吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

11月には日本全国縦断ツアーも



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『Little Victories』
THE STRYPES




 いよいよ明日、渋谷クアトロでの一夜限りの来日公演が行われますが、11月には日本全国縦断ツアーも行う、THE STRYPESが本日リリースしたばかりの待望の2ndアルバム。
 2013年発表のデビュー・アルバム『Snapshot』では、Dr.FEELGOODやニック・ロウ等をルーツにしたパブ・ロックを基調にしながらも荒々しいガレージ・サウンドで大きなインパクトを与えましたが、この新作では大胆にもバンドのサウンドに大きな変化が見られます。
 既に、YouTubeで数曲の音源や映像で、彼等のサウンドの大きな変化に驚かれたとは思いますが、あの若さに任せた力任せのガレージ・サウンドよりも音楽的、技量的に大きな成長を遂げた作品に仕上がったと思います。
 YouTube音源でも先行で聴けた、アルバムのオープニングを飾る「Get Into It」だけでも、バンド・サウンドの大きな変化・成長を感じさせますが、アルバムの中に2~3曲、新機軸の曲を挿入して、あとは前作と一緒みたいな感じにはならず、まるで前作とは違うバンドと言っては語弊があるかもしれませんが、それぐらいの大きな変化を感じさせ、なおかつ、バンドの著しい成長を感じさせます。
 一番、成長を感じさせるのは荒々しいギター・サウンドを抑え、バンドのグルーヴ面を強化したこと。
 特にベースのピート・オハンロンの技量面での成長も大きいのかもしれませんが、ピートのベースがバンドのグルーヴを支配することで、デビュー作とは比べものにならないくらい楽曲のパターンのヴァリエーションが増え、バンド・サウンドの飛躍的向上に一役買いました。
 このグルーヴ面での成長は当然、楽曲そのものの構造も大きく変え、若さに任せたガレージ・サウンドから、70年代の古典的王道ロック、KINKS、THE JAMOASISと言ったUKロックの偉大な先人達の系譜を感じさせたりもします。
 アルバム・リリース2枚目とは言え、まだ平均年齢18歳という若さだけに同じ路線のガレージ・サウンドで押すのも一つの手だったかもしれませんが、その手の路線だけで押せなくなるくらいのバンドの成長があったのだと思います。
 人気が高まるにつれ、大きなフェス出演の機会が増えた彼等が、小さなハコ向けのガレージ・サウンドだけをやっているわけには、当然いかないわけで必然としての変化だとは思いますが、その必然に応えられるだけのバンドの成長あってのサウンドの変化でもあると思います。
 日本公演のステージで、当然、この新作の曲も披露されるわけですが、会場で歌えるタイプの曲も増えているので、ライブに行かれる方には楽しみになりそうです。
 この新作を聴くと、これから先、3枚目、4枚目もさらなる成長を期待出来そうで、そういう意味では、この新作はバンドの明るい未来を写し出しているとも言えると思います。






































 
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