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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

試験管ベイビーというトラウマを乗り越えて…



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『The Balcony』
CATFISH AND THE BOTTLEMEN









 今年1月の単独来日公演(1/28 代官山UNIT)はソールド・アウトの盛況に終わり、そして、今年のフジ・ロックにも再び来日する、北ウェールズ出身のバンド、CATFISH AND THE BOTTLEMENが昨年リリースしたデビュー・アルバム。
 このバンドはガレージ・ロックを基調とした、ポップ性も加味し、ソング・ライティングのセンスの高さを誇るギター・ロック・バンドです。
 それだけ書くと、ありきたりのUKバンドのように聞こえますが、実際の彼等の魅力は、そのサウンドだけにあるわけではありません。
 その魅力の一つが、フロントマンのヴァン・マッキャンのリリシストとしての才能です。
 マッキャンは15歳という決して人生豊富とは言えない時期に、THE STREETSこと、マイク・スキナーのリアルで現代的なリリックに影響を受けて、作詞に挑戦したそうです。
 スキナーがひたすら愛の物語を紡いできたように、CATFISH AND THE BOTTLEMENの曲にも、様々な愛の物語が次々と展開されていきます。
 しかし、マッキャンにとって大切なのは、もちろん愛なのですが、彼は金がないためにロマンチックにはなれないのだそうです。
 マッキャンの両親は20歳そこそこでイギリスからオーストラリアに駆け落ちはしたものの、母親は幼少期に遭った交通事故が原因で、子供が産めない体になったそうで、二人は複数の仕事を掛け持ちして体外受精治療を受けるための資金を稼いだそうです。
 受精が、なかなか成功しない中、3度目の挑戦で奇跡的にヴァンを身篭ることに成功したそうです。
 彼が"金"にこだわった理由、それはヴァンを産むために体外受精をして資金を貯めてくれた両親への恩返しの意味があったのです。
 下の写真のシングル『Rango』のアートワークは精子を意味しているもので、当然、前述の両親の体外受精を意味しているのは言うまでもありません。
 ちなみに「Fallout」でも、「なぁ~、俺は試験管ベビーだ。だから誰も俺を理解してくれない。」と、その生い立ちについてリアルに歌っていますが、両親に感謝しつつ、マッキャン自身の苦悩も歌われているのです。
 ちなみにマッキャン一家は愛情は豊かですが、英国風の安宿、Bed & Breakfast(通称・B&B)で育ったそうで、現在もツアー主体の時は、両親の住むランディドノーに帰ってきた時は、B&Bで寝泊まりするそうです。
 英国で注目されるようにはなりましたが、マッキャンと両親が、これからB&Bに住まなくても済む日を夢見ながら、日夜、頑張っています。
 この普遍的な素晴らしい楽曲が、全英中、世界中で聴いてもらえて、マッキャン一家の苦労が報われる日が来ることを心から願っています。









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