吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

SUEDE Live in Japan (8/18)



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 今年開催される『SUMMER SONIC 2016』の一環として行われる、毎年恒例のサマソニ出演アーティストによる単独公演『SUMMER SONIC EXTRA』ですが、私は18日に赤坂BLITZ(東京)で行われたSUEDEの公演に行ってまいりました。 同じ18日の新木場スタジオ・コーストでWEEZERの『SUMMER SONIC EXTRA』が重なったせいか、前売りチケットの完売とはいきませんでしたが、それでも単独公演でしか味わえない趣向のライヴということで、かなり盛り上がったと思います。 悪天候の中でしたが、本当にSUEDEを愛するものであれば、時間やセットに制約のあるサマソニのステージよりも2時間もの濃厚なライヴを楽しめる今回の『SUMMER SONIC EXTRA』のステージの方がはるかに楽しめるはずです(ちなみに、このブログを書いている時点では、まだサマソニのライヴは行われていませんが…)。 客層は主にSUEDEをリアル・タイムで経験した中年層が多い気がしますが、若い世代だとJOY DIVISIONを普段聴いているような、心に影を持つ美意識の高いダークなサウンドを好むファンが多い気がします(実際にJOY DIVISIONのTシャツを着ている若い男性が意外にいました)。この点は50近い私の感性にも非常に共通している部分で、音楽の嗜好は世代に限らず、類は友を呼ぶのかもしれません。 18時の開場でしたが、開場時間前のグッズの販売が無かったため、SUEDEのTシャツが欲しかった私は19時の開演ギリギリでTシャツを購入するハメになってしまいました。それでも、TシャツのデザインもSUEDEの1stから3rdのアルバム・ジャケットのデザインと最新作『Nigh Thoughts』のアルバム・ジャケットのデザインで、いずれもファンなら絶対欲しくなるようなものばかりで、私は『Coming Up』のアルバム・ジャケットのデザインのTシャツを購入しましたが、開演ギリギリまで待った価値はあったと思います。

 今回のSUEDEの公演は、下記のセット・リスト(↓)をご覧いただくと分かると思いますが、最新作『Night Thoughts』の全曲再現ライヴと、3rdアルバム『Coming Up』の全曲再現ライヴに、アンコールでセルフ・タイトルのデビュー・アルバムからの2曲という構成になっています。 ちなみに今回の公演の第1部にあたる『Night Thoughts』の全曲再現ライヴは、昨年11月にロンドンのラウンド・ハウスにて行われた同アルバムの全曲再現ライヴとほぼ同一内容のもので、ロンドンでのライヴは第2部が『Coming Up』の全曲再現ライヴではなく、往年の名曲を演奏したものになっています。 この第1部のステージは非常に変わった特殊な趣向のもので、バンドが演奏するステージの前に巨大な映画スクリーンが立ち塞がり、『Night Thoughts』の楽曲をバンドが演奏している間にアルバムの各楽曲のイメージ映像が流れ、時折、スクリーンの後ろでバンドが演奏している姿が幽霊のように浮かび上がる形になっています。 このイメージ映像を手掛けているのは『NME』のカメラマン兼フィルム・メーカーのロジャー・サージェントで、YouTube等のネットで観ることの出来る『Night Thoughts』のMVは全て、サージェントが手掛けているものです。 『Night Thoughts』は元々、エドワード・ヤングの詩篇を元に仕上げたコンセプト・アルバムですが、おそらくは映像と一体となることを前提にアルバムも制作されていたのかもしれません。 もちろん、こうした異色の趣向のライヴは臨場感やダイナミズムに欠けますが、特殊なセットを組まなければいけないゆえ、フェスでは難しい趣向のライヴなので、こうした単独公演でしか味わえない特別なものであることには間違いないと思います。私も元々、サマソニSUEDEのライヴを観る予定だったのですが、RADIOHEADとタイム・テーブルが被ってしまったので、SUEDEの『SUMMER SONIC EXTRA』に参加したようなものですが、単独公演でしか観られない貴重な形式のライヴを観られた意義は大きいと思います。 もちろん、この特殊な趣向のライヴだけに終わらず、バンドの本当の意味でのライヴを楽しめる第2部の『Coming Up』全曲再現ライヴこそ、ファンが持ち望んだ形式のライヴではありますけど…。

 

 

 

 

 

 
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 そして、第1部の映像スクリーンの幕が上がって、通常のバンドのセットが組まれて始まった通常形式のライヴですが、これもまた、1996年発表のバンドの代表アルバム『Coming Up』のリリース20周年を記念した全曲再現ライヴ。 私自身はまさか、『Coming Up』の全曲再現ライヴをやるとは思ってもいなかったので驚きましたが(曲が進むに連れて気付いた次第です…)、セルフ・タイトルのデビュー・アルバムと並ぶ名作の『Coming Up』をフルに聴けるのも、この単独公演ならではなのだと思います。 私も第1部が終了して、うまいこと第2部は前方の方で観ることが出来ましたが、とても今年、49歳を迎えるとは思えないブレット・アンダーソンの生の勇姿を観られないとSUEDEを観た気がしません。 必死にコーラスを煽り、それに応えるかのようにシンガロングするオーディエンス。 バンドとファン両者が一体となった第2部のステージだったと思います。 時々、ブレットも客席の方に飛び込んでいき、この日の公演はなぜか冊がないために、私も汗まみれのブレットに触れることが出来ましたが、こうした嬉しいサプライズも単独公演ならではでしょうか(笑) 観ていても、一時期、ドラッグに耽っていたとは思えないブレットの生気が漲って来ましたアルバムし、本当にライヴをやっているのが嬉しくてたまらない感じが伝わって来ました。 そもそもアルバム『Coming Up』自体が、「Trash」、「Beautiful Ones」等、シンガロングに向いている楽曲も実に多いので、中途半端にオール・タイム・ベスト的な選曲にするよりもライヴでは盛り上がりやすいのも、この第2部の全曲再現ライヴの良さなのだと思います。 アンコールではもちろん、2曲ではありますけどデビュー・アルバムからの「Metal Mickey」と「Animal Nitrate」というオールド・ファンにはウケの良い2曲で締めたのも良かったと思います。 私自身は若い頃、「Animal Nitrate」でSUEDEにハマったクチなので、実に嬉しくて涙腺が緩みそうになりました(笑)。 もちろん、同じデビュー・アルバムから「The Drowners」をやってもらいたかったのもありますが、それは贅沢な要求かもしれません。 もちろん、今回のSUEDEのライヴの内容に関しては文句のつけようがないものでしたが、グッズ販売を開演前にやらなかったことで、ドリンクを満足に貰えないまま、開演時間を迎えてしまったり、傘置場が冊にかけるだけの安易なものなので、傘が盗まれてしまったりとスタッフの今後に改善して欲しい部分はあります。 今後、我々もCREATIVEMANを利用する機会は減ることはないので、より利用者が快適にライヴを楽しめるように心がけてもらいたいものです。

 

 


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SUEDE Live in Japan (@AKASAKA BLITZ)

 

August 18 2016 Setlist

 

 

【Night Thoughts】

 

1.When You are Young

2.Outsiders

3.No Tomorrow

4.Pale Snow

5.I Don't Know How to Reach You

6.What I'm Trying to Tell You

7.TTightrope

8.Learning to Be

9.Like Kids

10.When You were Young

12.The Fur and the Feathers

 

【Coming Up 20th Anniversary】

 

13.Trash

14.Filmstar

15.Lazy

16.By the Sea

17.She

18.Beautiful Ones

19.Starcrazy

20.Picnic by the Motorway

21.The Chemistry Between Us

22.Saturday Night

 

【Encore】

 

23.Metal Mickey

24.Animal Nitrate

 

 


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