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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

MEW Live in Japan (11/25)




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 この日(11/25)のMEWのライヴが行われる、TSUTAYA O-EASTのある渋谷は、私が来たこの会場に来た、17時は雨は降っていなかったものの、どんよりとした曇り空、会場の周りで待っていてもかなり寒い状態(帰りはしっかりと雨は降っていて、更に寒かったですが…)。
 開場前に公演を待っているのは、おそらく、7割近くは女性だったと思います。ヴォーカリストのヨナス・ビエーレの甘いルックスと甘いヴォーカル、ヨーロッパの美学を踏襲した美しいサウンドは、夢見る乙女(笑)が惹かれるには充分過ぎるものがありますが、しかし、このバンドはライヴ・パフォーマンスの素晴らしさに定評のあるバンドで、色々、観たいバンドがたくさんある、この時期(SHELLAC、MELVINS、THE JESUS AND MARY CHAIN等)にMEWを選んだのは、彼等のライヴに私がそれだけ期待していたからです。
 開場は18時の予定でしたが、ステージのセッティングの遅れで、15分ほど待たされての入場。私自身、チケットの購入が遅かったので、整理番号300番台でしたが、そこそこ前の方で観ることが出来たと思います。



 ほぼ、定刻通りの19時に公演は開始になったと思いますが、オープニング・アクトとして登場したのが男性3人+女性2人の、日本のニューウェーヴ・ポップ・バンド、LILI LIMIT。
 LILI LIMITは2012年に山口県で結成されたバンドで、EPやシングルを何枚かリリースしているバンドですが、それほど知名度は高くないバンドだと思います。
 私も正直、好きなタイプのバンドってわけでもないので熱心には観ていませんが、会場のファンは拍手で温かく出迎えたと思います。
 このバンドのサウンドは、少々、エレクロニック・ポップ風味も加えたニューウェーヴですが、バンド全体の技量は総じて高いと思います。
 しかし、個人的にはヘタレな感じのヴォーカリストのヘナヘナした歌声が、どうしても好きになれず、演奏自体、悪くないにも関わらず、私的にはCD買ってまで聴きたいバンドでは正直ありませんでした。
 J-POPファンが聴くには申し分のないバンドだと思うのですが、洋楽ロック・ファンやオルタナ男子が聴くには辛いかもしれません。
 …かと言って、MEWのオープニングにオルタナ・バンドというのも合わない気しますし、こういうポップなバンドが無難と言えば無難なんでしょうね~。






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 そして、LILI LIMITのライヴが終わって、ステージのセッティングを変えた後、20時頃に待ち兼ねていたMEWのライヴが始まりました。
 このジャパン・ツアーのメンバーは、バンドの顔であり、夢見る乙女の王子様でもある(笑)ヴォーカリストのヨナス・ビエーレ。最近、MEWにめでたく復帰したバンドのサウンドの重要な要とも言える、ベーシストのヨハン・ウォーラート。そして、ヨハンと共にバンドのボトムを支えるドラマーのスィラス・グレイに、サポート・キーボード・プレイヤーのニック・ワッツ。
 そして、脱退したボウ・マドセンの代わりに加入したギタリストのマッズ・ウェーグナーの計5人のメンバー。
 バンドは『+-』収録の「Making Friends」の最初の部分のキーボード・サウンドのSEで登場すると、「Witness」でスタート。
 アルバム中、最もアグレッシヴなナンバーでのスタートですが、序盤はヨナスも高い音域のキーで声が出ていませんでした。しかし、徐々に曲数を歌うごとに、あの甘い声質のヴォーカルに力強さも加わって、見事な歌唱ぶりを披露していました。
 ヨナスは途中でファンにコーラスを促したりはありますが、ほぼ直立不動で歌っている印象が高いものの、それでもオーディエンスを惹きつけて止まない魅力を備えているヴォーカリストだと思います。
 そして、MEWのライヴで一番、印象に残ったのはバンドの力強いダイナミズムです。MEWプログレッシヴな面、美しい美学を兼ね備えたサウンドの他に、アグレッシブなオルタナ・ナンバーもバンドの持ち味なのですが、とにかく、ヨハンとスィラスの重いリズムが引っ張っているヘヴィーなサウンドには、MEWのライヴ初体験の私は驚きました。
 ヨハン脱退後、バンドのソング・ライティング面での影響が大きく、少し、バンドが低迷した感じがありましたが、長髪を振り乱して、ベースを弾くヨハンは、バンドの重要なグルーヴを支えているのだと気付かされました。
 柔のヨナスと剛のヨハン。この二人の正反対の個性のコントラストこそが、MEWのバンドとしての核なんだと感じさせてくれました。
 まるでメタル・バンドのメンバーのようにヘッド・バンギングしながらベースを弾くヨハンも、王子然としているヨナスと非常に対称的で、ヨハンの派手なアクションもライヴの観どころと言えるでしょう。
 今回のライヴは『+-』リリース後のツアーなので、当然、同アルバムからやった曲は比較的多かったですが(なぜか、「The Night Believer」はやらなかったですが…)、満遍なく発表したアルバムからの楽曲をプレーしてくれたとは思います。
 でも、やはりデビュー・アルバム『Frengers』からのナンバーが、このライヴで一番のハイライトになっていると思いました。
 特に私が印象に残ったのは、「Am I Wry? NO」 → 「156」という流れは本当に最高でした。この曲の流れこそMEW最大の魅力でもある"柔"と"剛"のコントラストが如実に体現されているもので、さらにライヴならではのダイナミズムが加わって圧倒されました。
 そして、あのアラン・マッギーが絶賛した、長尺な大曲「Comforting Sounds」もアンコールで披露され、このマッギーが絶賛するに恥じない名曲も、MEWのこの日のライヴのハイライトになったと思います。
 そして、ライヴが終了し、メンバー5人が揃って挨拶した後、ヨナスがステージを降りて、最前列の冊の通路を通過して観客とハグしたり握手したりしていましたが、私も少しだけ、しっかりとヨナスに触れさせていただきました(笑)
 目の前で観たヨナスはイケメンというよりは、柔和で笑顔の優しい好男子と言った感じで、女性にとっては本当に優しそうな王子様かもしれませんww
 今回のMEWの来日公演の時期に、スティーヴ・アルビニSHELLAC、MELVINSの出演した『HOSTESS CLUB WEEKENDER』、結局、延期になってしまいましたが、THE JESUS AND MARY CHAINの『Psychocandy』全曲再現ライヴもありましたが、私は今回のMEWの来日公演に参加して良かったと心の底から思っています。
 ライヴの帰りは雨が降って、かなり寒かったですが、今回の来日公演の素晴らしい余韻が寒さを少し、和らげた気がします。






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