吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

(祝)サマソニ出演決定!



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『Danger in the Club』
PALMA VIOLETS











 今年の「SUMMER SONIC 2015」への出演も決定した、PALMA VIOLETSが先月末にリリースしたばかりの2ndアルバム。
 英名門レーベルのラフ・トレードの創始者であり、THE SMITH、THE STROKESTHE LIBERTINESを見出だしたジェフ・トラヴィスが、彼等の「Best of Friends」一曲だけを聴いて即契約したバンドが、このPALMA VIOLETSです。
 2013年に発表されたデビュー・アルバム『180』リリース前から、NMEの表紙を飾る大抜擢も受け、英国でもかなり期待されているバンドですが、このアルバムもデビュー作同様、前述のジェフ・トラヴィスのお目眼にかかったバンドに恥じない傑作に仕上がったと思います。
 デビュー作では、THE CLASH辺りのロンドン・パンクの影響が色濃く感じられ、ストレート・エッジなロックン・ロール・アルバムでしたが、本作もロンドン・パンクの影響は感じられるものの、さらにパブ・ロックや50's ロカビリーの影響も感じられて、さらに自分達のルーツをより掘り下げて深みも感じられる作品に仕上がっています。
 元々、バンドの影響源として、メンバーのチリ・ジェッソンは、Dr.FEELGOOD、DUCKS DELUXE、Graham Parker、Nick Lowe等を挙げていましたが、こうした彼等の本来の影響源も本作で、ようやく出せるようになったという事でしょう。
 STONE ROSESRADIOHEADXTCNEW ORDERMUSEといった錚々たるバンドのアルバムを手掛けてきた、ジョン・レッキーが本作のプロデュースを務めたのも、このアルバムの出来を素晴らしいものにした要因の一つだと思います。
 ジェフ・トラヴィス自身が、秘蔵っ子のPALMA VIOLETSのプロデュースをジョン・レッキーに掛け合ったところ即答でプロデュースを引き受けたそうです。
 とにかく、レッキーはバンドに徹底して何度もリハーサルをやらせ、一曲一曲がそのリハーサルで鍛えられたライブ感、呼吸感が感じられる事で、楽曲の良さだけに頼らないライブ感が感じられるアルバムに仕上がったのだと思います。
 前作では中途半端な導入に止まったサイケデリックも、本作ではよりクリアで効果的な導入が出来ているのも、レッキーによるところが大きいと思います。
 「Coming Over to My Place」や「Matador」といった多展開のナンバーにもバンドの成長や実験精神が垣間見えます。
 おそらくは、前述のリハーサルのジャムによって生まれたナンバーと思われますが、こうした新機軸の楽曲もデビュー作にはない局面です。
 この作品を黙って聴けば、ジェフ・トラヴィスがなぜ、このバンドに惚れたのか?
 NMEはなぜ、デビュー・アルバム・リリース前なのに表紙にしたのか?が理解出来るはずです。
 どうやら、ラフ・トレードというレーベルは、また音楽史を飾るに相応しいバンドを、生み出したようですね。

































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