吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

HURRICANE #1 Live in Japan (11/5)




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 この日のHURRICANE #1の来日公演は実に19年ぶりになりますが、もちろんRIDE再結成のためにアンディ・ベルの参加はなし…。 しかし、この日の公演は単純に19年ぶりのHURRICANE #1の勇姿を観られるという単純なものではなく、真の意味での正統派UKロック・ファンが集う、実に充実した公演になったと思います。 このHURRICANE #1のジャパン・ツアーを実現してくれたのは、オープニング・アクトも務めてくれた、THE MAYFLOWERSで、彼等のおかげでこの日観に来たファンは至福の時を過ごすことが出来ました。 私自身、泊まりの仕事が終わったばかりで、17時開場という早い時間は少しキツい気もしましたが (苦笑)、それでも、最後まで最高に楽しい時間を過ごすことが出来ました。 私も開場時間まで新潟から来たという男性の方ともお話して、その方がHURRICANE #1のメンバーとにサインを貰ったり、記念撮影したりと筋金入りの音楽好きで、こういう場でUKロックの話をしたり出来たのも、これから始まる公演をより楽しいものにしてくれたと思います。 ちなみに会場のチェルシー・ホテルは新宿MARSと同規模ほどの本当に小さなライヴ・ハウスで、アンディ・ベル在籍時の19年前の来日公演だったら、こんな間近でHURRICANE #1を観られるなんて有り得なかったでしょう。 17時も過ぎて、会場内に入場してドリンクを買ってから、いつも通り、図々しく(笑)最前列を陣取って、準備万端。 18時過ぎのTHE MAYFLOWERSの登場前には、OASISファンのためのクラブ・イベントを開催している「OASIS NIGHT」の方がDJブースでUKロックを中心に曲を流してくれて、会場内がUKロックの聖地と化しました。 THE MAYFLOWERS、HURRICANE #1のライヴを、この日に観に来たファンのほとんどは根っからのUKロック・ファンのはずで、単なるHURRICANE #1の19年ぶりの来日公演だけに止まらない、正にUKロック・ファンのための最高の空間になっていたと思います。 OASIS、LA'S、PULPBLURSUEDE等、かかっている曲はUKロック・ファンのツボを突いたものばかりでしたけどね(笑)

 

 18時過ぎに登場したのは、今回のHURRICANE #1の来日公演を実現してくれた、京都出身のバンドで、HURRICANE #1の新作『Melodic Rainbows』の発売元の「Rooster Records」のオーナーでもあるTHE MAYFLOWERS。 THE MAYFLOWERSは『メロディー+ハーモニー+ロックンロール』を信条とするブリティッシュ・ロックのスピリッツを継承した、里山理(Vo/B)、田口勇介(G)、木村耕治(Dr)の三人によるトリオ・バンドです。 5度のUKツアーを始め、海外公演も精力的に行っていて、アンディ・パートリッジ(XTC)を始め、海外のミュージシャンや音楽マニアにも評価の高いバンドです。 HURRICANE #1の招聘だけでなく、DJタイムに「OASIS NIGHT」のDJを起用したように深い"UKロック愛"を感じさせる、"日本のUKロック・バンド"と称しても良いバンドだと思います。 肝心のライヴでは、UK直系の情緒的なメロディーの良さだけに走ることなく、ダイナミズムを感じさせる、ライヴで鍛え上げたロックンロール・バンドで、特別にUKロック好き云々関係なく、充分にライヴ・バンドとしての実力を感じさせてくれるバンドです。 私も個人的にMETZのオープニング・アクトを務めたCRYPT CITY、PRIMAL SCREAMのオープニング・アクトを務めたにせんねんもんだいと、海外バンドの来日公演で素晴らしい日本のバンドを体験することが出来ましたが、THE MAYFLOWERSはそんな素晴らしい日本のバンドの一つだと思います。 UKロックへの深い愛情を感じながらも、単なる英国ロックの模倣に終始せず、オーソドックスながらも骨太なロックンロールを追求しているバンドのように、私は思えました。 アンコールでは、HURRICANE #1のカルロ・マリアーニを交えてのTHIN LIZZYのカヴァー「Boys are Back in Town」も披露しましたが、こうしたカヴァーにも骨太なロックンロール・バンドとしての実力を計り知ることが出来ました。 THE MAYFLOWERSのライヴは通常の来日公演の短い時間でのライヴではなく、アンコールも交えた1時間ほど(?)のライヴだったと思いましたが、HURRICANE #1登場前に充分に素晴らしい時間を過ごすことが出来たと思います。 今回の来日公演の主催者で多忙ながらも素晴らしいライヴ・パフォーマンスを見せてくれた三人には本当に脱帽ですが、これからのバンドの活躍に期待したいと心から思わせるライヴでした。

 

 

 

 

 

 

www.mayflowers.jp

 

 

 

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 そして、THE MAYFLOWERSのライヴが終了後、ステージ前に黒い幕が降りて、いよいよHURRICANE #1の登場。 むろん、今回のHURRICANE #1の来日公演が"アンディ・ベル抜き"なのを、今更述べるのは愚の骨頂ですが (苦笑),、この会場のほとんどがアレックス・ロウの勇姿を一目観たいというファンだったに違いありません。 アンディ脱退→バンド解散、そして、アレックスは癌の闘病生活と苦悩の日々を送って来ましたが、前作『Find What You Love and Let Kill You』、そして最新作『Melodic Rainbows』と再結成後、素晴らしい傑作アルバムをリリースしたことで来日公演の期待も更に高まったに違いありません。 黒い幕が上がり、ライヴはデビュー・アルバム『Hurricane #1』収録曲の「Chain Reaction」からスタート。 注目のアレックスは意外に小柄でしたが、ガッチリとして体型に精悍な掘りの深い健康的な顔立ちは癌と闘病していたとは思えない生気が漲っていて、UKロック屈指のヴォーカリストとしての貫禄を感じさせてくれます。 カルロ・マリアーニ(G)、クリス・ムリン(B)、クリス・キャンベル(Dr)の"新生HURRICANE #1"のメンバーも、このバンドがアンディ・ベルが結成したバンドであることを忘れさせてくれるほど、アレックスとの一体感を感じさせてくれました。 楽曲の方も「I Wanna Kill You」、「Most Anything」という最新作『Melodic Rainbows』からの楽曲を披露した後、デビュー・アルバムからの「Just Another Illusion」をプレイして、最新作と旧作の曲を上手く織り交ぜた選曲になっていた気がします。 形的にはアンディの後釜的な扱いを受けかねないカルロは、再結成後の曲はもちろん、アンディ在籍時の曲も難無く弾き熟して、アンディ不在を感じさせないのはカルロのプレイによるところが大きいと感じさせてくれました。 もちろん、UKロック界屈指のアレックスのヴォーカルの素晴らしさはライヴでも健在で、終始、笑顔で彼自身もライヴを楽しんでいたと思います。 何と言っても、HURRICANE #1の魅力はファンが思わず合唱したくなるアンセミックなナンバーがあるところだと思いますが、「Step Into My World」、「Only the Strongest Will Survive」と言ったアンディ在籍時の名曲はもちろん、「Think of the Sunshine」という再結成後のアンセム・ソングでも合唱が起こり、HURRICANE #1本来の魅力でもある王道UKロック・バンドとしての真髄を発揮したライヴだったと思います。 また最新作からのアコースティック・ナンバー「I  Want You」のようなじっくり聴かせるナンバーも、アレックスのヴォーカリストとしての実力の高さを改めて、感じさせてくれました。 下にこの日のセット・リスト(↓)を掲載しましたが、アルバム別に見ていくとデビュー・アルバムと最新作からの選曲が多いですが、アンセミックなナンバーを中心に置いた、HURRICANE #1のファンが聴きたい曲を抑えたものになっていたと思います。 チェルシー・ホテルという本当に小さな会場でバンドとファンが至近距離で一体になったライヴに、会場のファンもメンバーも至福の時を感じたに違いありません。 私も最前列に陣取っているのでアレックスともライヴ中に握手しましたが、彼の手が意外に小さかったことも(どうでも良いことですが)書いておきます(笑) HURRICANE #1のアンセミック・ソングを腹一杯、堪能出来て素晴らしいライヴでしたが、私はライヴの最後にドラマーのクリス・キャンベルからセット・リスト表を頂いてしまいました。 何回もライヴ参戦してセット・リスト表はおろか、ピックやドラムのスティックさえ貰えたことがない私が、クリス・キャンベルが私に手渡しでセット・リスト表をくれたんですよ…。 もちろん、下に書いたセット・リストはクリスから貰ったものの丸写しですが、クリス、本当にどうもありがとう! しかし、このライヴの楽しみはセット・リストを貰っただけで終了ではありません。

 ライヴ終了後は、HURRICANE #1とTHE MAYFLOWERSのメンバーがステージに上がり、ステージからファンを記念撮影しましたが、この撮影写真はHURRICANE #1のFacebookに掲載されています(ちなみに恥ずかしながら、その写真に私も写っています)。 それから、記念撮影の後は大貫憲章さんがDJブースに登場し、HURRICANE #1のサイン会も同時に開催されました。 サイン会が始まる前、物販のところで私がウロついていると、THE MAYFLOWERSの里山さんが私に「吉良さんですよね?」と声をかけていただきました。 里山さんが私を知っているのには驚きました。 私自身、そういえば「Rooster Records」のFacebookにコメントしたこともありましたし、いいね!を年中つけていましたが、私みたいな一音楽ファンに過ぎない者を覚えていただいた、里山さんの人柄には深く感動しました。 私自身、UKロック・ファンほど良心的な音楽ファンはいないと思っていますが、バンドマンでもあり、レーベル・オーナーでもある多忙な中で私みたいな、所詮、音楽ファンを大事にする姿勢には頭が下がる思いです。 そして、その後は先程、クリス・キャンベルに貰ったセット・リスト表を持ってサイン会に参加してサインまで貰っちゃいましたが、メンバー全員、本当にナイスガイで、もう、ここまで楽しい思いしちゃって良いんだろうかと思っちゃいますよね? 最後の帰り際、出口にいた、THE MAYFLOWERSの田口さんとも話して、THE MAYFLOWERSのライヴにも感動したことを伝え、また機会があったら、THE MAYFLOWERSのライヴも再び観たいと最後に笑顔で握手して、数多くの楽しかった思い出を噛み締めて会場を後にしました。 HURRICANE #1のメンバー、THE MAYFLOWERSのメンバーの皆さんには、私の一生の思い出に残る楽しい思いをさせていただいて、本当に深く感謝しています。 両バンドのメンバーとまた、お会い出来る日がまた来ることを心から祈っています。

 

 

 

 

 

 

HURRICANE #1 Live in Japan Setlist 

Saturday 5th November (2016)

(@CHELSEA HOTEL Shibuya, Tokyo)

 

1. Chain Reaction

2. I Wanna Kill You

3. Most Anything

4. Just Another Illusion

5. Think of the Sunshine

6. What Do I Know

7. Where to Begin

8. Strange Meeting

9. Monday Afternoon

10. All I Want from You

11. What It Means to Me

12. Round in Circles

13. Liz Don't Cry

14. I Want You

15. Step Into My World

16. Only the Strongest Will Survive

 

【Encore】

17. Mother Superior

18. Rain

 

 

 

 


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