吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

野郎ばかりで"GIRL BAND"とは、これ如何に?(笑)



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『Holding Hands With Jamie』
GIRL BAND




 
 2011年に結成したアイルランド・ダブリン出身の4人組バンド、GIRL BANDが今月リリースしたばかりのデビュー・アルバム。
 GIRL BANDは、THE SMITHSPULPTHE STROKESTHE LIBERTINES等を見出だした、名門"Rough Trade"の創始者ジェフ・トラヴィスの目にとまり契約したバンド。
 今年5月に米国で「The Early Years EP」をリリースすると即完売。このEPは日本独自のアートワークで日本国内でも100枚限定のCD-Rとしてリリースされましたが、東京ではわずか1時間、大阪でも数日で完売になり、デビュー・アルバム・リリース前から、世界中の音楽ファンの間でかなりの話題を集めていたバンドでした。
 名門"Rough Trade"のこうした出し惜しみ戦略に加え、ジャンル分け不能とも言える、異形の摩訶不思議な音楽スタイルのバンドの音楽性も、音楽ファンの興味を煽ったに違いありません。
 最近、Rough Tradeからブレイクした、PALMA VIOLETSやALABAMA SHAKESのような正攻法のロック・サウンドのバンドとは全く異色のバンドでもあるので、特にインディー・マニアにはデビュー前から大きな支持を集めていました。
 このアルバムでの彼等の音楽性も、ポスト・パンクやノー・ウェーヴ辺りにカテゴライズされるべきバンドなのかもしれませんが、エクスペリメンタルにカテゴライズされても可笑しく感じないかもしれません。
 不規則に鳴らされるギター・ノイズに、クラウト・ロックのようなミニマムなリズム。反復リズムを多用しながらも、決して計算されていない、ほとんど衝動で鳴らされているところが、このバンドのサウンドの面白いところかもしれません。
 セッションをやって間違えても、そのまま演奏の中で曲を組み立てて、演奏でミスしてもリズムがふらついても、直感で演奏したものを敢えて修正せずに生々しさを重視して制作されたようにも思えます。
 ノイジーでダークですが、高揚感のある反復リズムがビートの快楽感を生み出しているのですが、計算度外視で先の読めない直感に任せたようなサウンドこそが彼等の持ち味なんだと思います。
 他のバンドに例えるなら、初期のRAPTURE辺りが、このバンドとの共通項を見つけやすいかもしれません。
 こういう衝動性の強いバンドはコンスタントに良い作品を制作するのに不向きだったりもしますが、先を考えずにやりたいサウンドを出してるからこそ、インパクトの強いアルバムを作れたんだと思います。



































 
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