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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

進化した"マリアンヌの革命"




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『マリアンヌの革命』(通常盤)

キノコホテル

 

 

 キノコホテルが今年7月にリリースした、通算5作目にあたるアルバムでキング・レコード移籍初のアルバムになります。 アルバムのプロデュースと全曲の作詞/作曲は、キノコホテル支配人でありヴォーカリストのマリアンヌ東雲が務めています。 ちなみに私がこのブログで書いているのは特典無しのシンプルな"通常盤"ですが、"初回限定盤"には、「おねだりストレンジ・ラヴ」のMVと2015年11月に東京キネマ倶楽部で行われた実演会(キノコホテルのライヴは"実演会"と呼ばれています)の映像を収録したDVDが付いて、アルバム・ジャケットの東雲の表情には不気味な笑みが見られます。

 キノコホテルに関しては私のブログで3回ほど書かせていただいているので彼女達の詳しい経歴に関しては今回は割愛させていただきますが、本来のキノコ・ホテルの持ち味でもある昭和歌謡や60's グループ・サウンズの世界観を取り入れたガレージ・サウンドは本作ではかなり希薄になってきていますが、新しい領域のサウンドに挑んだ野心的なアルバムにも関わらずキャッチーな曲もあり、新しいファン層を開拓出来るアルバムとなる可能性もあると思います。 アルバムは過去のアルバム同様にインスト・ナンバー(反逆の季節)から始まりますが、2曲目の「おねだりストレンジ・ラヴ」、3曲目の「回転レストランの悲劇」はオルガンの音色を大胆にフューチャーしたニューウェーヴ・ナンバーで、バンドの新生面と言える楽曲と言えると思います。 もっともニューウェーヴと言ってもシンセサイザーではなく、キノコホテルのサウンドの要になっているオルガンを駆使したオリジナリティの高いサウンドに仕上げているところは、さすがキノコホテル!と言える白眉ものの出来で、このニューウェーヴ・ナンバー2曲を聴くだけでも、このアルバムを買う価値は充分にあると個人的に思います。 そして東雲が"最初で最後なんじゃないかってくらいのポップ・チューン"と自ら評しているポップ・ナンバー「流浪ギャンブル (メカ仕様)」もバンドの新生面の一つと言えるかもしれません。 この曲はゲーム『刺青の国』の書き下ろし曲のためにポップ度数を高めた曲なのだと思いますが、バンド史上最もポップな曲でもキノコホテル"らしさ"は充分、失うことなく仕上げているところは流石だと思います。 もちろん、こうした新生面だけが目立っているわけではなく、サイケデリックな長尺ナンバーの「遠雷」、不気味なループを繰り返す異色のサイケデリック・ナンバー「赤ノ牢獄」、そしてアルバム最後に美しいバラード・ナンバー「月よ常しえに」と、彼女達の最大の魅力でもある古典的なサイケデリック/ガレージ・サウンドもしっかりとこのアルバムでも聴くことが出来ます。 全10曲それぞれが異なる物語でありながらも、トータル性を持った完成度の高いアルバムに仕上がっていると思います。 ただ、以前は昭和歌謡を意識した東雲のヴォーカルから昭和の臭いが薄れてきているような気がしますが、やはりニューウェーヴ志向も取り入れたサウンドには昭和の臭いは合わないからなのでしょう。 新しいサウンドを取り入れて東雲のヴォーカルもポップ度数が上がった気もしますが、バンドの高い技量と完成度の楽曲の質は決して従来のファンの期待を裏切りません。

 私は実はこの新作を買う予定は当初はなかったのですが、タワレコで試聴して購入してしまったぐらいですが、進化したキノコ・ホテルのサウンドはヤバいくらいカッコいいです。 最も個人的に昨年、キノコホテルの実演会に行く予定でいたのが体調不良で諦めてしまった苦い経験もあるのですが、今度こそは万全の体調で実演会に臨みたいとこのアルバムを聴いて、改めて思いました。

 

 

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