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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

(祝)全米一位獲得!


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『Sound & Color』
ALABAMA SHAKES







 2012年のデビュー・アルバム『Boys & Girls』以来、3年ぶりのアルバムで先月リリースされたばかりですが、見事に全米一位を獲得した、ALABAMA SHAKESの新作です。
 デビュー作も全米6位とチャート的にも大健闘しましたが、R&Bやブルース等の伝統的な黒人音楽を取り入れた、いわゆるサザン・ロックと言われるジャンルに括られているバンドとしては、90年代のTHE BLACK CROWES以来の成功と言えるかもしれません。
 奇しくも、ALABAMA SHAKESと同じ、2012年にデビューして、今年リリースの2ndアルバム『Smoke + Mirrors』が見事、全米一位に輝いたIMAGINE DRAGONSと共に、ALABAMA SHAKESは、2010年代最高のUSロック・バンドに登りつめたと思います。
 先行で、YouTube等の音源で聴けた「Don't Wanna Fight」は、少々、ヘヴィーなファンク・チューンで、本作もロック色の濃い作品になると予想されていましたが、R&B、ブルース等の黒人音楽をルーツにした音楽性そのものは、それほど大きな違いはありません。
 しかし、過去の偉大なサザン・ロック・バンドがライブを重ねることで、より演奏技術に磨きをかけ、さらにライブでのジャム・セッションでの経験を生かすことで、アルバムの枚数を重ねるごとに質の高い作品を発表していったりしてきましたが、このバンドも例外ではありません。
 サイケデリックなスペース・ジャム・ナンバー「Gemini」、色々なコードが入り混じったナンバーで、決して単純なR&Bに終始しない展開を見せる「Gimme All Your Love」等、複雑に色々な音楽要素を複合した曲が増えたと思います。
 他にも、初めはバラード調だった「The Greatest」を、見事にガレージ・ナンバーに変貌させたり、「Future People」も元々は、アフリカン・リズムをベースにした実験的な曲だったものを、様々な形に変化させた結果、最終的には子供達のコーラスを入れ、ようやく形にしたということです。
 どの曲も様々な紆余曲折を重ねて、じっくり納得のいく実験をしていった結果のアルバムと言えると思います。
 単純に実験やジャムの成果をそのまま音にするだけでなく、熟考したうえで楽曲として最も最高の形に仕上げたことが、このアルバムを素晴らしいにしているのです。
 ソウル・シンガーとして天才的な才能を持つ、ブリタニー・ハワードのヴォーカルがバンドの大きな武器にもなってきましたが、ライブを重ねることで、各メンバーの技術レベルが格段に向上し、それがアルバムでの前述の様々な試みを可能にしたことも、アルバムの質の高さに繋がっていったのだと思います。
 せっかく、ここまで素晴らしい作品を作り上げたわけですから、来日公演を実現して欲しいものです。