ゴス女子4人組の暗黒ガレージ
『The Black Belles』
THE BLACK BELLES
元THE WHITE STRIPESのジャック・ホワイトが運営するレーベル"Third Man Records"からリリースされた、米テネシー州ナッシュビル出身の女性4人組のガレージ・ロック・バンド、THE BLACK BELLESが2011年にリリースしたセルフ・タイトルのデビュー・アルバム。
このアルバムのプロデュースもジャック・ホワイトが手掛けています。
THE BLACK BELLESは2009年に、ファッション・モデル兼ベーシストのエリン・ベルを中心に結成。
ベルはバンドを結成したもののモデルの仕事との兼ね合いが上手くいかずベーシストの座を後任のルビー・ロジャースに譲り、バンドを正式に脱退しましたが、初期のバンドの手助けやアドバイスをしてきたそうです。
後にベルの代わりにバンドに加入することになる、ギター兼ヴォーカルのオリヴィア・ジーンがソロで"Third Man Records"と契約。
契約当時はインストゥルメンタル中心の音楽をやっていたというオリヴィアは、自分のバンドを持っていなかったため、オリヴィアと当時のTHE BLACK BELLESのメンバーの間で合意のうえ、オリヴィアが正式にバンドに加入することになります。
結成当初は3人組だったバンドでしたが、新たに4人組のバンドとして正式に始動し、アルバム発売前にシングル「Elvira」、「What Can I Do?」、「Charlene」の3枚のシングルをリリース。
2011年にデビュー・アルバムの本作をリリースすると、続いてシングル「Honky Tonk Horror」、「Wishing Well」をリリースします。
ゴシック風の黒装束に身を包んだ女性4人のバンドですが、骨太のガレージ・ロックに、時折、曲によってはヴィンテージ・キーボードの響きが印象に残る、THE WHITE STRIPES直系のガレージ・ロック・バンド。
奇のてらいのないガレージ・ロックですが、アルバム全体の楽曲の質も作品としての完成度も高く、ちょっとB級っぽい感じも彼女達の魅力かもしれません。
現在、バンドはオリヴィア・ジーンがソロ活動を開始してしまう等、彼女達が2枚目のアルバムをリリースする気があるのかどうか、下手すればバンドを続ける気があるのかどうかすら不明です。
しかし、ジャック・ホワイトが自信を持って自らのレーベルから送り出した、いかにも"Third Man Records"らしいバンドなので、解散してしまった、THE WHITE STRIPESのファンだった方には、かなりツボにハマるバンドだとは思います。
B級ガレージ・マニア受けだけで終わるには、あまりにも惜しいバンドで、コンスタントに活動を続けてもらいたいバンドですし、もっと色々な方に聴いてもらいたいバンドではありますけど、2015年の現在まで次作のリリースの情報がなかなか入ってこないのは残念です。