吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

Grimes + ANIMAL COLLECTIVE meets DEERHUNTER


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『The Air Conoitioned Nightmare』











 カナダ・モントリオールを拠点に活動している、エリック・ウッドヘッドこと、Doldrumsが2013年のデビュー・アルバム『Lesser Evil』以来の今月リリースしたばかりの2ndアルバム。
 ちなみに、エリックはカナディアン・フォーク・シンガーのデヴィッド・ウッドヘッドの息子です。
 Doldrumsは、同じくカナダ出身のクレア・バウチャーこと、Grimesが称賛したことで注目を集め始めたアーティストで、デビュー・アルバムも、その幻想性が高く評価されました。
 GANG GANG DANCEや前述のGrimesのように打ち込みビートが主体なのですが、ANIMAL COLLECTIVEやDEERHUNTER等の、USインディー・サイケデリック・バンドのような幻想的で美しいサイケデリックサウンドが、Doldrumsの大きな魅力です。
 本作も1曲目こそ、ポスト・パンクやインダストリアルを思わせるナンバーですが、全体的にはデビュー・アルバム同様に、その幻想的なサイケデリックサウンドが大きな軸になっています。
 ANIMAL COLLECTIVEのように音を幾重にも重ねたサウンドや、ピッチ・フォークが好みそうな(笑)ありきたりのサイケデリック・バンドとは違って(もちろん打ち込み主体だからなのもありますが)、DEERHUNTER辺りに通じる繊細で、今にも壊れそうな儚い美しさが随所に感じられるところも良いと思います。
 一部のメディアでは、Doldrumsサウンドの評価を評する際、ANIMAL COLLECTIVEやGANG GANG DANCEの名前が挙がりますが、個人的には、Grimes meets DEERHUNTERって感じがします。
 もちろん、GANG GANG DANCEやANIMAL COLLECTIVEっぽい部分も感じますけどね(笑)
 Doldrumsは、オルタナ・インディー・レーベルとして有名な、あのSUB POPのアーティストでもありますが、SUB POPは過去にNIRVANAやMUDHONEY等、オルタナ・シーンを代表するアーティストを排出してきた事から、オルタナ系レーベルの印象が強いですが、近年はギター・ダンス・ロック・バンドやニュー・ウェーブ・バンドも同レーベルから出て来ており、それらのバンドは決してシーンの中心を担ってはいませんが、魅力のあるバンドも多いです。
 同レーベル出身では、FOALSやHANDSOME FURS等が近年の僕の好みですが、彼等にしてもDoldrumsにしても、根っ子はオルタナなんですよね、やはり(笑)