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吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

痛快ガレージ・ファンク


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『"Freedom Tower" No Wave Dance Party 2015』














 2012年発表の前作『Meat Bone』で8年ぶりの復活を遂げた、JSBXが今年リリースした、3年ぶりの新作。
 『Meat Bone』が、ブルースやロックン・ロールと正面から向き合った"JSBX黄金比"のアルバムなのに対して、本作はファンク、R&B、ヒップホップといったブラック・ミュージックを大胆に取り入れた"ガレージ・ファンク"と呼んでも良い痛快なアルバムに仕上がっています。
 もちろん、JSBXのジャンルのクロスオーバーは本作が初めてというわけではありません。
 初期の頃からジェイムス・ブラウンの影響は歴然とありましたし、Dan the Automaterやアレック・エンパイア等を迎えた実験的な『Acme』や、PUBLIC ENEMYチャックDやTHE CONTORTIONSのジェイムス・チャンスを迎えた『Damage』にも顕著です。
 そもそも、PUSSY GALORE時代にもPUBLIC ENEMYのカヴァーを演っていましたし、2013年のギター・ウルフとのスプリット盤でも、BEASTIE BOYSのカヴァーも演ってます。
 ただ、これまでのクロスオーバーがコラボレーションやカヴァーだったのに対して、本作は"No guest musicians. No collaborative works. all songs written by JSBX"とハッキリとクレジットされているように、前作同様に、JSBXの三人でほぼ全てをこなしている点が今までと違う点だと言えると思います。
 JSBXはそもそも活躍初期から、様々な音楽ジャンルの文化が根付いているニューヨークと深く密着してきたバンドで、前身のPUSSY GALOREも尖った音楽が根付いているニューヨーク・シーンの象徴みたいなバンドでした。
 ニューヨークの生んだアングラな音楽ムーブメントでもある"No Wave"をアルバム・タイトルに入れているのは、おそらくニューヨークの音楽シーンに対する賛美の意味合いもあるのかもしれません。
 とにかく、このアルバムを今年聴かないという事は、今年、最も格好良いロック・アルバムを聴かないということになるのは確かです(笑)
 もっともロックを超えて、黒人音楽を取り入れた、この素晴らしいアルバムをガレージ・ロック好きやインディー・ロック好きだけが愛聴するにはもったいないことですがね(笑)