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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

豚になってもレジェンドは永遠に不滅です(笑)



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『What the World Needs Now…』
PUBLIC IMAGE LTD



 今月リリースされたばかりのジョン・ライドンのPUBLIC IMAGE LTDの新作で、2012年の『This is PIL』以来、3年ぶりの作品になります。
 今回の新作発売に併せて、PILの旧譜も安価で再発されましたので、PILの旧譜を聴いてみたい方にはちょうど良い機会でもあります。
 新作のレコーディングは英国のコッツウォルズにある、スティーヴ・ウィンウッドが所有するウィンクラフト・スタジオで行われ、バンド・メンバーも前作と同じメンバーで、基本的にはあらゆる面で前作と変わらないと思います。
 09年に再結成してから、ライドンがヴァージン・レコーズからあらゆるPILの権利を取り戻し、しっかりとした環境を整えての新作制作なだけに、前作に続く再結成作ではありますけど、(個々で好き嫌いはあるにせよ)決して期待を裏切らない作品にはなっていると思います。
 前作にしてもそうですが、この作品には当然、初期のジャー・ウォーブルやキース・レヴィンのいた時代のPILを求めるのは愚の骨頂です。
 メタボ化した現在はともかく、ライドンは常に時代と共にPILのサウンドを変化させ、どれだけポップになろうが、その時代時代で自分が何をするべきを理解して、それを実践してきました。
 新作からの先行シングル「Double Trouble」を聴かれた方は、今回の新作のサウンドをだいたい予想出来たと思いますが、本当にストレートでシンプルなロック・アルバムです。
 初期のポスト・ロックこそ本当のPILで、最近のPILには用無しだと思う方は聴かない方が良いと思いますが、常にサウンドの変化を遂げても、私個人はPILは常に期待は裏切ってこなかったと思ってます。
 ライドン自身が何より、この作品で自らの醜い自分自身を茶化すように楽しそうにピエロを演じている姿が、このアルバムのサウンドにも現れている気がします。
 ウォーブルやレヴィンのいた黄金時代のPILの再結成ではなく、刷新された新しいPILで、現在進行形の自分をさらけ出してやっている方が、今のライドンを見れば誠実に見えることでしょう。
 パンクのレジェンドとしてライドンを奉るのも悪くはないですが、ピエロやバカボンのパパになっている現実の自分をしっかり見据えているところが実はライドンのあらゆる意味で凄いところかもしれません。
 もっとも、SEX PISTOLSの再結成も今思えば、ライドンがPILとしてのあらゆる活動を続けるための資金調達のためとしか思えませんが、PILならライドンが何をやっても許せるところもPILの魅力ですからね(笑)


























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