吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

テロの犠牲者の方々に哀悼の意を表します…



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『Peace Love Death Metal』





 今月の13日の金曜日(現地時間)にパリで起こった同時多発テロ。この日に行われたサッカーのフランス対ドイツの代表試合。バクタラン劇場。そして、このEAGLES OF DEATH METALが当日、ライヴを行っていたコンサート・ホールの「バクタラン」も、このテロの惨劇に遭いました。
 不幸中の幸いで、メンバーは全員無事でしたが、この公演会場での死者は80人を超え、EODMのマーチャンダイス担当のマネージャー、ニック・アレキサンダー氏も亡くなりました。
 このアルバムのブログは当初、書く予定はなかったのですが、テロの犠牲者への追悼の意味を込めて、このアルバムのブログを書かせていただくことにしました。
 先月には新作『Zipper Down』をリリースしましたが、この新作は私自身、まだ未購入なので、私が愛して止まない、デビュー・アルバムにして、最高のロックンロール・アルバムでもある、このアルバムについて書きます。




 EAGLES OF DEATH METALは、QUEENS OF THE STONE AGEのフロントマンのジョシュ・オムの、幼少期からの親友、ジェシー・ヒューズのためにジョシュがドラマーとして加わったバンド。
 すでに、QOTSA知名度のあったジョシュが、親友ジェシーのバンド活動の知名度を上げて手助けするためにドラマーとして加わることになりました。
 2ndアルバム『Death by Sexy』以降は、ジョシュがQOTSAの活動もある為、バンドを離れますが、今年リリースの新作『Zipper Down』でも再共演を実現しています(ただし、EODMのツアーには参加していませんが)。
 このアルバムはEODMが2004年にリリースしたデビュー・アルバムで、プロデュースもジョシュ・オムが担当しています。
 2ndアルバム以降は、デイヴ・キャッチング(G)やブライアン・オコーナー(B)等の名手達がジェシーと共にEODMを支えていくのですが、このデビュー・アルバムの時点では、ジェシーとジョシュ以外は、ゲストを呼んでアルバムを制作しています。
 この二人以外のゲスト・メンバーは、当時、QOTSAのメンバーだったニック・オリヴェリ、当時、ELEVENのメンバーだった、アラン・ヨハネスとナターシャ・シュナイダー、そして、ローディの"Miss Queen B"と言った、ジョシュ・オムと繋がりのあるメンツで、後のEODMのアルバムにも度々、ジョシュ人脈のゲストが参加しています。
 ちなみに、このアルバムでの二人の名前のクレジットは、ジェシーが"J Devil Huge"、ジョシュが"Carlo Von Sexron"と表記されていますが、この源氏名らしき名前のクレジットが何を意味するかは分かりません(笑)
 QOTSAでもニック・オリヴェリという個性的なキャラクターがジョシュのパートナーでしたが、このジェシー・ヒューズも実に個性的でユニークなキャラクターと言えると思います。
 EODMのサウンド自体は、ジェシーのルーツでもある、THE ROLLING STONES直系のスリージーなロックンロール・サウンドが要になっていますが、ジェシーの中性的…と言うより、オカマっぽい(笑)ファルセット・ヴォイスも駆使したユニークなヴォーカル・スタイルが実に印象に残ります。
 ジョシュも自身のドラムで、このジェシーをタイトなリズム・ワークで献身的にサポートして、親友同士の息の合ったタイム感が各曲で感じることが出来ると思います。
 EODMがデビューした、2000年代という時代は、THE STROKESTHE WHITE STRIPESTHE VINESTHE LIBERTINES等、シンプルなガレージ・サウンドが主流になっていますが、EODMも彼等ほどの注目を浴びることはなかったものの、彼等とは違った形で、古典的ではあるものの、スリージーでカッコいいロックンロール・サウンドを追求していったバンドと言えると思います。
 2000年代当時、僕自身、愛して止まなかったQOTSAのジョシュの別バンドということで、このアルバムを聴くようになりましたが、僕にとって、このアルバムは2000年代最高のロックンロール・アルバムの一枚だと思っています。
 ライヴでも定番となる「I Only Want You」、「Speaking in Tongues」等の代表曲は、前述のガレージ・バンドには、絶対に出せない下世話でグラマラスな感覚があって、本当に痛快なロックンロール・アルバムです。
 13日の金曜日のパリでも、EODMのイカしたロックンロールでオーディエンスも楽しむはずだったのですが、あんな惨事になってしまいました…
 こんな陽気なロックンロールを真の意味で楽しんで聴ける日が来るのは、意外に時間がかかるかもしれませんが、このアルバムに収められているロックンロールの名曲の輝きだけはテロに負けずに永遠に輝き続けることでしょう…。














































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