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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

2010年代最強のポスト・パンク・バンドの待望の新作



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『Adore Life』
SAVAGES

 



 ピッチフォークやNME等、世界中の音楽メディアに称賛され、一躍、2010年代のポスト・パンク・シーンを代表するバンドに押し上げることになった、SAVAGESの2013年のデビュー・アルバム『Silent Yourself』以来、今月22日に発売になったばかりのSAVAGESの3年ぶりの新作です(ちなみに、2014年には、BO NINGENとのコラボ・アルバム『Words to the Blind』もリリースしています)。
 SAVAGESは女性バンドながら、90年代に活動していた一連のライオット・ガール・バンドとは全く違ったタイプのストイシズムを全面に押し出し、THE CUREやBAUHAUSの暗黒ポスト・パンクの正統的な継承バンドとして、アルバム1枚のみのリリースで2010年代のポスト・ロック・シーンを代表するバンドにのし上がりました。
 アルバム・リリース前には「The Answer」、「T.I.W.Y.G.」、「Adore」のMV及び、音源がYouTube上でアップされていましたが、このアルバムをまだ購入されていない方は、かなりヘヴィーになった印象をお持ちになったに違いありません。
 新作のプロデューサーは、デビュー・アルバムに引き続き、ジョニー・ホスタイルが担当していますが、基本的には前作のポスト・パンク・サウンドを踏襲したアルバムになっていると思います。
 もちろん、だからと言って前作の二番煎じ的なアルバムには、当然なっていませんし、前作よりも演奏の技量が向上したことでバンドのアンサンブルもサウンドの完成度も前作より飛躍的に向上して、世界中の音楽メディアに称賛されたデビュー・アルバムを軽く越えた作品になったと断言して良いと思います。
 本作発表前、私は「The Answer」を聴いて、新作はBO NINGENとのコラボ作品『Words to the Blind』を思わせるカオティックな作品になるのでは?と予想していたのですが、安易にサウンドを大胆に変えずに、自分達の従来のサウンドをより高いレベルで進化させたのは高く評価して良いと思います。
 サウンド面で大きな変化が見られるのは、より高いバンド・アンサンブルで、尚且つ、今まで以上にヘヴィーでラウドな「The Answer」、「T.I.W.Y.G.」、そして、どこか呪術的な部分は感じますが今までにない美しさを感じさせてくれるスロー・ナンバーの「Adore」、「Slowing Down the World」になります。
 しかし、新作の大きな変化はメンバーも新作リリース前に語っていましたが、歌詞の面でパーソナルなラヴ・ソングを書くようになったことだと思います。
 メンバーが現在、恋愛している云々はさておき(笑)前作発表時の2013年前後のインディー・シーンでは良質なバンドがいても、いつのまにか消えていき、メッセージ性が軟化していった時代に「私はここにいる!」(I'm Here)と力強くメッセージを主張しなければいけなかった状況があったと思いますが、シーンの頂点に立つ側になった彼女もパーソナルな楽曲が書ける余裕が出て来たのだと思います。
 しかし、恋愛にしろメッセージ・ソングにしろ、彼女達は熱く、ストイックに叫ばずにはいられないのは変わらない部分で、ラブ・ソングでも彼女達は真剣そのものなのだと思います。
 楽しく聴ける音楽ももちろん大事だと思いますが、冷徹さとストイシズムを持ったSAVAGESのようなバンドは、世界的な大きな音楽ムーヴメントが存在しない、2010年代の現在の音楽シーンに必要な存在だと思います。
 2013年にはフジ・ロックや単独公演で来日公演も行われていますが、新作をリリースした今年、彼女達の久々の来日公演を望む声は多いはずです。
























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