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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

もう、ただのQOTSAの課外活動と呼ぶ奴はいない!


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『The Great Pretenders』
MINI MANSIONS












 QUEENS OF THE STONE AGEのベーシスト、マイケル・シューマンが、友人のタイラー・パークフォード、ザック・ドウズと、2009年に結成したバンド。
 輸入盤は先月、日本盤は今月発売したばかりの本作は、2009年のセルフ・タイトルのデビュー・アルバムに次ぐ、2ndアルバムです。
 シューマンが、このバンドを結成したのはQOTSAの活動が休止した時期で、QOTSAのフロント・マンのジョシュ・オムも、デイヴ・グロールやジョン・ポール・ジョーンズと、THEM CROOKED VULTURESというスーパー・バンドを結成したばかり故、活動当初は、ただのシューマンの課外活動バンドとしてしか見られていませんでした。
 しかし、美しいコーラスを駆使した、BEACH BOYS、後期THE BEATLES、ELOを思わせるものの、サイケデリックを基調にしつつ、DIYな感触も感じられる独創的なポップで、高い評価を得ました。
 ジョシュと共に初期のQOTSAを支えたニック・オリヴェリの後釜ベーシストとしてQOTSAに加入したシューマンですが、ベーシストとしてだけでなく、ライブでもバッキング・ヴォーカルやコーラスで、その才能を発揮してきましたが、MINI MANSIONSは、シューマンのその才能を遺憾無く発揮出来るバンドでもあるわけです。
 再び、QOTSA休止で再始動した、6年ぶりの新作は、ARCTIC MONKEYSのアレックス・ターナーとブライアン・ウィルソンという大物ゲストを迎えてのアルバムですが、大物二人の参加という話題性を抜きにしても決して、デビュー・アルバムに引けを取らない傑作に仕上がったと思います。
 本作について、シューマンは「愛や死、実存主義が、このアルバムの大きなテーマ」と語っていますが、デビュー・アルバム同様、ポップですがダークな感触も感じられます。
 美しいコーラスを基調にしているのは、デビュー・アルバムと変わりませんが、本人達がTHE FALLを意識した歪んだベースが時折、聞けたり、彼等のニュー・ウェーブ嗜好が顕著だったり、デビュー作以上にバラエティーに富んだ作品に仕上がっています。
 彼等の持ち味でもある、デビュー作のようなシンフォニックな曲は減ったと思いますが、三人が揃って好きな、THE ZOMBIES、Girillaz、DEVOと言った影響源が無意識のうちに、サウンドとして顕著になったアルバムでもあります。
 アレックス・ターナーの参加は、そもそも、アレックス自身がQOTSAと深い交流を持っているので不思議でもなんでもないですが、ブライアン・ウィルソンの参加は、ドウズがブライアンのアルバムにベーシストとして参加している事がきっかけだったそうです。
 MINI MANSIONSのデビュー・アルバム自体が、ブライアン・ウィルソンの世界観と共通している事もあって、ブライアン自身が共鳴して参加を申し入れたそうですが、両ゲスト共に、変に自分が出過ぎずに、MINI MANSIONSの黒子に徹している点も好感が持てます。
 今年は、パンダ・ベアのソロ・アルバム、PEACE、そして、BLURの新作と傑作ポップ・アルバムの当たり年でもありますが、その傑作ポップ・アルバムに決して負けない(とは言っても、BLURはまだリリースしてませんが)クオリティーの作品だと思います。