吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

2月の来日公演は熱かったです!!



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『A Raw Youth』
LE BUTCHERETTES



 今年2月の、FAITH NO MORE/ANTEMASQUEの来日公演のオープニング・アクトを務めた、メキシコのガレージ・パンク・バンド、LE BUTCHERETTESが今月リリースしたばかりの3rdアルバムです。
 このブログをお読みになっている方は、2月の来日公演や、このバンドの前作にあたる『Cry is for the Flies』について書かれているのを読んだことがあるかもしれません(下記リンク参照)。





























 前作に引き続き、このアルバムのプロデュースは現ANTEMASQUE~元AT THE DRIVE-INTHE MARS VOLTAのオマー・ロドリゲス・ロペスが担当。
 前作ではヘンリー・ロリンズとシャーリー・マンソン(GARBAGE)がゲストとして参加していましたが、本作ではイギー・ポップ(「La Uva」)とジョン・フルシアンテ(「My Half」)が参加しています。
 前作ではライブ感を生かしたガレージ・サウンドがアルバムのサウンドの肝になっていましたが、本作ではキーボード・サウンドを大胆に取り入れたニュー・ウェーヴと言って差し支えないサウンドに大きく変化しています。
 アルバム1曲目の「Shave the Pride」こそ、前作の路線の高揚感のあるロックですが、ほとんどの曲は大胆にキーボードを取り入れて、「Sold Less Than Gold」のようなポップ路線、「Stab My Back」のようなディスコ・グルーヴの曲等、前作では聴けないタイプの曲も印象に残ります。
 元々、女性ヴォーカリストのテリ・ジェンダー・ベンダーは、オマーと一緒に"BOSNIAN RAINBOWS"というニュー・ウェーヴ・バンドを一時期やっていた時期がありますし、ライブでがテリがキーボードを弾きながら歌うのを来日公演で観た方は、この大胆なサウンド・チェンジにたいした違和感は抱かないとは思います。
 サウンドが大胆に変わったとは言っても、BOSNIAN RAINBOWSみたいに、明らかにロックから、かけ離れたニュー・ウェーヴではないですし、多少のサウンドの変化はあるものの、曲構造そのものは、従来のLE BUTCHERETTESのものです。
 師匠のオマーがニュー・ウェーヴ好きなのもあるとは思いますが、おそらくはライブでキーボードを弾くことも多いテリも、相当のニュー・ウェーヴ好きなんじゃないかと思います。
 もっとも、前作のリリースが昨年の11月で、1年も経たないうちの本作のリリースなので、前作と同じような路線のアルバムは作る気はなかったのでしょう。
 ガレージ・サウンドが主体のバンドは、どうしてもリスナーの方がノイジーなギターを中心に聴いてしまいがちですが、キーボード・サウンドを前面に押し出すことで、むしろ、このバンドの楽曲の質の高さが浮き彫りになった気もします。
 テリがキーボードを弾きながら歌うライブも実に魅力的なので、新作リリース後のLE BUTCHERETTESの公演もぜひ実現して欲しいものです。





























 
 
 





 
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