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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

グランジ+ブリット・ポップ=?


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『Petals』
DARLIA













 今年の「SUMMER SONIC 2015」(東京のみ)にも出演が決定している、英ブラックプール出身の、ネイサン・デイ(Vo/G)、デイヴ・ウィリアムス(B)、ジャック・ベンサムから成る3人組バンドが今年の2月(日本盤は今月始め)にリリースしたデビュー・ミニ・アルバム。
 2010年代に入って、DINOSAUR PILEーUPや、DRENGE、THE VACCINES、そして伸長著しい、ROYAL BLOODとヘヴィーなサウンドのバンドが、UKロック・シーンで台頭してきましたが、このDARLIAも巷では、ポスト・グランジ・バンドとして注目されているバンドの一つです。
 このバンドを評する声として多いのが「OASIS+NIRVANA」という身も蓋も無い評価なのですが、グランジとブリット・ポップの異種配合バンドであるのは間違いのないところだと思います。
 前述のUKバンド達が旧来のUKロック勢の影響をほとんど受けない、良い意味での無節操さが見受けられるのに対して、OASISのようなUKロック直系のビッグなメロディーがあるところが明らかに違う点だと思います。
 DARLIAを含む、若い世代のUKバンドに共通して言えることは、旧来のシーンや近年のメディアが捏造したシーンには全く帰属していないバンドが多いです。
 そもそも、フロント・マンのネイサンは1994年生まれで、グランジ・ムーブメントが終焉して、ブリット・ポップが勃興した年代に生まれたばかりで、当然、この時代のシーンは経験していない世代。
 DARLIAのメンバーは、おそらく普通にグランジもブリット・ポップも同列で聴いてきたに違いなく、グランジとブリット・ポップの異種配合は、彼等にとっては異種配合ですらないのだと思います。
 2000年代に登場した、ポスト・グランジ・バンドのNINE BLACK ALPS、ハード・ロックからテクノまで、あらゆる音楽を飲み込んだ異色の音楽性で独自のステイタスを築いた、THE COOPER TEMPLE CLAUSEも、根底のメロディー自体は英国特有のものを感じさせましたし、近年台頭してきた前述のUK勢よりも、DARLIAには英国らしさを感じます。
 ヘヴィーなサウンドにも関わらず、バンド名でもあるダリアの花のアルバム・ジャケットの耽美でフェミニンなイメージ通りの美意識を感じさせるところも、バンドの魅力の一つだと思います。
 もっとも、現時点で彼等はフル・アルバムを出していない状態で、このミニ・アルバムも彼等がリリースしてきたシングルを集めた盤に過ぎないわけなので、ダリアの花を美しく咲かせるかどうかはフル・アルバム次第だと思います。
 近年、耽美な空気感を持つ若いバンドも滅多にいないので、将来を楽しみにしたいと思います。