吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

米西海岸アシッド・フォークの新星


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『On Your Own Love Again』
Jessica Pratt








 米サンフランシスコ在住で、LAを拠点に音楽活動を行っている女性フォーク・シンガー、ジェシカ・プラットが今年の1月にリリースした2ndアルバムです。
 2012年にリリースされたセルフ・タイトルのデビュー・アルバムは、新世代のフォークの名盤として、かなり高い評価を受けました。
 DARK MY LOVERのギタリスト、トム・プレスリーが彼女の才能に惚れ込み、自主レーベル"Birth Records"を立ち上げ、そのレーベルから彼女のデビュー・アルバムをリリースしましたが、本作はジム・オルークPAVEMENTSTEREOLAB等のアルバムをリリースしたレーベル"Drag City"からリリースしています。
 ジョアンナ・ニューサムと比較される、コケテッシュな歌声のアシッド・フォークですが、ジョアンナ・ニューサムのようなクセの強さは全く感じられず、むしろ優しく聴く者を包み込むような温かみを感じさせます。
 彼女は自己の音楽の影響源として、Joni MitchellJoan Baez、Sibylle Baier、David Crosby、Karen Dalton等を挙げています。
 各音楽メディアに絶賛されている、ジョアンナ・ニューサムは、個人的にはあのクセの強さが苦手で好きになれないのですが、ジェシカ・プラットは一度聴くと何度も、聴きたくなるような魅力を感じます。
 1987年生まれの彼女はまだ20代後半なのですが、枯れた味わいと温かみを感じるコケテッシュな歌声が、僕を惹き付けて離さないのです。
 彼女のアルバムは、秋の夜長にでも聴くのが最高なんでしょうが、肉体も精神も疲れている時に不思議に、彼女の歌声を聴くと癒されて繰り返し聴きたくなります。
 ロックが死ぬほど好きな方でも、どこかで必ずロックを聴きたくない状態の時があると思うのですが、そんな時に聴きたいアルバムです。
 僕はこのアルバムをタワレコで試聴した当初は良いとは思ったものの即買いはしなかったのですが、後日、この歌声が聴きたくなりこのアルバムを購入したんですよね(笑)