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吉良吉影の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

『SUMMER SONIC 2016』(8/21)

 

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 そして夜中の『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER』が終わって迎えた、21日の『SUMMER SONIC 2016』。 雨天だった昨日とは打って変わっての晴天でしたが、同時にそれは猛暑との戦いにもなりました…。 朝9時になると、この日のお客さんもわんさか詰めかけ、入場して11時20分に出演予定のSUNFLOWER BEAN目当てに『SONIC STAGE』の列に並びましたが早くも長蛇の列。 しかし、この列のお客さんの全てがSUNFLOWER BEAN目当てとも到底思えず、フェスに来ている音楽人種は理解不能な部分があります (苦笑)。 私のこの日の目当ての一つでもあるSUNFLOWER BEANは11時過ぎの出演なのですが、このバンドも今年デビューしたバンドでは私のお気に入りなので、朝一番で最前列をキープしました。 さすがに朝一番の9時からSUNFLOWER BEANを待っているファンもほとんどいなく、『SONIC STAGE』は閑散としていて、最前列で余裕持って日本の2バンドを観ながらのSUNFLOWER BEAN待ちになりました。

 

①w.o.d. (9:25~) → HARUHI (10:25~)

 この日のサマソニで私が一番始めに観たのは、CREATIVEMANのオーディションで「CREATIVEMAN賞」を獲得してサマソニ出演を果たしたw.o.d.。 w.o.d.はLED ZEPPELINやROYAL BLOODを思わせる、ヘヴィーなグルーヴを聴かせてくれるバンドですが、ヘタに知名度のある洋邦のバンドと違ってオーディションをしっかり勝ち抜いたバンドなので実力の方は充分にあります。 3ピースのバンドですが、ドラムとベースのヘヴィーなリズム隊は胃にずっしりと来るようなビートでバンド・サウンドを引っ張って、ギタリストの方もそれに負けないくらいヘヴィーなディストーション・サウンドを聴かせてくれて、決して新しいサウンドではないですが、将来ラウド系のバンドと共にサマソニ出演しても良いバンドかもしれません。 そして、10時25分には『SONIC STAGE』の正式なオープニング・アクトのHARUHIが登場。 女性ヴォーカリストを擁したオーガニックなサウンドを聴かせるバンドですが、この後の『SONIC STAGE』の流れがSUNFLOWER BEAN → POP ETC → BLOSSOMSという"ポップな"流れなので、こういう聴きやすいバンドもアリだとは思いますが、好きな方には申し訳ないですが、僕がこの日観た中では最も印象に残らなかったバンドと言わざるを得ません…。 特に目当てじゃないバンドの場合、それは仕方ないことではありますけどね…。

 

②SUNFLOWER BEAN (11:20~)

 実は今回のサマソニRADIOHEADと共に期待していたのが、このSUNFLOWER BEAN。 今年3月にデビュー・アルバム『Human Ceremony』をリリースしましたが、モデルを務めるジュリア・カミングの人気も手伝ってか、かなり若いファンが多かった気がします。 もちろんジュリアの容姿も注目に値するものですが、何よりもライヴ・パフォーマンスに定評のあるバンドなので、この日のサマソニでは観なければ損なわけです。 今年のサマソニと『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER』はバンドのメンバーが直接、サウンド・チェックしていることが多いのですが、SUNFLOWER BEANも例外なくメンバー自らがサウンド・チェックを行いました。 当然、ジュリア・カミングも現れたわけですが、彼女の華やかな存在感にはさすがに目を奪われました。 黒いワンピースを纏ったジュリアはモデルを熟すだけあって、小柄ながらその存在感は並の女性ロッカーにはないオーラを放っている気がしました。 サウンド・チェックの時点でギターのニック・ギヴレンやドラムのジェイコヴ・フェーダーの楽器の上手さには正直、私も舌を巻き、嫌が追うでもライヴでの期待感が高まりました。 デビュー・アルバムのリード・トラックの「Human Ceremony」でスタートしたライヴですが、このサイケデリックな楽曲一曲だけでも分かる人はバンド全体の技量の高さに驚いたに違いありません。 SUNFLOWER BEANの音楽はオルタナ、サイケデリック、ジャングリー・ポップ、ポスト・パンクと様々な要素の音楽が入り混じったものですが、ライヴでのバンドとして生み出される磁場は、本格的にライヴで鍛え上げた非常にレベルの高いものです。 華麗な印象のジュリアも演奏に入るとバンドマンとしてのオーラに豹変し、ニックも技術レベルの高い自らのギターだけでなくヴォーカル面でもジュリア同様に大きく貢献。 ジェイコヴもライヴではその技量の高さでバンドのグルーヴを支配して、バンドのサウンドを支える役割を果たしていました。 この日に来ていたミーハーそうな(笑)若いファンにSUNFLOWER BEANがどう映ったかは分かりませんが、将来、最も有望な可能性を秘めたバンドなのは間違いないと思います。

 

③THE MIRROR TRAP (12:05~)

 そして、SUNFLOWER BEAN終了後に『RAINBOW STAGE』に移動して観たのが、スコットランドダンディー出身のバンド、THE MIRROR TRAP。 THE MIRROR TRAPはこの日のサマソニ出演前の19日に単独公演(原宿ASTRO HALL)も行いましたが、今年は日本デビュー盤にあたるアルバム『Simulations』もリリースして、これからの日本でのブレイクも期待出来るバンド。 SUNFLOWER BEANに比べて、日本で知名度も低く、この日のTHE MIRROR TRAPの観客も疎らでしたが(もっとも『RAINBOW STAGE』のバンドは人気があまり高いとは言えないバンドが多いですが…)、それでも期待にそぐわないパフォーマンスを見せてくれたと思います。 THE MIRROR TRAPは元々、ガレージやエレクトロ・サウンドを軸にしたヘヴィーなサウンドを持ち味にしているバンドですが、PLACEBOのツアーに同行することも多い華やかなイメージの強いバンドです。 フロントマンのゲイリー"The Panther"ムーアは、腰をくねらせながらグラマラスなパフォーマンスを見せつけ、少々、ハード・ロック・テイストのヘヴィーなサウンドに憂いのあるメロディーが印象に残る、楽曲の質も高いバンドです。 SUNFLOWER BEANとは全く違うタイプのバンドではありますが、これからの活動に期待が出来るという印象をこのライヴで感じさせてくれたと思います。

 

 THE MIRROR TRAP終了後は、13時30分に『SONIC STAGE』開始予定のBLOSSOMSを観る予定だったのですが、昼食をとった後、満足に睡眠も取っていなかったので、『RAINBOW STAGE』前のロビーで横になって、30分ほど仮眠を取りました。 しかし、この少ない仮眠時間、後々のサマソニでの活動に大きな影響が出るわけですが、仮眠を取った後、マリン・スタジアムの方に向かい、マリン・スタジアム外の小さなステージ『PARK STAGE』でtoricotを観ることにしました。

 

 

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④toricot (15:15~)

 日本国内での知名度はそれほど高くないものの『NME』のサイトでも取り上げられたこともあり、"分かる奴には分かる"バンド、日本人女性3人組のtoricot。 ナンバーガールtoeという日本のポスト・ロックをルーツに持ち、非常に高い技巧を持ち味にした変拍子も交えた高度な音楽性と、ポップで親しみやすいヴォーカルをブレンドした、いわゆるエモにも近いサウンドで、日本よりも海外で評価されているバンドで、正直、マリン・スタジアムに近い僻地みたいな『PARK STAGE』でやらせるのはもったいないバンドかもしれません。 少々、マニア向けのバンド故、集客はそれほどでもなかったですが、海外人気も手伝って外国人の客も多く、本当に好きなものだけが楽しむ異境の地と化していた気がします。 ライヴが始まる前、中嶋イッキュウ(Vo/G)はMCで「このサマソニに来ているファンは、よほどの音楽好きかミーハーだと思いますが、ミーハーな奴の頭、かち割ってやろうかと思います!」と意気込み、ライヴはスタート。 こんな、クソ暑い僻地(PARK STAGE)でやらされたことで物静かなイメージの強いイッキュウの魂に火が点いたのか、高度で高い演奏技術だけでなく、限りなく熱いパフォーマンスを見せつけてくれたと思います。 もちろん、こう言った技術レベルの高いバンドが怒りやストレスをエネルギーに代えて、熱いステージを見せてくれて面白くないはずもなく、今回のサマソニでは最も熱いロック魂を感じさせてくれたバンドかもしれません。 熱いイッキュウの魂を支える、キダモティフォ(G)とヒロミ・ヒロヒロ(B)も楽器のプレーだけでなく、コーラスでもtoricotのサウンドを支えるていることを実感させ、近年はほとんどサポート・メンバーのドラマーで、ほぼ日替わりのように替わっていますが、この日の男性ドラマー(残念ながら私は名前は分かりません)も、高度な演奏でこの日のライヴを支えていたと思います。 ほとんど30分にも満たないライヴですが非常に満足感は高く、私も次回は単独公演で観たいものです。 最後にイッキュウは最後、「以上、RADIOHEADでした!」と熱いハートを胸の内に秘め、ステージを去りました(笑)

 

THE YELLOW MONKEY(?~)

 toricotのライヴが終わって、いよいよマリン・スタジアム入りしましたが、既にTHE YELLOW MONKEYのライヴが始まっていました。 2004年に解散した人気の高いバンドでしたが、今年1月に12年ぶりの再結成。 この日の再結成ライヴを楽しみにしていた方も多かったかもしれません。 かく言う私はほとんど解散前のTHE YELLOW MONKEYを聴いていないのですが (苦笑)、そんな聴いたことがない私でも充分に楽しめるライヴはやってのけた気がします。 基本的に王道ロックンロールが主体と思われるバンドですが、演奏技術も高くて安定していますし、この手の王道ロックンロールはマリン・スタジアムのような大きなハコでこそ真価が発揮されるのだと思います。 ヒット曲も当然多いバンドですから、ファンも一緒になって合唱して楽しめるという点ではヘタな外タレ・バンドよりも、こういうスタジアムにはうってつけに思えます。 バンドもトリではないせいか、良い意味でリラックスしている感じもしましたが、吉井和哉もユーモアを交えたMCでファンをリラックスさせて楽しい空間を創りあげたのも好感が持てました。 私は恥ずかしながら、それほどイエモンの曲を知らないのですが、それでもオーソドックスなロック・サウンドを基調にした質の高い楽曲と朴訥ですが吉井和哉の人柄が伝わってくるヴォーカルも温かみを感じて良かったと思います。 普段、イエモンのライヴを観る機会がないのでこういう機会に観られたのは良かったと思っています。

 

サカナクション (17:00~) 

 サカナクションは日本の屋外フェスなら、ほぼ間違いなくヘッドライナーを務めるほどのバンドですが、RADIOHEADの前に是非ともやって欲しいと頼んだのはなんとRADIOHEADなのだそうです! 前の時間のTHE YELLOW MONKEYも幅広い世代の人気という点ではサカナクション以上なのかもしれませんが、RADIOHEADの指名がなくとも、RADIOHEAD前を務めるだけの格が現在のサカナクションにはあると思います。 イエモンのライヴが終了して、サカナクションのステージを組み始めると和太鼓のパーカッションらしきものが多数登場して、オマケにテクノ曲に使用する机もさりげなく配置しているところは、日本でも屈指の先鋭性を持ったサカナクションらしいもので、ステージ・セットを観ただけでもワクワクします。 私も猛暑のマリン・スタジアムのアリーナに来てしまったのは迂闊でしたが、サカナクションのライヴはフロアで踊ってナンボのところがあるので、コレも仕方ないところかもしれません。 基本的に踊れることがサカナクションのライヴの基本なのですが、前述の和太鼓パーカッションのように見せる部分もサカナクションのライヴの醍醐味です。 とにかく、ベースの音は歪んでアリーナのフロアまで響いているのですが、そのベースのサウンドがファンキーなリズムを刻むと、その歪みすら快感に代わって、本当に乗らずにはいられないバンドです。 途中で芸者ガールが登場して舞を披露したかと思うと、さらに和太鼓パーカッションを叩く、男女数名が登場してライヴは最高潮に。 ただの踊れるフロア・ミュージックを目指すのではなく、和洋折衷関係なく先鋭的な音楽を目指すサカナクションの底力を見せつけられた気がしました。 これからも様々な音楽を取り入れつつ楽しめる音楽を創り続けるサカナクションの天下は続きそうです。 もっとも、このサカナクションのライヴの楽しさを融通の利かないRADIOHEADのファンが受け入れることが出来たかどうかは分かりませんが、このバンドを自分達の前に起用したRADIOHEADのセンスは間違っていなかったと思います。

 

RADIOHEAD (19:00~)

 サカナクションが終わって、いよいよRADIOHEADなのですが極端な寝不足のうえに、RADIOHEAD目当ての人混みに揉まれて見事に消耗…。 ちなみにこのマリン・スタジアムのアリーナで人混みに揉まれてしまうと、ほぼ50度を超えた温度の中での観戦になり、私もこまめに水分は取っていましたが、体力的にはかなり限界に達していました。 こまめに水分取っても50度の中にいれば、飲んだ水分全てが汗に替わって消耗するのみで、RADIOHEAD開始前から意識朦朧で最後までは無理だと思っていました。 巨大なステージ・セットにも圧倒されましたし、「Burn the Witch」で始まったライヴにも興奮しましたが、ライヴが盛り上がる度に体力が消耗するので、かなり後方に下がりましたが、時すでに遅しで退場することにしました。 サカナクションが終わった後に後ろに下がってゆっくり観ていれば良かったと後悔もしていますが、こういう苦い経験も良い思い出です。 「Creep」もやって最高のライヴだったらしいですが、「Creep」を観なければ私の音楽人生が終わるわけでもないですし、何もRADIOHEADだけがバンドではありません。 SUEDEの単独公演を含めて、今年の私の音楽ライフは充実していたと思いますし、無理して、この先観て体調壊さなかっただけでも良しとしなければいけません。 そんなわけで私の夏の音楽ライフは終了しましたが来年は無理しないような日程を組みたいと思います。

 

「以上、RADIOHEADでした!」 (by 中嶋イッキュウ)

 

 

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