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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

(祝) サマソニ出演決定!!




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『A Moon Shaped Pool』




 

 5月3日に「Burn the Witch」を公開、そして5月6日に「Daydreaming」を公開した後直ぐの、5月9日にデジタルで発売された、RADIOHEADの通産9作目の新作(日本盤のCDは今月15日発売。海外では17日発売)。
 本作は2011年の『The King of Limbs』以来、5年ぶりの作品にはなりますが、トム・ヨークはATOMS FOR PEACEやソロでの活動、ジョニー・グリーンウッドは『The Master』や『Inheart Vice』の映画のスコアを手掛ける等、メンバー個々でアクティヴに音楽活動をしていたのもあって、意外に待たされた印象はないかもしれません。
 本作のプロデュースは、もはやRADIOHEAD第6のメンバーとすら言えるナイジェル・ゴルドリッジが手掛けていますが、ゴルドリッジは制作中に父親を亡くすという悲しい出来事があったにも関わらず、過去作同様に、このアルバムの完成に大きく貢献しました。
 今回はゲストとして、ジョニー・グリーンウッドの映画スコアの制作で度々、共演しているロンドン・コンテンポラリー・オーケストラも参加していますが、先行で発表した「Burn the Witch」でこのオーケストラのストリングスで大きな貢献をしているのを耳にした方は、本作を持っていない方でも多くいらっしゃるはずです。
 2001年に発表したライヴEP『I Might Be Wrong』に収録されている、今までのアルバムに収録されていなかった隠れた名曲「True Love Waits」を始め、「Identikit」、「Present Tence」と言ったライヴで披露されてきた、ファンに人気の高い"隠れた名曲"も本作に収録されていますが、意外なことにこのアルバムでの純然たる新曲は「Decks Dark」、「Glass Eyes」、「Tinker Tailor Soldier Sailor Rich Man Poor Man Beggar Man Thief」の3曲しかなく、今までアルバムで発表されなかった楽曲とは言え、新録曲が少ない内容から本作がRADIOHEAD最後のアルバムになるのでは?というファンの声も少なからずあります。
 ファンに人気の高かった前述の3曲をサービス的に入れたとも思えなくもないですし、また最近のツアーで「Creep」を演奏する"サービス"もあって、自分達の信念にそぐわない安易な"サービス"をしないRADIOHEADが"最後"の"サービス"をしていると穿った見方をするのも無理のないことかもしれません…。
 本作が本当に最後のアルバムになるかどうかはともかく、このアルバムの曲順が実はアルファベット順になっていたり、色々、このアルバムに纏わる謎が次々と出て来るところもRADIOHEADで、NMEを始め、世界中の音楽メディアで様々な"謎"の議論がなされていて、相変わらず知的好奇心を満たしてくれてはいます。
 純然たる新曲が3曲しかないアルバムではありますが、もちろん公式なアルバムとしてリリースしている以上、単なる未発表曲を納めた編集盤的なアルバムにはなっていません。
 基本的には前作『The King of Limbs』のダブ・ステップ・サウンドを踏襲していますが、エレクトロニカも導入したサウンドが主体になっていて、非ロックなRADIOHEADが好みの方、トム・ヨークのソロ作品が好みの方には文句のつけようのないサウンドじゃないかと思います。
 名作『Kid A』は、エレクトロニカ作品ながら、ファンや音楽メディアに挑みかかるような殺気めいたものを個人的には感じさせられたのですが、この作品にはどこか達観したような即身仏みたいな余裕が感じられ、楽曲の質もかなり高いのですが、どこか禅の世界を感じさせる静かな美しさを感じさせてくれるような気もします。
 「Burn the Witch」を初めて聴いた時、個人的に新作はもっと派手なサウンドのアルバムになるのかと自分勝手に思っていましたが、どこか悟りを感じさせる深い作品に仕上がったと思います。
 『I Might Be Wrong』の最後の曲でもあり、本作の最後を飾る、ファンに人気の高かった初のスタジオ・ヴァージョンになる「True Love Waits」も本当に美しく、その美しさから本作がバンド最後の作品と邪推な考えに堕ちるのも無理からぬことかもしれません。
 …いや、もしかしたら本作から邪推な考えを我々がするのを彼等がほくそ笑んでいるのかもしれません (苦笑)。しかし、純然たる新曲が3曲しかないとは思えないアルバムの高いクオリティーは全世界中の音楽ファン必聴ですし、何だかんだ言いながら、人気未発表曲の「True Love Waits」、「Identikit」、「Present Tence」聴きたさに聴く方も多いアルバムなんでしょうけどね(笑)
 私も実は買ったばかりのアルバムなので、深い部分までは聴けていないのですが、聴けば聴くほど引き込まれてしまいますし、ずっと聴き続けたいアルバムだと思います。
 このアルバムの曲が今年の『SUMMER SONIC 2016』で聴けるのも日本のファンには楽しみなところでしょう。もっとも「Creep」やるかどうかは分かりませんけど(笑)サマソニに行かれる方はこのアルバムはちゃんと聴きましょうね。






















 
 
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