吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

『HOSTESS CLUB WEEKENDER』(2/26)





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 私にとっては、MELVINSがトリを務めた2015年11月22日以来の『HOSTESS CLUB WEEKENDER』参加になりますが(もっともHCW開催も2015年以来なのですが…)、2015年時はサイン会参加を考慮しなかったので昼頃に新木場に到着していましたが、この日(2/26)のHCWはLITTLE BARRIEのサイン会に参加したいと思い、10時20分くらいにスタジオ・コーストに着くと早くもサイン会グッズを購入するための長蛇の列で、しかも若い女性ファンばかり (苦笑)。 もちろん彼女達の目的のほぼ全員がCOMMUNIONSで、私がこれほど沢山の若い女性ファンと一緒なのは、2015年のTHE STRYPESの来日公演以来じゃないかと思います。 そしてサイン会に参加するためのグッズ販売が11時から開始になったのですが、私が並んでいる途中でCOMMUNIONSのサイン会グッズは売り切れとなり、私の前にいた女性ファンの方は泣く泣く諦めていました…。 私の方は無事、LITTLE BARRIEのサイン会用のCD(2月15日に発売になった新作『Death Express』をゲットすることが出来ました。 とりあえず、サイン会用のグッズをゲット出来れば、後は12時30分の開場を待つばかり。 この日は冬にしてはポカポカ陽気の暖かい天気で開場を待つには絶好の天気。 そして、開場時間になったと同時にステージへ向かいましたが、もちろん、先程のグッズ売り場で並んでいた、COMMUNIONS目当ての若い女性達がステージ最前列を陣取っていたのは言うまでもありません (苦笑)。 最前列の彼女達はメンバーに渡すための小さな花束に、メンバーの顔写真から制作したお面(?)みたいなものを手に持ち、まるでアイドル・グループのライヴのようなノリでしたが、まぁ~、そこが若い女の子なのかもしれません。 もっとも私もCOMMUNIONSは好きなバンドなので、彼女達のやや後ろに陣取ってはいましたが…(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

①COMMUNIONS

(13:30~)

 

 

 

 若い女の子達ばかりの中、私はベーシストのマッズ・レホフ(フロントマンのマーティン・レホフの弟)のいるステージ右サイドに陣取り、COMMUNIONSのメンバーはほぼ定刻通りの13時30分頃に登場し、EP『Communions』に収録されているナンバー「Forget It's a Dream」からスタート。 ファンキーなベースが印象に残るブリット・ポップ・ナンバーですが、この曲を聴く限りでもメンバーの安定した演奏技術が垣間見え、デンマークの次世代を担うバンドとしての貫禄を充分、感じさせてくれます。 マーティン・レホフの清涼感のある高い声のヴォーカルも安定感があり、ブリット・ポップをルーツに置きながらもバンドとして、しっかりとしたバンドとしての技量を感じさせてくれたと思います。 もっとも若い女の子に人気があると言っても、元々、COMMUNIONSはUK直系の良質なギター・ポップ・サウンドが評価されて、日本でも2015年に編集EP『Communions』がリリースされた経緯を考えれば、女の子に人気のある云々を差し引いて実力を評価すべきバンドなのですが、それでも10代の若さに加え、イケメン揃い。 そして胸がときめく甘酸っぱいポップなメロディーと若い女の子が好きになるのも当然のバンドなのですが、洋楽の不振が叫ばれている現在の洋楽マーケットにこうしたバンドも必要なのだとも思います。 この日のHCWのステージでも甘酸っぱいギター・ポップを披露しながらも、リアム・ギャラガー辺りがこのバンドのヴォーカルを務めたら、さぞや往年のブリット・ポップ・ファンが涙しそうなアンセミックでストロングなメロディーの素晴らしさにも気付かされることと思います。 この日の楽曲は2月3日に発売されたデビュー・アルバム『Blue』中心でしたが、これからキャリアを重ね、音楽の幅が更に拡がっていけば、デンマークの先輩バンドのMEWやICEAGEのような評価を受けるのも、そう遠い日ではない気がします。 HCWのオープニング・バンドにしては目の離せないバンドの登場でしたが、私はこの後、次のTHE LEMON TWIGSの登場前にLITTLE BARRIEのサイン会に向かったのでございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

LITTLE BARRIEサイン会

(14:25~)

 

 

 

 COMMUNIONSのライヴが終わったのが、LITTLE BARRIEのサイン会が始まる時間(14:25)だったので、私は急いでサイン会の会場に向かいました。 アーティストにサインを貰うなんて昨年のHURRICANE #1以来ですが、15日発売の新作も素晴らしい出来だったうえに、LITTLE BARRIEのライヴも今回のHCWが初めて。 今回のHCWで最もライヴで期待していたのがLITTLE BARRIEなのですが、サインを貰えるのも非常に楽しみにしていました。 私自身はSWANSのフロントマンのマイケル・ジラ、ICEAGE、そして前述のHURRICANE #1のメンバーにそれぞれサインを貰いましたが、LITTLE BARRIEのメンバーは三者三様で対応に個性が出ているところが面白いところかもしれません。 最初にサインしてくれたのはギタリストのバーリー・カドガンで対応も凄く丁寧で凄く繊細なイメージが強く、バンド名通り(LITTLE BARRIE)、正に小柄な方でした。 ドラムスのヴァージル・ハウは陽気で豪快なイメージそのものの人で、ベーシストのルイス・ワートンはかなり無愛想ですが、おそらく人見知りが激しく物静かな人で、メンバー全員、ほぼ見た目通りの印象そのものの性格でした。 そして三人にサインしてもらったのが下の写真(↓)で私宛て(Kira)の名前も入っています。 サインを貰った後はスタジオ・コーストに到着する前にコンビニで買ったサンドイッチを頬張った後、ドリンクで喉を潤して、その後のTHE LEMON TWIGSのライヴが始まるステージに向かいました。

 

 

 

 

 

 

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 ③THE LEMON TWIGS

(14:55~)

 

 

 

 

 私もサイン会と食事を済ませ、辛うじてTHE LEMON TWIGSのライヴ開始に間に合いましたが、COMMUNIONS同様、いや、それ以上にこのバンドの人気は高く、会場内はぎっしりと埋まっていました。 このバンドのダダリオ兄弟もまだ10代のイケメンで女性人気も高いのですが、それ以上に昨年リリースしたデビュー・アルバム『Do Hollywood』のキテレツなポップ・サウンドが高い評価を受け、この日来ていた方の大半はこのバンドのパフォーマンスに注目していたはずです。デビュー・アルバムではほぼ全ての楽器をこなすマルチ・プレイヤーぶりを発揮していたダダリオ兄弟ですが、どんな楽器でもこなしてしまう天才兄弟に注目が集まるのも当然と言えるでしょう。 ライヴのオープニングは「I Wanna Prove to You」で始まり、ヴォーカル兼ギターを長髪の兄、ブライアンが務め、弟マイケルはドラムス、ダニー・アヤラがキーボード兼コーラス、そしてブライアンのガールフレンドでもあるミーガン・ジーンコウスキがベースを担当しています。 そして次の曲は曲展開が目まぐるしく変わり、後期THE BEATLESばりの美しいコーラスが印象に残る「Haroomata」を披露しますが、アルバムでこの難易度の高い楽曲を聴いた時にこのバンドの恐ろしい才能を思い知った方も多いんじゃないかと思いますが、この曲をライヴでも美しいコーラスを難無くこなし、それでもブライアンもチャック・ベリー並のダッグ・ウォークまで披露するだけの余裕があるところにこの兄弟の才能の凄さの一旦を見せつけられたに違いありません。 キーボードを担当しているダニー・アヤラも美しいコーラスもヴォーカルも取れるので、バンドの大きな力になっていますし、始めの数曲の時点でダダリオ兄弟の才能を感じた観衆も多いでしょうが、この兄弟の凄さはこの程度ではないと後に思い知ります。 ブライアンのギタリストとヴォーカリストとしての実力、マイケルのドラマーとしての実力を数曲の時点で実感したと思いきや、今度はマイケルがギターとヴォーカルを担当し、ブライアンがドラムを担当すると、マイケルのヴォーカルとギター、ブライアンのドラムもポジション・チェンジしても高いレベルでの演奏技術を見せつけ、この兄弟のマルチ・プレイヤーとしての凄さを会場のファンも思い知ったことと思います。 マイケルも若き日のピート・タウンゼントばりに高々とジャンプしたり、兄以上に派手なアクションで会場を沸かせましたが、この兄弟の末恐ろしい才能には会場のファン全員が驚いたに違いありません。 これから様々な音楽を吸収して、どれだけ将来、二人とも凄いミュージシャンになるのかと思うと楽しみというよりは恐ろしいですが (苦笑)、この日のライヴを観られなかった方は、今年の『FUJI ROCK FESTIVAL 2017』で末恐ろしい才能の兄弟のパフォーマンスを味わってください(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LITTLE BARRIE

(16:40~)

 

 

 

 

 そして、衝撃の天才ぶりを発揮したTHE LEMON TWIGSの後は我らがLITTKE BARRIEですが(笑)、THE LEMON TWIGS終演後はCOMMUNIONSのサイン会が16時過ぎの開催だったこともあって運良く前方の方で観ることが出来、しかも、バーリー・カドガンの真ん前という絶好のポジションをキープ出来ました。 もちろん三人とも抜群の演奏技術を持ったバンドですが、ファンならずともギタリストとしてのバーリー・カドガンは一目置かれる存在なだけに、バーリーのギター・プレーを間近で観られるのはファン冥利に尽きると言うものです。 そして、私が今回のHCWで最も期待しているバンドでもあるLITTLE BARRIEが登場したのはほぼ定刻通りの16:40頃だったと思いますが、オープニングは新作のオープニング・ナンバーでもあるインスト・ナンバーの「Rejection」からスタートし、そして「I.5.C.A.」。 アルバムでも独自のグルーヴを持った先行シングルとして、YouTube等で曲を聴かれた方もいらっしゃると思いますが、バーリーもこの曲でトム・モレロ(RAGE AGAINST THE MACHINE)ばりのフリーキーなギター・プレーを披露してくれます。 バーリーのギター・スタイルはオーソドックスなロック・ギターをベースにしながらも、様々なスタイルの奏法を織り交ぜて、多種多様なグルーヴを創作出来るところにその凄さがありますが、このステージでもそんなバーリーのフリーキーなギターが存分に味わえるステージにもなりました。 スティーヴ・ハウの息子でもあるヴァージル・ハウのドラミングもプログレッシヴ・ロックにルーツを持つ、非常にテクニカルで高度なものですが、このステージでは小手先のテクニックに走らず、バンドのダイナミズムを重視した重さを感じさせるプレーになっていたと思います。  寡黙な印象のルイス・ワートンのベースも二人のプレーを縫うようにして、高度なプレーでバンドのグルーヴを構築して、ルイスもまたバンドに欠かせないプレイヤーであることを静かに主張するプレーを見せつけてくれました。 三人とも自由にやらせれば、1曲で長時間のジャムをやることも辞さない典型的なジャム・バンドですが、このHCWでは曲のフォーマットは敢えて崩さずに、しっかり楽曲をしっかり聴かせる構成のステージにしていた気がします。 彼等にしては無難にまとめてはいてもテクニカルかつフリーキーな三人がつまらない演奏に終始するわけもなく、見事に期待に応えたパフォーマンスは充分にやってのけ、個人的に初めて観たLITTLE BARRIEのライヴですが充分過ぎるくらいのインパクトは残してくれたと思います。 もしかしたら、単独公演も9月頃にあるようなので私も楽しみにしています。 サインを貰ったから贔屓しているわけではないですが(笑)個人的にはこの日の一番のベストのライヴがこのLITTLE BARRIEだったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LITTLE BARRIE Setlist

(3/8 追記)

 

1. Rejection

2. I.5.C.A.

3. Realise

4. Molotov Cop

5. Tip It Over

6. It Don't Count

7. Black Mind

8. You Won't Stop Us

9. Compressed Fun

10. Pauline

11. Love Or Love

12. Bonneville Ride

13. Eyes Were Young

14. Drath Express

15. Surf Hell

16. I Can't Wait

 

 

 

 

 

 


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THE KILLS

(18:55)

 

 

 天才兄弟の末恐ろしい才能を感じさせたTHE LEMON TWIGS、そしてライヴ・バンドとしての実力を定評以上に見せつけてくれたLITTLE BARRIEの後のトリを務めたTHE KILLSですが、トリに相応しいパフォーマンスを見事に披露してくれました。 今回のTHE KILLSはアリソン・モシャート(Vo)とジェイミー・ヒンス(G/Vo)の二人に加え、サポートのドラマーとサウプリング担当者の計4人。 THE LEMON TWIGSとLITTLE BARRIEの後だけにトリながら、あっさり喰われてしまう可能性を感じたのは私だけではなかったですが、一曲目の「Heart of a Dog」でアリソンのセクシーでロック・スター然としたアクションを観た瞬間、そんな余計な心配はこのバンドには不要と思った方は多かったことでしょう。 実はギタリストのジェイミーが怪我を負って、彼の左手の中指の腱が動かせずにコードを押さえるのも不自由であることを知っているのが、この会場にどれほどいたかは知りませんが、このジェイミーの不自由さを逆手にとって、ジェイミーが弾くのが可能なコードのみを使うことで、他のバンドにはない様式にすることで、逆にTHE LEMON TWIGSやLITTLE BARRIEでは絶対に有り得ない世界観を築き上げることに成功したと言えると思います。 アリソンのセクシーなアクションも今回参加しているバンドには欠けている"セクシーなフロント・ウーマン"であることも、他の3バンドにはない魅力になっていて、HCWに華を添えた形になったにも良かったと思います。 そして、一曲目が昨年リリースした『Ash & Ice』だったのに対して、2曲目は2008年発表の『Midnight Boom』からの「U.R.A. Fever」だったのも長年、THE KILLSを愛聴していたファンには驚きであったに違いありません。 『Midnight Boom』はバンド初期の退廃感のあるガレージ・バンドという印象を覆した、ダンサブルでキャッチーな側面を持ったアルバムで、日本でもバンドが知られるようになったきっかけにもなっていました。 私も『Midnight Boom』はTHE KILLSの中で最も大好きなアルバムで、この日のアンコールの最後に同アルバムの「Sour Cherry」を持って来る等、『Midnight Boom』愛聴者にはたまらない選曲だったと思います。 もちろん、最新作『Ash & Ice』のデジタル・サウンドを導入したサウンドがこのライヴの軸になってはいるのですが、単調なコード進行の曲が大半にも関わらず、その単調さがミニマムなグルーヴとして聴こえ、逆にそれが大きな武器にもなっていると実感させてくれたライヴにもなりました。 最後はジェイミーもアリソンもお互いに顔をすり合わせて愛撫し合う光景も最高にチャーミングで、THE KILLSにしかない愛らしい世界観を味わえただけでも観て良かったと思うファンも少なくないはずです。 実は私自身、2008年のサマソニで彼等のライヴを楽しみにしていたにも関わらず、リズム・マシーンのプログラミングのデータが消えたことでライヴを行うことが出来ず、結局、THE KILLSの公演を観られなかった悲しい過去もあったのですが、10年近く経ってから彼等のライヴを観られたのは素直に嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 今回のHCWはMELVINS目当てだった2015年の時に比べて、実に見応えがあったと思いますし、4バンドとも見事に期待以上のパフォーマンスを見せてくれたと思います。 主催者の「Hostess Entertainment」も現状として継続が難しい部分もあるみたいですが、経費的な面で負担の少ない日本のバンドを加えてもHCWはこれからも続けてもらいたいと思います。 私は公演終了後、翌日のPIXIESの来日公演でも再び会うことになる若い男性の方と少し話した後、CATFISH AND THE BOTTLEMENの来日公演でもお会いした、Facebookの友達のYoshidaさんと話ながら電車に乗り、会場を後にしました。 PIXIESの来日公演のブログも遅くなりそうですが書かせていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

THE KILLS Setlist

(3/8 追記)

 

1. Heart of a Dog

2. U.R.A. Fever

3. Kissy Kissy

4. Hard Habit to Break

5. Impossible Tracks

6. Black Ballon

7. Doing It to Death

8. Baby Says

9. Dead Road 7

10. Tape Song

11. Echo Home

12. Whirling Eye

13. Pots and Pans/Monkey 23

 

【Encore】

14. That Love

15. Siberian Nights

16. Love is a Deserter

17. Sour Cherry

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ynos.tv

 

 

 

 

 

 


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