吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

ジザメリ、見事に喰ってみせましょう(笑)



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『es or s』(通常盤)
凜として時雨





 11/27の、THE JESUS AND MARY CHAINの来日公演(『Psychocandy』全曲再現ライブ)のオープニング・アクトを務める、埼玉県出身の男女ツイン・ヴォーカルの3ピース・バンド、凜として時雨が今月2日にリリースしたミニ・アルバムです。
 私の購入したのは"通常盤"の5曲入りCDですが、7インチ・シングルやレコーディング・ドキュメンタリー・ブックの付いた"初回生産限定盤"もあります。
 凜として時雨は東洋大学の学生だった、TK(Vo/G)と345(Vo/B)が遊びでやっていたバンドが母体になっていて、ドラムに野田MENが加入して、凜として時雨を結成。野田MEN脱退後はピエール中野が加入し、現在のバンドの形になります。
 オルタナからプログレ、ハードコアまで飲み込んだ、ミクスチャー度の高い高揚感のあるロックで人気を博して、2010年発表のアルバム『still a Sigure Virgin?』は見事にオリコン・チャートの1位に輝いています。
 YouTubeでも聴ける、このEPのトップを飾る「SOSOS」は、このバンドの魅力を見事に体言したと言っても差し支えない、プログレッシヴな展開のアッパーなナンバーで、このバンドを知らない方が聴いても秒殺KO間違いないナシ(笑)のインパクトの強い楽曲で、この曲の為だけに、このEPを買う価値は充分にあると思います。
 ちなみに、このEPはベルリンのハンザスタジオでレコーディングされたのですが、2曲目のダンス・グルーヴの「Mirror Frustration」は、ベルリンでのレコーディングの成果と言えるものかもしれません。
 高揚感のあるヘヴィーなサウンドを持ち味とする、凜として時雨ですが、傷みを伴う刹那な世界観の歌詞、TKと345の情感的なヴォーカルは、どこかニュー・ウェーヴ・フレイヴァーな「Mirror Frustration」にも違和感なくフィットしていると思います。
 前述の2曲だけでなく、収録された5曲ともそれぞれタイプの違った曲ではありますが、凜として時雨の、あの刹那で物悲しい世界観で彩られることで、不思議とEP全体に散漫な印象は残りません。
 各メンバーの高い技術と高度な曲構成、TKと345の交互のツイン・ヴォーカル、初めて聴く方でも、かなりのインパクトを感じるはずです。
 11/27の、THE JESUS AND MARY CHAINの来日公演に行かれる方は、このバンドにぜひ注目してみてください。
 たかが日本のバンドのオープニング・アクトだと、ナメてかかる洋ロック厨も少なくないですが、そんなあなたが期待しているジザメリですら喰ってしまう可能性は充分あります。
 アルバム全曲再現ライブは展開次第では凡庸な出来になる可能性もあるので、ここはチャンスとばかりに、このバンドも気合い入れて、ライブに臨んで来ると思います。

























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