファンの方も多かったのではないかと思います。 私自身はBO NINGENの3月のジャパン・ツアーも仕事の都合がつかず、観られないはずの両バンドが一夜で観られる、正に"渡りに舟"の単独公演で26日のHCW同様、非常に楽しみにしていました。 26日のHCW終了後に初めてお会いした音楽ファンの方とも無事再会し、彼も25日のHCWでPIXIESを観たかったにも関わらず、それ以前に同日に来日公演のあるジェイムス・ブレイクの公演のチケットを購入してしまったために、25日のHCWの泣く泣く諦めたらしいですが、私同様に今回の単独公演を非常に楽しみにしていたそうです。 彼は今月3日のTHE DAMNEDの来日公演にも行くそうなので、また再会することになりそうですが、今回は公演前のみのご対面となりました(笑) そして、18時に開場して私はドリンクも購入せずにステージ真ん中寄りのやや前方でなかなか、それなりに良い位置ですが今回の公演は写真撮影禁止。 …てなわけでブログに掲載している写真は、外観の写真以外はBO NINGENとPIXIESFacebookの写真を使用しています(おかげでライヴを集中して観られましたがww)。 

 いよいよ、ほぼ19時定刻通りにBO NINGENの登場。 もちろん、この日の会場のファン全てが、私のようにBO NINGENも観たいというわけではありませんが、BO NINGENが登場してからの反応はかなり高かったのではないかと思います。 BO NINGENはTaigen(Vo/B)、Yuki(G)、Kohhei(G)、Mo-Chan(Dr)のロンドン在住の4人の日本人によるオルタナ・バンドですが、バンドを結成したのはロンドン。 昨年の『FUJI ROCK FESTIVAL 2016』にも出演しましたが、おそらく日本でBO NINGENが洋楽ファンにも注目されるようになったのは、2014年にリリースしたSAVAGESとBO NINGENのコラボ・アルバム『Words to the Blind』辺りだと思います。このアルバムは一曲37分の壮大な(?)ノイズ・アルバムで、このアルバムの他にSAVAGESの女性ヴォーカリストのジェニー・ベスがBO NINGENの「Nichiyou」や「CC」でゲスト参加する等、SAVAGESファンには良く知られているバンドでもあります。 全員がむさ苦しい長髪なのですが(笑)Taigenだけは髪のツヤも綺麗でステージ衣装も女性的で中性的な印象を持つ、実に魅力的なフロントマンだと思います。 この公演では未発表の新曲も含め、5曲のみの演奏ですが、ギターとベースとドラムの束になって襲ってくるような圧巻なノイズの洪水には圧倒されますが、ゴリ押し的に轟音をひたすら鳴らすのではなく、Taigenのディストーション・ベースのビートと甲高いヴォーカルをバンド・サウンドを支配して、Taigenの作り上げた世界観を、4人が奏でるノイジーなウォール・オブ・サウンドで構築したのがBO NINGENのサウンドかもしれません。 Taigenは全ての曲を日本語で歌っているにも関わらず、どこか異国の言葉に聴こえるほど、その歌い方は独創的ですし、ノイジーなウォール・オブ・サウンドながらも"洋"でもなければ"和"でもない、英国的でもなければ、日本的でもなく、無論、米国的でもない…。 表現手法は異なりますが、そのエクストリームなノイズ志向はボアダムスがやっていた方法論と共通するものがあるかもしれません。 ただし、その方法論は決してアヴァンギャルドではなく、あくまで、Taigenというスペシャルな存在を主軸に置いた世界観無しに有り得ないものになっているところが、BO NINGENのサウンドを唯一無二なものにしているのだと思います。 5曲のみとは言え、充分濃すぎる世界観を堪能させてくれたBO NINGENですが期待していたファンを充分過ぎるくらい満足させてくれたと思います。 BO NINGENのノイズの洪水に目一杯浸かりたい方は、3月7日(大阪)と3月9日(東京)にジャパン・ツアーもあるので、そちらでたっぷり楽しんでいただくと良いと思います。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BO NINGEN ジャパン・ツアー詳細(↓)

BO NINGEN|LIVE INFORMATION|SMASH [スマッシュ] Official Site

 

 

 

 

 

 

 


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 25日のHCWでのパフォーマンスは圧倒的な評価で、HCWでのステージを観た方も観られなかった方もかなり期待に胸を膨らませていたに違いありません。  ましてPIXIESくらいのキャリアになれば、楽曲も豊富なのでHCWを観ていたファンでも違ったステージも期待出来ますし、もちろん私のように25日のHCWのステージを観ていないファンは尚更、そのステージが楽しみというものです。 2013年にキム・ディールが脱退以降、一時期、THE MUFFSのキム・シャタックがベーシストを務めた後、元A PERFECT CIRCLE、ZWAN、THE ENTRANCE BANDのベーシストを務めてきた敏腕女性ベーシスト、パズ・レンチャンティンがベーシストに定着してからは、再結成後に2枚のスタジオ・アルバムを制作する等、(再結成後に関して言えば)キム・ディール在籍時よりもバンドとしての活動も順調で、今回の公演も再結成後、最も油の乗りきった状態での公演になったに違いありません。 下のセット・リストを観ていただくとお分かりになると思いますが、一曲目はデビュー・アルバム『Surfer Rosa』からの「Where is My Mind?」、2時目は再結成後の『Indie Cindy』からの「Greens and Blues」、3曲目は『Head Carrier』からの「All the Saints」を挟みますが、この後は2ndアルバム『Dollitle』、デビューEP『Come on Pligrim』からの初期のナンバーが続き、初期作品から愛聴している真のPIXIESファンの胸をくすぐるような選曲に会場はかなり盛り上がり合唱も起こったほどです。 ブラック・フランシスは始めの数曲はアコースティック・ギターを手にしてヴォーカルをじっくり聴かせることに集中し、曲が進むに連れて徐々にオルタナティヴな轟音ナンバーで最高潮なノリを作り、ライヴ全体が単調な構成にならないような流れを構築しているところは実に見事だと思いました。 DINOSAUR Jr.が昨年、『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER』が比較的、高揚感のあるオルタナ・ナンバーが多過ぎ、まるでパンク・バンドの公演のような単調な流れになって、ファンからの不満の声も少なくなかったのですが、今回のPIXIESの公演は轟音ナンバーで盛り上がることはあっても、新旧各楽曲の質の高さを改めて認識させる緩急のある曲構成にして最後まで飽きさせない完璧とも言えるものになっていたんじゃないかと思います。 パズ・レンチャンティンも元々は銘打ってのテクニシャンであることもあって、安定感やバンドのダイナミズムへの貢献はキム・ディール以上で、コーラスでも貢献したことで本来の"PIXIESらしさ"を失わずに更にバンドのレベルを引き上げました(ちなみに彼女がリード・ヴォーカルを取る「All I Think About Now」も披露)。 そして、バンド・サウンドの重要な要でもあるジョーイ・サンティアゴのギターも予想以上の素晴らしい出来で、彼のギター無しにPIXIESは有り得ないと断言しても良いくらいです。 特に高揚感のあるオルタナ・ナンバーはほとんど彼の独壇場と言っても過言ではなく、単純にエフェクターを駆使してノイズを出すレベルに終わらず、プレー・スタイルも曲に応じてバリエーションも多彩でバンド・サウンドを支配しているのがジョーイであることを改めて認識させてくれました。 そして、ドラマーのデヴィッド・ラヴァリングも地味ながらもタイトで重たいビートでフロントの3人を支え、バンドの重みのあるグルーヴを作り出していました。 このライヴで彼等の残してきた楽曲を改めて聴くと、PIXIESが創作してきた音楽無しで90年代のグランジ・ムーブメントは存在しなかったと痛感させられましたし(実際、「Debaser」はNIRVANAの「Smells Like Teen Spirit」の元ネタなんですけどね)、その90年代以降のオルタナ・シーンの源流バンドながらも、現在もその頂点であり続けているのがPIXIESなんじゃないかと思います。 最後はアンコール無しで終わりかな?…って思わせておきながらも、最後は「Planet of Sound」で締め。 この曲は25日のライヴの最後の曲でもあるみたいですが、ほとんど最後までMCを入れて休むと言うことをせずにノンストップでライヴを行ったメンバーの体力と集中力も凄いですし、もしかしたらバンドは現在、キャリア史上、最高に良い状態にあるのかもしれません。 再結成バンドの大半は金目的でそこに解散前の熱いスピリットを感じるのは難しいのですが、パズの加入によって生まれ変わったことで、新たに彼等に熱いスピリットが蘇ったのかもしれません。 

 

 そして、私はノンストップで29曲の圧倒的なPIXIESの来日公演の後は今月3日のTHE DAMNED。 コチラはいよいよ明日ですがおおいに楽しんできたいと思います!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

27th February Monday

PIXIES Live in Japan

(@Roppongi EX Thratre, Tokyo)

 

 

1. Where is My Mind?

2. Greens and Blues

3. All the Saints

4. Here Comes Your Man

5. Winterland (Neil Young cover)

6. Mr. Grieves

7. The Holiday Song

8. Blown Away

9. Gouge Away

10. Wave of Mutilation

11. Bel Esprit

12. Monkey Goes to Heaven

13. Isla de Encanta

14. Talent

15. Oona

16. Caribuu

17. All I Think About Now

18. Debaser

19. Magdalena 318

20. Velouria

21. Snakes

22. Plaster of Paris

23. Cactus

24. Brick is Red

25. Break My Body

26. Vamos

27. U-Mass

28. Hey

 

【Encore】

29. Planet of Sound

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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