『FUJI ROCK FESTIVAL 2015(7/24)』④
そして、おそらく、この日(7/24)観に来たロック・ファンの大半が、このグリーン・ステージのトリを飾る、FOO FIGHTERSを観に来たと思いますが、デイヴ・グロールの来日数日前の大怪我はあったものの無事に来日して、予想を遥かに上回る素晴らしいライブをやってのけました。
この添付した写真の通り、デイヴは特注のイスを使っての座りながらのライブ。
もちろん、フジに参加しないFFのファンも、デイヴ・グロールがこの特注のイスに座ってのライブ映像は観たことがあるかもしれませんが、観客とコミュニケーションをはかってライブを行うFFのライブは、映像で観るのと実際にライブ会場で体感するのでは全く違います。
下記のセット・リストを参考にしていただくと、普遍的なセット・リストなので実際にライブを観ていない方は意外性がないように思われがちですが、曲中でファンとのコミュニケーションを取りながら進めて、曲の途中が全く別の形に変化したり、デイヴ自らがギター・ソロを入れてみたりと、FFのお馴染みの代表曲の数々を多様に変化させて、曲の展開が読めないのも、FFのライブの特徴です。
今回は数日前の自分がステージから転落した映像を見せながら、それを敢えて、自らの笑いの自虐ネタにしてみせ、自らの悲しい出来事すらエンターテイメントにしてしまえる余裕も、超前向き思考なエンターテイナーのデイヴだからこそだと思います。
この特注イスがステージの花道を移動したりして、座りながらでも観客との距離感を出来るだけ縮めたり、松葉杖を使って、花道中央へ移動してイスに座ってのアコースティックでの「My Hero」と「Time Like These」も、怪我をしたデイヴが観客との距離感を縮めるためのサービスだと思います。
メンバー紹介もまたユニークで、例えば、ネイト・メンデルの時はQUEENの「Another One Bites the Dust」、パット・スメアの時はAlice Cooperの「School's Out」等、ロック・クラシックをジャムりながら行い、そのまま、ロック・クラシックの「Under Pressure」(QUEEN & David Bowie)に移行したりと、実にサービス精神旺盛です。
それから、最後の方の「Breakout」で白いオオカミの着ぐるみを着た男が登場しましたが、彼はMAN WITH A MISSIONのジャン・ケン・ジョニーなんだそうです。
僕はジャン・ケン・ジョニーどころか、MAN WITH A MISSIONすら知りませんが (苦笑)、映像作品の『Sonic Highways』で、デイヴと対談したのがジャン・ケン・ジョニーだそうで、デイヴと意気投合して、今回のフジ・ロックの登場になったようです。
今回のFFのツアーは「Everlong」で始まり「Best of You」で終わるパターンが大半のようですが、今回のラストの「Best of You」の大合唱が苗場に響き渡りました。
デイヴも英語圏内ではない日本でも、一生懸命に観客とコミュニケーションを取り、プレーされている楽曲も毎回、マンネリにならないように工夫が成されているところもFFのライブ・バンドとしての凄さの一つだと思いますが、デイヴを含め、サポート(?)のキーボード・プレイヤーもふくめた各メンバーの技量の高さも見逃せないFFの魅力の一つです。
今回のFFのフジ・ロックはデイヴの怪我すら、エンターテイメントに昇華してしまう凄みで、フジ・ロックに新たな伝説の1ページを加えたと思います。
FOO FIGHTERS SET LIST
(FUJI ROCK FESTIVAL 2015/7/24)
1.Everlong
2.Monkey Wrench
3.Learn to Fly
4.Something from Nothing
5.The Pretender
6.Big Me
7.Congregation
8.Walk
9.Cold Day in the Sun
10.My Hero
11.Time Like These
12.Under Pressure(QUEEN & David Bowie)
13.All My Life
14.Outside
15.Breakout
16.Best of You
このグリーン・ステージのFOO FIGHTERSのライブで僕のフジ・ロックは幕を閉じましたが、フジ・ロックという空間は一日参加しただけでは楽しみ切れない、凄いライブ空間だと改めて実感しました。
最初は、FOO FIGHTERS目的のみのフジ・ロック参戦だったのが正直なところだったのですが、そのうち、フジ・ロックそのものの魅力に取り憑かれていきました。
そして、それを後押ししていただいたのは、facebookの音楽グループの方達の出会いがあったからこそだと思います。
皆さんとの出会いがなければ、僕はフジ・ロックに一人で来て、心細い思いをしたと思っています。
雨の降りしきる苗場の山中での苦労も、皆さんのおかげで楽しい思い出に変えることが出来たと思っています。
僕の今年のフジ・ロックはこれで終わりましたが、来年も機会がありましたら、よろしくお願いします。