吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

(祝) サマソニ出演決定♪



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『Human Ceremony』
SUNFLOWER BEAN







 今年の『SUMMER SONIC 2016』にも出演が決定した、米ニューヨーク・ブルックリン出身の3ピース・バンド、SUNFLOWER BEANが先月リリースしたばかりのデビュー・アルバムです(日本盤は今月2日発売)。
 女性ヴォーカリストのジュリア・カミングがサンローランのクリエイティヴ・ディレクターを務めるエディ・スリマンの寵愛を受けて、モデルとして起用されたこともあって、SUNFLOWER BEANはデビュー前から話題になっていたバンドでした。
 しかし現在、サンローランのモデルに起用されているミュージシャンは珍しくもないですし、むしろTHE VACCINESやPALMA VIOLETS等とのツアーで磨き上げたライヴ・パフォーマンスの実力で評価されているバンドです。
 高校の同級生で、TURNIP KINGというバンドで活動していたギターのニック・キヴレンとドラムのジェイコヴ・フェーダーの二人が、SUPERCUTE!というガール・グループのメンバーだったジュリア・カミングと出会ったのがきっかけ。
 2013年にジュリアが在籍していたSUPERCUTE!が解散すると、当時、ベーシストを探していたニックとジェイコヴはジュリアに声をかけて、新バンドのSUNFLOWER BEANがスタートすることになります。
 SUNFLOWER BEANは正確にはジュリア加入前からニックとジェイコヴが始めていたバンドなのですが、「とにかく、ジュリアがバンドに入ってから全てが変わった」とジェイコヴが語る通り、ジュリアの加入によって急速にバンドを取り巻く状況が好転していきました。
 前述の通り、全くの無名だったジュリアがサンローランのモデルとして起用されたことは非常に大きく、ジュリアがモデルとしての知名度が上がるのに並行してバンドにも注目が集まるようになりました。
 そして、2015年にデビューEP『Show Me Your Seven Secrets』をリリース。このEPではオルタナともハードロックとも言えるヘヴィーなギターを前面に押し出したサウンドが主体になっていますが、「Tame Impala」という人を喰ったタイトルの楽曲が大きな話題を呼びます。
 曲のタイトルにされてしまったTAME IMPALAが、実はアルバム『Lonerism』のiTunesのボーナス・トラックに「Led Zeppelin」という実に人を喰ったタイトルの曲を収録していたのですが、このアイディアを拝借して、見事に音楽面での知名度を上げ、米インディー・レーベルの『Fat Possum Records』と契約して本作のデビュー・アルバム・リリースに至ったわけです。
 アルバムのサウンドはバンド自身が「デジタル・エイジのネオ・サイケデリア」と語っている通りのスタイリッシュなサイケデリック・サウンドが主体になっています。
 「I Was Home」や「Wall Watcher」、或は「Creation Myth」の後半辺りに聴くことが出来る、EP同様のヘヴィーなギター・サウンドもあるにはあるのですが、例えば、TAME IMPALAやANIMAL COLLECTIVEのようなコッテリとした濃い味のドリーミーなサイケデリック・サウンドではなく、80年代の英国で"C86"とか"アノラック"とか呼ばれていたジャングリーなギター・サウンドを得意としていたUKバンド連のサウンドに近いような気がします。
 EPに近いヘヴィーなギター・サウンドを本作に求めた方には、少々、肩透かしを食らった形にはなったかもしれませんが、このアルバムでのジャングリーなサウンドは、憂いも可憐さも感じさせるジュリアのヴォーカルにはしっくりくるはずです。
 MVが、iPhoneのみで撮影されたことで、これまた話題を呼ぶことになった「2013」は、千年生きられるようになった人間の未来を歌うバンドの代表曲と言えるものですが、このMV撮影時、自分達が生きた時間を刻み込もうとしたのだそうです。
 「2013」に限らず、SUNFLOWER BEANの歌詞にはどこか虚無感が漂っている気がしたのですが、人間が永遠に癒えることのない孤独感みたいなものも描かれているのかもしれませんし、MVの意図も人間はその一瞬・一時を生きている決して永遠不滅なものではないと訴えているのかもしれません。
 ここで聴ける"ネオ・サイケデリア"は、ANIMAL COLLECTIVEやTAME IMPALAの享楽のサイケデリアとは趣を異にする、2016年現在の新種のサイケデリアなんだと思います。
 そして、今年の夏のサマソニに早くも来日が決定していますが、各音楽メディアの彼等のライヴ・パフォーマンスに対する評価は総じて高いのでかなり期待出来ると思います。
 4月にも奇しくもTAME IMPALAも来日するので、違う地平に立つ両バンドのサイケデリアを比較しながら楽しむのも良いかもしれません。












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