吉良 吉陰の奇妙な音楽日記

It's Only Music, But I Love It.

PIXIES (with BO NINGEN) Live in Japan (2/27)




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 2月25日の『HOSTESS CLUB WEEKENDER』出演に続いてのPIXIESのこの日(2月27日)の単独来日公演。 私は25日のHCWにプライベートの諸事情で参加出来なかったので、PIXIESは観られないものだと思っていた矢先の単独公演で、しかも、オープニング・アクトのバンドは日本でもオルタナ・ファンに人気が浸透してきたBO NINGENとあって、私だけでなくこの単独公演に大きな魅力を感じた音楽ファンの方も多かったのではないかと思います。 私自身はBO NINGENの3月のジャパン・ツアーも仕事の都合がつかず、観られないはずの両バンドが一夜で観られる、正に"渡りに舟"の単独公演で26日のHCW同様、非常に楽しみにしていました。 26日のHCW終了後に初めてお会いした音楽ファンの方とも無事再会し、彼も25日のHCWでPIXIESを観たかったにも関わらず、それ以前に同日に来日公演のあるジェイムス・ブレイクの公演のチケットを購入してしまったために、25日のHCWの泣く泣く諦めたらしいですが、私同様に今回の単独公演を非常に楽しみにしていたそうです。 彼は今月3日のTHE DAMNEDの来日公演にも行くそうなので、また再会することになりそうですが、今回は公演前のみのご対面となりました(笑) そして、18時に開場して私はドリンクも購入せずにステージ真ん中寄りのやや前方でなかなか、それなりに良い位置ですが今回の公演は写真撮影禁止。 …てなわけでブログに掲載している写真は、外観の写真以外はBO NINGENとPIXIESFacebookの写真を使用しています(おかげでライヴを集中して観られましたがww)。 

 いよいよ、ほぼ19時定刻通りにBO NINGENの登場。 もちろん、この日の会場のファン全てが、私のようにBO NINGENも観たいというわけではありませんが、BO NINGENが登場してからの反応はかなり高かったのではないかと思います。 BO NINGENはTaigen(Vo/B)、Yuki(G)、Kohhei(G)、Mo-Chan(Dr)のロンドン在住の4人の日本人によるオルタナ・バンドですが、バンドを結成したのはロンドン。 昨年の『FUJI ROCK FESTIVAL 2016』にも出演しましたが、おそらく日本でBO NINGENが洋楽ファンにも注目されるようになったのは、2014年にリリースしたSAVAGESとBO NINGENのコラボ・アルバム『Words to the Blind』辺りだと思います。このアルバムは一曲37分の壮大な(?)ノイズ・アルバムで、このアルバムの他にSAVAGESの女性ヴォーカリストのジェニー・ベスがBO NINGENの「Nichiyou」や「CC」でゲスト参加する等、SAVAGESファンには良く知られているバンドでもあります。 全員がむさ苦しい長髪なのですが(笑)Taigenだけは髪のツヤも綺麗でステージ衣装も女性的で中性的な印象を持つ、実に魅力的なフロントマンだと思います。 この公演では未発表の新曲も含め、5曲のみの演奏ですが、ギターとベースとドラムの束になって襲ってくるような圧巻なノイズの洪水には圧倒されますが、ゴリ押し的に轟音をひたすら鳴らすのではなく、Taigenのディストーション・ベースのビートと甲高いヴォーカルをバンド・サウンドを支配して、Taigenの作り上げた世界観を、4人が奏でるノイジーなウォール・オブ・サウンドで構築したのがBO NINGENのサウンドかもしれません。 Taigenは全ての曲を日本語で歌っているにも関わらず、どこか異国の言葉に聴こえるほど、その歌い方は独創的ですし、ノイジーなウォール・オブ・サウンドながらも"洋"でもなければ"和"でもない、英国的でもなければ、日本的でもなく、無論、米国的でもない…。 表現手法は異なりますが、そのエクストリームなノイズ志向はボアダムスがやっていた方法論と共通するものがあるかもしれません。 ただし、その方法論は決してアヴァンギャルドではなく、あくまで、Taigenというスペシャルな存在を主軸に置いた世界観無しに有り得ないものになっているところが、BO NINGENのサウンドを唯一無二なものにしているのだと思います。 5曲のみとは言え、充分濃すぎる世界観を堪能させてくれたBO NINGENですが期待していたファンを充分過ぎるくらい満足させてくれたと思います。 BO NINGENのノイズの洪水に目一杯浸かりたい方は、3月7日(大阪)と3月9日(東京)にジャパン・ツアーもあるので、そちらでたっぷり楽しんでいただくと良いと思います。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BO NINGEN ジャパン・ツアー詳細(↓)

BO NINGEN|LIVE INFORMATION|SMASH [スマッシュ] Official Site

 

 

 

 

 

 

 


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 25日のHCWでのパフォーマンスは圧倒的な評価で、HCWでのステージを観た方も観られなかった方もかなり期待に胸を膨らませていたに違いありません。  ましてPIXIESくらいのキャリアになれば、楽曲も豊富なのでHCWを観ていたファンでも違ったステージも期待出来ますし、もちろん私のように25日のHCWのステージを観ていないファンは尚更、そのステージが楽しみというものです。 2013年にキム・ディールが脱退以降、一時期、THE MUFFSのキム・シャタックがベーシストを務めた後、元A PERFECT CIRCLE、ZWAN、THE ENTRANCE BANDのベーシストを務めてきた敏腕女性ベーシスト、パズ・レンチャンティンがベーシストに定着してからは、再結成後に2枚のスタジオ・アルバムを制作する等、(再結成後に関して言えば)キム・ディール在籍時よりもバンドとしての活動も順調で、今回の公演も再結成後、最も油の乗りきった状態での公演になったに違いありません。 下のセット・リストを観ていただくとお分かりになると思いますが、一曲目はデビュー・アルバム『Surfer Rosa』からの「Where is My Mind?」、2時目は再結成後の『Indie Cindy』からの「Greens and Blues」、3曲目は『Head Carrier』からの「All the Saints」を挟みますが、この後は2ndアルバム『Dollitle』、デビューEP『Come on Pligrim』からの初期のナンバーが続き、初期作品から愛聴している真のPIXIESファンの胸をくすぐるような選曲に会場はかなり盛り上がり合唱も起こったほどです。 ブラック・フランシスは始めの数曲はアコースティック・ギターを手にしてヴォーカルをじっくり聴かせることに集中し、曲が進むに連れて徐々にオルタナティヴな轟音ナンバーで最高潮なノリを作り、ライヴ全体が単調な構成にならないような流れを構築しているところは実に見事だと思いました。 DINOSAUR Jr.が昨年、『HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER』が比較的、高揚感のあるオルタナ・ナンバーが多過ぎ、まるでパンク・バンドの公演のような単調な流れになって、ファンからの不満の声も少なくなかったのですが、今回のPIXIESの公演は轟音ナンバーで盛り上がることはあっても、新旧各楽曲の質の高さを改めて認識させる緩急のある曲構成にして最後まで飽きさせない完璧とも言えるものになっていたんじゃないかと思います。 パズ・レンチャンティンも元々は銘打ってのテクニシャンであることもあって、安定感やバンドのダイナミズムへの貢献はキム・ディール以上で、コーラスでも貢献したことで本来の"PIXIESらしさ"を失わずに更にバンドのレベルを引き上げました(ちなみに彼女がリード・ヴォーカルを取る「All I Think About Now」も披露)。 そして、バンド・サウンドの重要な要でもあるジョーイ・サンティアゴのギターも予想以上の素晴らしい出来で、彼のギター無しにPIXIESは有り得ないと断言しても良いくらいです。 特に高揚感のあるオルタナ・ナンバーはほとんど彼の独壇場と言っても過言ではなく、単純にエフェクターを駆使してノイズを出すレベルに終わらず、プレー・スタイルも曲に応じてバリエーションも多彩でバンド・サウンドを支配しているのがジョーイであることを改めて認識させてくれました。 そして、ドラマーのデヴィッド・ラヴァリングも地味ながらもタイトで重たいビートでフロントの3人を支え、バンドの重みのあるグルーヴを作り出していました。 このライヴで彼等の残してきた楽曲を改めて聴くと、PIXIESが創作してきた音楽無しで90年代のグランジ・ムーブメントは存在しなかったと痛感させられましたし(実際、「Debaser」はNIRVANAの「Smells Like Teen Spirit」の元ネタなんですけどね)、その90年代以降のオルタナ・シーンの源流バンドながらも、現在もその頂点であり続けているのがPIXIESなんじゃないかと思います。 最後はアンコール無しで終わりかな?…って思わせておきながらも、最後は「Planet of Sound」で締め。 この曲は25日のライヴの最後の曲でもあるみたいですが、ほとんど最後までMCを入れて休むと言うことをせずにノンストップでライヴを行ったメンバーの体力と集中力も凄いですし、もしかしたらバンドは現在、キャリア史上、最高に良い状態にあるのかもしれません。 再結成バンドの大半は金目的でそこに解散前の熱いスピリットを感じるのは難しいのですが、パズの加入によって生まれ変わったことで、新たに彼等に熱いスピリットが蘇ったのかもしれません。 

 

 そして、私はノンストップで29曲の圧倒的なPIXIESの来日公演の後は今月3日のTHE DAMNED。 コチラはいよいよ明日ですがおおいに楽しんできたいと思います!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

27th February Monday

PIXIES Live in Japan

(@Roppongi EX Thratre, Tokyo)

 

 

1. Where is My Mind?

2. Greens and Blues

3. All the Saints

4. Here Comes Your Man

5. Winterland (Neil Young cover)

6. Mr. Grieves

7. The Holiday Song

8. Blown Away

9. Gouge Away

10. Wave of Mutilation

11. Bel Esprit

12. Monkey Goes to Heaven

13. Isla de Encanta

14. Talent

15. Oona

16. Caribuu

17. All I Think About Now

18. Debaser

19. Magdalena 318

20. Velouria

21. Snakes

22. Plaster of Paris

23. Cactus

24. Brick is Red

25. Break My Body

26. Vamos

27. U-Mass

28. Hey

 

【Encore】

29. Planet of Sound

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

www.creativeman.co.jp

 

 

 

 

 

 

 

 


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『HOSTESS CLUB WEEKENDER』(2/26)





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 私にとっては、MELVINSがトリを務めた2015年11月22日以来の『HOSTESS CLUB WEEKENDER』参加になりますが(もっともHCW開催も2015年以来なのですが…)、2015年時はサイン会参加を考慮しなかったので昼頃に新木場に到着していましたが、この日(2/26)のHCWはLITTLE BARRIEのサイン会に参加したいと思い、10時20分くらいにスタジオ・コーストに着くと早くもサイン会グッズを購入するための長蛇の列で、しかも若い女性ファンばかり (苦笑)。 もちろん彼女達の目的のほぼ全員がCOMMUNIONSで、私がこれほど沢山の若い女性ファンと一緒なのは、2015年のTHE STRYPESの来日公演以来じゃないかと思います。 そしてサイン会に参加するためのグッズ販売が11時から開始になったのですが、私が並んでいる途中でCOMMUNIONSのサイン会グッズは売り切れとなり、私の前にいた女性ファンの方は泣く泣く諦めていました…。 私の方は無事、LITTLE BARRIEのサイン会用のCD(2月15日に発売になった新作『Death Express』をゲットすることが出来ました。 とりあえず、サイン会用のグッズをゲット出来れば、後は12時30分の開場を待つばかり。 この日は冬にしてはポカポカ陽気の暖かい天気で開場を待つには絶好の天気。 そして、開場時間になったと同時にステージへ向かいましたが、もちろん、先程のグッズ売り場で並んでいた、COMMUNIONS目当ての若い女性達がステージ最前列を陣取っていたのは言うまでもありません (苦笑)。 最前列の彼女達はメンバーに渡すための小さな花束に、メンバーの顔写真から制作したお面(?)みたいなものを手に持ち、まるでアイドル・グループのライヴのようなノリでしたが、まぁ~、そこが若い女の子なのかもしれません。 もっとも私もCOMMUNIONSは好きなバンドなので、彼女達のやや後ろに陣取ってはいましたが…(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

①COMMUNIONS

(13:30~)

 

 

 

 若い女の子達ばかりの中、私はベーシストのマッズ・レホフ(フロントマンのマーティン・レホフの弟)のいるステージ右サイドに陣取り、COMMUNIONSのメンバーはほぼ定刻通りの13時30分頃に登場し、EP『Communions』に収録されているナンバー「Forget It's a Dream」からスタート。 ファンキーなベースが印象に残るブリット・ポップ・ナンバーですが、この曲を聴く限りでもメンバーの安定した演奏技術が垣間見え、デンマークの次世代を担うバンドとしての貫禄を充分、感じさせてくれます。 マーティン・レホフの清涼感のある高い声のヴォーカルも安定感があり、ブリット・ポップをルーツに置きながらもバンドとして、しっかりとしたバンドとしての技量を感じさせてくれたと思います。 もっとも若い女の子に人気があると言っても、元々、COMMUNIONSはUK直系の良質なギター・ポップ・サウンドが評価されて、日本でも2015年に編集EP『Communions』がリリースされた経緯を考えれば、女の子に人気のある云々を差し引いて実力を評価すべきバンドなのですが、それでも10代の若さに加え、イケメン揃い。 そして胸がときめく甘酸っぱいポップなメロディーと若い女の子が好きになるのも当然のバンドなのですが、洋楽の不振が叫ばれている現在の洋楽マーケットにこうしたバンドも必要なのだとも思います。 この日のHCWのステージでも甘酸っぱいギター・ポップを披露しながらも、リアム・ギャラガー辺りがこのバンドのヴォーカルを務めたら、さぞや往年のブリット・ポップ・ファンが涙しそうなアンセミックでストロングなメロディーの素晴らしさにも気付かされることと思います。 この日の楽曲は2月3日に発売されたデビュー・アルバム『Blue』中心でしたが、これからキャリアを重ね、音楽の幅が更に拡がっていけば、デンマークの先輩バンドのMEWやICEAGEのような評価を受けるのも、そう遠い日ではない気がします。 HCWのオープニング・バンドにしては目の離せないバンドの登場でしたが、私はこの後、次のTHE LEMON TWIGSの登場前にLITTLE BARRIEのサイン会に向かったのでございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

LITTLE BARRIEサイン会

(14:25~)

 

 

 

 COMMUNIONSのライヴが終わったのが、LITTLE BARRIEのサイン会が始まる時間(14:25)だったので、私は急いでサイン会の会場に向かいました。 アーティストにサインを貰うなんて昨年のHURRICANE #1以来ですが、15日発売の新作も素晴らしい出来だったうえに、LITTLE BARRIEのライヴも今回のHCWが初めて。 今回のHCWで最もライヴで期待していたのがLITTLE BARRIEなのですが、サインを貰えるのも非常に楽しみにしていました。 私自身はSWANSのフロントマンのマイケル・ジラ、ICEAGE、そして前述のHURRICANE #1のメンバーにそれぞれサインを貰いましたが、LITTLE BARRIEのメンバーは三者三様で対応に個性が出ているところが面白いところかもしれません。 最初にサインしてくれたのはギタリストのバーリー・カドガンで対応も凄く丁寧で凄く繊細なイメージが強く、バンド名通り(LITTLE BARRIE)、正に小柄な方でした。 ドラムスのヴァージル・ハウは陽気で豪快なイメージそのものの人で、ベーシストのルイス・ワートンはかなり無愛想ですが、おそらく人見知りが激しく物静かな人で、メンバー全員、ほぼ見た目通りの印象そのものの性格でした。 そして三人にサインしてもらったのが下の写真(↓)で私宛て(Kira)の名前も入っています。 サインを貰った後はスタジオ・コーストに到着する前にコンビニで買ったサンドイッチを頬張った後、ドリンクで喉を潤して、その後のTHE LEMON TWIGSのライヴが始まるステージに向かいました。

 

 

 

 

 

 

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 ③THE LEMON TWIGS

(14:55~)

 

 

 

 

 私もサイン会と食事を済ませ、辛うじてTHE LEMON TWIGSのライヴ開始に間に合いましたが、COMMUNIONS同様、いや、それ以上にこのバンドの人気は高く、会場内はぎっしりと埋まっていました。 このバンドのダダリオ兄弟もまだ10代のイケメンで女性人気も高いのですが、それ以上に昨年リリースしたデビュー・アルバム『Do Hollywood』のキテレツなポップ・サウンドが高い評価を受け、この日来ていた方の大半はこのバンドのパフォーマンスに注目していたはずです。デビュー・アルバムではほぼ全ての楽器をこなすマルチ・プレイヤーぶりを発揮していたダダリオ兄弟ですが、どんな楽器でもこなしてしまう天才兄弟に注目が集まるのも当然と言えるでしょう。 ライヴのオープニングは「I Wanna Prove to You」で始まり、ヴォーカル兼ギターを長髪の兄、ブライアンが務め、弟マイケルはドラムス、ダニー・アヤラがキーボード兼コーラス、そしてブライアンのガールフレンドでもあるミーガン・ジーンコウスキがベースを担当しています。 そして次の曲は曲展開が目まぐるしく変わり、後期THE BEATLESばりの美しいコーラスが印象に残る「Haroomata」を披露しますが、アルバムでこの難易度の高い楽曲を聴いた時にこのバンドの恐ろしい才能を思い知った方も多いんじゃないかと思いますが、この曲をライヴでも美しいコーラスを難無くこなし、それでもブライアンもチャック・ベリー並のダッグ・ウォークまで披露するだけの余裕があるところにこの兄弟の才能の凄さの一旦を見せつけられたに違いありません。 キーボードを担当しているダニー・アヤラも美しいコーラスもヴォーカルも取れるので、バンドの大きな力になっていますし、始めの数曲の時点でダダリオ兄弟の才能を感じた観衆も多いでしょうが、この兄弟の凄さはこの程度ではないと後に思い知ります。 ブライアンのギタリストとヴォーカリストとしての実力、マイケルのドラマーとしての実力を数曲の時点で実感したと思いきや、今度はマイケルがギターとヴォーカルを担当し、ブライアンがドラムを担当すると、マイケルのヴォーカルとギター、ブライアンのドラムもポジション・チェンジしても高いレベルでの演奏技術を見せつけ、この兄弟のマルチ・プレイヤーとしての凄さを会場のファンも思い知ったことと思います。 マイケルも若き日のピート・タウンゼントばりに高々とジャンプしたり、兄以上に派手なアクションで会場を沸かせましたが、この兄弟の末恐ろしい才能には会場のファン全員が驚いたに違いありません。 これから様々な音楽を吸収して、どれだけ将来、二人とも凄いミュージシャンになるのかと思うと楽しみというよりは恐ろしいですが (苦笑)、この日のライヴを観られなかった方は、今年の『FUJI ROCK FESTIVAL 2017』で末恐ろしい才能の兄弟のパフォーマンスを味わってください(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LITTLE BARRIE

(16:40~)

 

 

 

 

 そして、衝撃の天才ぶりを発揮したTHE LEMON TWIGSの後は我らがLITTKE BARRIEですが(笑)、THE LEMON TWIGS終演後はCOMMUNIONSのサイン会が16時過ぎの開催だったこともあって運良く前方の方で観ることが出来、しかも、バーリー・カドガンの真ん前という絶好のポジションをキープ出来ました。 もちろん三人とも抜群の演奏技術を持ったバンドですが、ファンならずともギタリストとしてのバーリー・カドガンは一目置かれる存在なだけに、バーリーのギター・プレーを間近で観られるのはファン冥利に尽きると言うものです。 そして、私が今回のHCWで最も期待しているバンドでもあるLITTLE BARRIEが登場したのはほぼ定刻通りの16:40頃だったと思いますが、オープニングは新作のオープニング・ナンバーでもあるインスト・ナンバーの「Rejection」からスタートし、そして「I.5.C.A.」。 アルバムでも独自のグルーヴを持った先行シングルとして、YouTube等で曲を聴かれた方もいらっしゃると思いますが、バーリーもこの曲でトム・モレロ(RAGE AGAINST THE MACHINE)ばりのフリーキーなギター・プレーを披露してくれます。 バーリーのギター・スタイルはオーソドックスなロック・ギターをベースにしながらも、様々なスタイルの奏法を織り交ぜて、多種多様なグルーヴを創作出来るところにその凄さがありますが、このステージでもそんなバーリーのフリーキーなギターが存分に味わえるステージにもなりました。 スティーヴ・ハウの息子でもあるヴァージル・ハウのドラミングもプログレッシヴ・ロックにルーツを持つ、非常にテクニカルで高度なものですが、このステージでは小手先のテクニックに走らず、バンドのダイナミズムを重視した重さを感じさせるプレーになっていたと思います。  寡黙な印象のルイス・ワートンのベースも二人のプレーを縫うようにして、高度なプレーでバンドのグルーヴを構築して、ルイスもまたバンドに欠かせないプレイヤーであることを静かに主張するプレーを見せつけてくれました。 三人とも自由にやらせれば、1曲で長時間のジャムをやることも辞さない典型的なジャム・バンドですが、このHCWでは曲のフォーマットは敢えて崩さずに、しっかり楽曲をしっかり聴かせる構成のステージにしていた気がします。 彼等にしては無難にまとめてはいてもテクニカルかつフリーキーな三人がつまらない演奏に終始するわけもなく、見事に期待に応えたパフォーマンスは充分にやってのけ、個人的に初めて観たLITTLE BARRIEのライヴですが充分過ぎるくらいのインパクトは残してくれたと思います。 もしかしたら、単独公演も9月頃にあるようなので私も楽しみにしています。 サインを貰ったから贔屓しているわけではないですが(笑)個人的にはこの日の一番のベストのライヴがこのLITTLE BARRIEだったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LITTLE BARRIE Setlist

(3/8 追記)

 

1. Rejection

2. I.5.C.A.

3. Realise

4. Molotov Cop

5. Tip It Over

6. It Don't Count

7. Black Mind

8. You Won't Stop Us

9. Compressed Fun

10. Pauline

11. Love Or Love

12. Bonneville Ride

13. Eyes Were Young

14. Drath Express

15. Surf Hell

16. I Can't Wait

 

 

 

 

 

 


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THE KILLS

(18:55)

 

 

 天才兄弟の末恐ろしい才能を感じさせたTHE LEMON TWIGS、そしてライヴ・バンドとしての実力を定評以上に見せつけてくれたLITTLE BARRIEの後のトリを務めたTHE KILLSですが、トリに相応しいパフォーマンスを見事に披露してくれました。 今回のTHE KILLSはアリソン・モシャート(Vo)とジェイミー・ヒンス(G/Vo)の二人に加え、サポートのドラマーとサウプリング担当者の計4人。 THE LEMON TWIGSとLITTLE BARRIEの後だけにトリながら、あっさり喰われてしまう可能性を感じたのは私だけではなかったですが、一曲目の「Heart of a Dog」でアリソンのセクシーでロック・スター然としたアクションを観た瞬間、そんな余計な心配はこのバンドには不要と思った方は多かったことでしょう。 実はギタリストのジェイミーが怪我を負って、彼の左手の中指の腱が動かせずにコードを押さえるのも不自由であることを知っているのが、この会場にどれほどいたかは知りませんが、このジェイミーの不自由さを逆手にとって、ジェイミーが弾くのが可能なコードのみを使うことで、他のバンドにはない様式にすることで、逆にTHE LEMON TWIGSやLITTLE BARRIEでは絶対に有り得ない世界観を築き上げることに成功したと言えると思います。 アリソンのセクシーなアクションも今回参加しているバンドには欠けている"セクシーなフロント・ウーマン"であることも、他の3バンドにはない魅力になっていて、HCWに華を添えた形になったにも良かったと思います。 そして、一曲目が昨年リリースした『Ash & Ice』だったのに対して、2曲目は2008年発表の『Midnight Boom』からの「U.R.A. Fever」だったのも長年、THE KILLSを愛聴していたファンには驚きであったに違いありません。 『Midnight Boom』はバンド初期の退廃感のあるガレージ・バンドという印象を覆した、ダンサブルでキャッチーな側面を持ったアルバムで、日本でもバンドが知られるようになったきっかけにもなっていました。 私も『Midnight Boom』はTHE KILLSの中で最も大好きなアルバムで、この日のアンコールの最後に同アルバムの「Sour Cherry」を持って来る等、『Midnight Boom』愛聴者にはたまらない選曲だったと思います。 もちろん、最新作『Ash & Ice』のデジタル・サウンドを導入したサウンドがこのライヴの軸になってはいるのですが、単調なコード進行の曲が大半にも関わらず、その単調さがミニマムなグルーヴとして聴こえ、逆にそれが大きな武器にもなっていると実感させてくれたライヴにもなりました。 最後はジェイミーもアリソンもお互いに顔をすり合わせて愛撫し合う光景も最高にチャーミングで、THE KILLSにしかない愛らしい世界観を味わえただけでも観て良かったと思うファンも少なくないはずです。 実は私自身、2008年のサマソニで彼等のライヴを楽しみにしていたにも関わらず、リズム・マシーンのプログラミングのデータが消えたことでライヴを行うことが出来ず、結局、THE KILLSの公演を観られなかった悲しい過去もあったのですが、10年近く経ってから彼等のライヴを観られたのは素直に嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 今回のHCWはMELVINS目当てだった2015年の時に比べて、実に見応えがあったと思いますし、4バンドとも見事に期待以上のパフォーマンスを見せてくれたと思います。 主催者の「Hostess Entertainment」も現状として継続が難しい部分もあるみたいですが、経費的な面で負担の少ない日本のバンドを加えてもHCWはこれからも続けてもらいたいと思います。 私は公演終了後、翌日のPIXIESの来日公演でも再び会うことになる若い男性の方と少し話した後、CATFISH AND THE BOTTLEMENの来日公演でもお会いした、Facebookの友達のYoshidaさんと話ながら電車に乗り、会場を後にしました。 PIXIESの来日公演のブログも遅くなりそうですが書かせていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

THE KILLS Setlist

(3/8 追記)

 

1. Heart of a Dog

2. U.R.A. Fever

3. Kissy Kissy

4. Hard Habit to Break

5. Impossible Tracks

6. Black Ballon

7. Doing It to Death

8. Baby Says

9. Dead Road 7

10. Tape Song

11. Echo Home

12. Whirling Eye

13. Pots and Pans/Monkey 23

 

【Encore】

14. That Love

15. Siberian Nights

16. Love is a Deserter

17. Sour Cherry

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ynos.tv

 

 

 

 

 

 


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『HOSTESS CLUB WEEKENDER』出演決定!③




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『Death Express』

LITTLE BARRIE

 

 

 

 

 

  今月26日の『HOSTESS CLUB WEEKENDER』に出演が決定している、英ノッティンガムシャー出身のガレージ・ロック・バンド、LITTLE BARRIEが今月15日にリリースした(私はタワー・レコードの通販で購入したので、1日早く入手しています)、バンド通算5作目になる新作です。

 LITTLE BARRIEは2005年にデビュー・アルバム『We are Little Barrie』をリリースすると、同年の『SUMMER SONIC 2005』の「SONIC STAGE」で入場規制がかかるほどの人気を博し、更にはフロントマンのバーリー・カドガンはPRIMAL SCREAMモリッシー、ポール・ウェラー、SAINT ETIENNEのサポート・ギタリストとしてツアーに帯同する引く手数多のギタリストとしても有名です。 LITTLE BARRIEの結成当初のメンバーは、バーリー・カドガン(Vo/G)、ルイス・ワートン(B)、ウェイン・フルウッド(Dr)のトリオで、元ORANGE JUICEのヴォーカリストでもあったエドウィン・コリンズのプロデュースで2005年にデビューアルバム『We are Little Barrie』をリリースしますが、2ndアルバム・レコーディング前にフルウッドが脱退。 2006年発表の『Stand Your Ground』では1曲を除いて、The Jon Spencer Blues Explosionラッセル・シミンズがドラムを叩き、残り1曲を叩いたビリー・スキーナーが正式加入。 しかし、スキーナーも脱退すると、次はYESやASIAのギタリストのスティーヴ・ハウの息子、ヴァージル・ハウが加入し、3rdアルバム『Kings of the Waves』(2010年発表)以降はヴァージルが正ドラマーとして定着しました。 本作は2ndアルバム『Stand Your Ground』以外のプロデュースを手掛けてきたエドウィン・コリンズの手を離れ(ちなみに2ndのプロデューサーはDan the Automatorとマイク・ペランコーニ)、バンド自らのセルフ・プロデュース作品になっています。 R&Bやブルース、ファンク等の黒人音楽を取り入れたガレージ・サウンドが初期の頃からバンドのサウンドの特色として挙げられ、特に初期はモッズ色も感じられるタイトな演奏でしたが、複雑で高度なリズムが叩けるヴァージル・ハウが加入してから、徐々にその音楽性もより高度に進化していき、初期とヴァージル加入後では違うバンドのようになっています。 ヴァージル加入後の大きな変化は前作の『Shadow』のフルーキーなジャム演奏に近いスタイルで顕著になっていましたが、エドウィン・コリンズの手を離れた本作でも、更にヴァージル加入後以降の新たなサウンドLITTLE BARRIEを聴くことが出来ます。 このブログの下に貼っている2曲の先行シングル曲「I.5.C.A.」と「Love Or Love」のMVを観ていただければ明らかにお分かりいただけると思いますが、「I.5.C.A.」のように濃厚なサイケデリック・ナンバーながらも、PRIMAL SCREAMのエレクトリック・ナンバーのようなグルーヴ、そしてヴァージルの複雑かつ高度で尚且つ高速なドラミングに圧倒されるアッパーなナンバーと、2曲を聴いただけでも明らかに今までと違う、LITTLE BARRIEサウンドが聴くことが出来ます。 曲のフォーマットそのものは前作ほど崩してはいないのですが、プログレッシブ・ロックに明らかに影響を受けていると思われるヴァージルの複雑で高度なドラミングが様々なリズムを可能にしたことで、1曲の中に様々な音楽ジャンルのリズムを挿入することが出来、それに呼応するかのようにカドガンのギターやワートンのベースと化学反応するかのように、新たなケミストリーが生まれている気がします。 カドガンがPRIMAL SCREAMやSAINT ETIENNE等へのツアーへの同行の他にKASABIANTHE CHEMICAL BROTHERS等のレコーディングに参加していることもあって、エレクトリック・サウンドを擁するバンドとの演奏が、『Shadow』とは違った形でバンドのサウンドをフリーフォームなものにしていると思います。 前述のPRIMAL SCREAM的なグルーヴからTHE STOOGESのようなパンキッシュなガレージ・サウンド、そして、ヴァージルのプログレッシブ・ロック色濃厚なドラミング、どこかLED ZEPPELINであったり、どこかTHE ROLLING STONESであったりするところは、元々が黒人音楽を取り入れたガレージ・サウンドLITTLE BARRIEところと言えるでしょう。 シンプルなガレージ・サウンドをベースにしながら、これだけの音楽情報量が詰まって、尚且つ、それを整然とした形での楽曲に仕上げることが可能なのは、高度な演奏技術と多くのアーティストとの共演を果たしてきた3人だからこそのものかもしれません。 初期作品しか聴いていない方は、このサウンドの進化ぶりに驚くこと必至ですが、26日の『HOSTESS CLUB WEEKENDER』に参加される方はこのアルバムは聴かなければ話になりません。 26日に参加する私としても彼等のライヴは一番期待していますが、このアルバムは『HOSTESS CLUB WEEKENDER』に参加されない方にも是非とも聴いていただきたいアルバムです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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『HOSTESS CLUB WEEKENDER』出演決定! ②




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『Do Hollywood』

THE LEMON TWIGS

 

 

 

 

 

 

  COMMUNIONS同様、コチラも今月25日(土)・26日(日)の『HOSTESS CLUB WEEKENDER』に出演が決定している(THE LEMON TWIGSは26日出演)、ニューヨーク・ロングアイランド出身の19歳のブライアンと17歳のマイケルのダダリオ兄弟によるデュオが、昨年10月にリリースした(日本盤は11月)デビュー・アルバム。 

 ミュージシャンのロニー・ダダリオを父親に持つ、ブライアン&マイケルのダダリオ兄弟の傍らに、幼少期の頃から音楽があったのは言うまでもなく、ブライアンは5歳でドラム、7歳でギターを弾き始め、10歳になる頃には弟マイケルを誘ってバンドを結成。 そのバンドはMEMBERS OF THE PRESSというバンド名で、最初のうちはTHE BEATLESTHE WHO等をカヴァーしていましたが、次第にオリジナル曲のレパートリーを増やし、ブライアンが高校を卒業する頃にはガールフレンドのミーガン・ジーンコウスキをサポート・ベーシストに迎え、THE LEMON TWIGSと名乗るようになりました。  2015年6月には『What We Know』と題されたカセット・アルバムを100本限定でリリースしましたが完売。 そして、2016年10月にイギリスの名門レーベル「4AD」からリリースしたのがこのデビュー・アルバム『Do Hollywood』です。 このアルバムのプロデュースを担当したのは、米カリフォルニア州・ウェストレイクビレッジ出身のインディー・デュオ、FOXEGENの片割れのジョナサン・ラドー。 ジョナサンは昨年、デビュー・アルバム『Light Upon the Lake』のプロデュースも担当していますが、元々、ダダリオ兄弟はFOXEGENのファンでアルバム収録曲のデモをジョナサンに送ったところ、ジョナサンはすっかり気に入り、THE LEMON TWIGSをFOXEGENのサポート・アクトとして起用したそうです。 元々、THE LEMON TWIGSの音楽性もFOXEGENと比較されることも多かったことから、これ以上ない人選でのアルバム制作になったに違いありません。

 アルバムに収められている楽曲は、THE BEATLES、エルトン・ジョン、THE ZOMBIES、ギルバート・オーサリバン、PROCOL HARUM、QUEEN、THE MOVE等の古典ポップを踏襲しながらも、様々な古典ポップの破片が一曲の中で目まぐるし転調して、時折、ボートヴィル風になったり、ドゥーワップだったり、ミュージカルだったりと、一曲一曲の中に様々な音楽情報が詰め込まれる、とても10代の若造が作ったとは思えない、古典ポップの闇鍋状態のようなアルバムと言えるかもしれません。 そんな闇鍋状態でも、THE BEATLESの中期から後期にかけてのサイケデリアとコーラスの美しさが楽曲の所々で聴けたり、混沌とした曲展開の中にしっかりと楽曲の中にポップ性と美意識を失わないように心掛けているところも好感が持てます。 マイク・パットンのやっていたバンド、Mr. BUNGLEのデビュー・アルバムにも共通している目まぐるしい曲展開ですが、さすがにMr. BUNGLEのような変態性を強調することなく(笑)しっかりとポップとして機能しているところにこのアルバムの魅力があります。 また、このアルバムは父親・ロニー・ダダリオに捧げているアルバムでもあるところから、父親が好んでいた古典ポップを詰め込んだ内容になったとも考えられなくもありません。 そして、驚くのはギター、ベース、ドラム、キーボードからヴァイオリン、チェロ、トランペットまで、ほとんど全ての楽器をダダリオ兄弟だけで演奏していることです。 二人がマルチプレイヤーなのはもちろん、幼少期から音楽に触れてきた兄弟の環境ゆえだと思いますが、二人のあらゆる楽器を演奏出来る才能とあらゆる類いのポップ・ソングを書ける才能を、兄弟揃って兼備しているところはやはり並の10代ではないですね…。

 私自身、このアルバムがリリースされた時期の昨年10月~12月の時期は、HURRICANE #1の新作リリース&来日公演、同じくMARCHING CHURCHの新作リリース&来日公演、そして大好きなTOYの新作リリースがあったので、このTHE LEMON TWIGSのデビュー・アルバムを聴く機会がなかったのですが、『HOSTESS CLUB WEEKENDER』出演が機会とは言え、このアルバムに出会えて良かったと思ってます。 そのTHE LEMON TWIGSが出演する26日の『HOSTESS CLUB WEEKENDER』には、同世代のデンマークのバンド、COMMUNIONSも出演するだけに両バンドのパフォーマンスも楽しみなところだと思います。 ちなみにこのデビュー・アルバムのジャケット・アートは日本盤のみの仕様で海外のアルバム・ジャケットとは違います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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『HOSTESS CLUB WEEKENDER』出演決定! ①




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『Blue』

COMMUNIONS

 

 

 

 

 

 

 

 2月25日(土)と26日(日)に開催される『HOSTESS CLUB WEEKENDER』に出演する(COMMUNIONSの出演は26日)、デンマークコペンハーゲン出身のバンド、COMMUNIONSが今月3日にリリースしたばかりのデビュー・アルバムです。 COMMUNIONSは17~21歳という若さでTHE STONE ROSESやTHE LA'S、THE SMITHSを思わせるジャングリーなUKギター・ポップを奏でるバンドとして世界中の音楽メディアから注目を集め、2015年6月には日本編集EP『Communions』がリリースされ、ここ日本でもインディー好きの注目を集め、このデビュー・アルバムの発売を待ちわびていた方も少なくないことでしょう。 私も以前、EP『Communions』に関してはブログに書かせていただきましたが、ICEAGEに続く、デンマークコペンハーゲン・シーンの将来を担う重要バンドとして期待を一身に集めるバンドでもあります。 このバンドも、ICEAGE、LOWER、LUST FOR YOUTH、Puce Mary等、コペンハーゲン・ロック・シーンを支えているレーベル「Posh Isolation」と契約しているのですが、元々、このレーベルはノイズ/インダストリアル系バンドと契約していることが多い、このレーベルで清涼感のあるギター・ポップ・バンドのCOMMUNIONSは極めて異色と言えるかもしれません。 もっとも、このデビュー・アルバムはSUNFLOWER BEANやTEMPLESも契約しているレーベル「Fat Possum Records」からリリースされているので、地元コペンハーゲン・シーンという枠を超えたワールド・ワイドな視野での飛躍も期待出来ると思います。 この注目のデビュー・アルバムですが、基本的にはEP『Communions』の路線を踏襲したエヴァーグリーンなギター・ポップ・アルバムに仕上がっています。 THE LA'Sのリー・メイヴァース、THE BLUETONESのマーク・モリス、あるいはTHE TROUBADOURSのマーク・フリスを思わせる、清涼感のあるヴォーカルを相変わらず聴かせてくれる、Martin Rehofのほろ苦くも爽やかな印象のヴォーカルを生かした、とてもデンマーク出身のバンドとは思えない、UKギター・ポップのフォーマットを踏襲したアルバムになっています。 更に曲の良さだけでなく、リズムもより多彩になり、バンドとしてのグルーヴ感も向上して、EPよりもバンドとしての成長も伺い知ることが出来ます。 このバンドが2000年代のUKのバンドなら、THE TROUBADOURSのようなブレイクが日本でもあるかもしれませんが、このエヴァーグリーンなサウンドは、THE  SMITHSやTHE STONE ROSESはもちろんTHE BLUETONESやTHE LA'S、THE TROUBADOURSをお好きな方には是非ともオススメしたいアルバムです。 メロディーが美しいだけでなく、繊細で切なさも感じさせる、Martin Rehofのヴォーカルもおおいに惹かれることでしょう。 私もICEAGEやMARCHING CHURCH、LUST FOR YOUTHの来日公演に観に行くほど、最近のコペンハーゲン・シーンのバンドに入れ込んでいるのは、このブログを購読されている方はご存知かと思いますが(笑)このバンドはむしろ、デンマークの音楽シーンと関係無しに多くの方に聴いていただきたいアルバムです。 もっとも、ICEAGEのフロントマン、エリアス・ベンダー・ロネンフェルトのプロジェクト、MARCHING CHURCHも独自のホワイト・ソウルを追求するバンドですし、LUST FOR YOUTHは、DEPECHE MODEPET SHOP BOYSを思わせるエレ・ポップ、そしてコペンハーゲンの新鋭バンドとして、R&Bフレイヴァーを感じさせるLISSも注目を浴びる等、最近のコペンハーゲンのバンドもより、多彩な音楽性を追求するバンドが増えている気がします。 そもそも、デンマークのロック・バンドはこの地域の出身だから、こういうサウンドを鳴らすとか、ムーヴメントに左右されない自由な発想で音楽を追求しているバンドが多いのですが、COMMUNIONSもまた、より自分達の理想のエヴァーグリーン・ミュージックを鳴らしているに過ぎないのだと思います。 今月26日の『HOSTESS CLUB WEEKENDER』では、THE LEMON TWIGS、LITTLE BARRIETHE KILLSとそれぞれタイプの違ったバンドとの出演だけに、より自分達の音楽をオーディエンスに届けることが出来ると思います。 "デンマーク代表"として私も新木場スタジオコーストでは一番、期待しています(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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グラスゴー出身ガールズ・デュオのビタースウィートなグランジ・ポップ




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『Babes Never Die』

HONEYBLOOD

 

 

 

 

 

 英スコットランドグラスゴー出身のグランジ・ガールズ・デュオ、HONEYBLOODが昨年11月にリリースした2ndアルバム。 HONEYBLOODはグラスゴーで、Patwindpartwolf and Boycotes、RESPECTIVELYと言ったバンドでギターをプレーしていた、Stina Tweeddaleが自分で曲を書いて歌う為にドラマーのShona McVicarを誘って2012年に結成したバンド。 自主レーベル「Cath Records」からデビュー・シングル「Thrift Shop」をリリースした後に、Sigur RosMUMANIMAL COLLECTIVE等のアルバムをリリースしているレーベル「FatCat Records」と契約し、2014年7月にセルフ・タイトルのデビュー・アルバムをリリース。 デビュー・アルバムはNMEが"2014年に聴くべき40枚"に選出したのを始め、DIYMOJO、Uncutと言った各音楽媒体が高評価しました。 しかし、デビュー・アルバム・リリースから2ヶ月後には早くもShona McVicarが脱退し、アルバムの高評価から一転して苦難に陥りましたが、新ドラマーにCat Myersを迎え入れ、再び活動を再開しました。 この後はFOO FIGHTERS、PALMA VIOLETS、SLEIGH BELLS、DEAP VALLY等のサポート・アクトをこなし、2015年にはレコード・ストア・デイにシングル「Black Cloud/No Big Deal」(このシングルの2曲は本作の日本盤のボーナス・トラックとして収録)をリリース後、昨年11月にCat Myers加入後初となる本作をリリースしました。 本作のプロデューサーにはGorillazやJames T等を手掛けたJames Dringを起用。 デビュー・アルバムではローファイながらも60'sフレイバー濃厚な甘酸っぱいノスタルジックなポップさを擁したサウンドから、BEST COASTやVIVIAN GIRLSと比較されもしましたが、デビュー・アルバムでのローファイ感、甘酸っぱいポップ感を踏襲しつつ、ドラマチックで哀愁のある楽曲もそこに加わり、ひたすら甘いだけのアルバムにはなっていないと思います。 Stinaの書く楽曲の質もデビュー・アルバム以上に向上し、更にCatのドラムがダイナミズムを生み出すことでアルバム全体のサウンドにもライヴ感を感じさせ、バンド存続の危機になりかねなかったドラマー交代が一転して、功を奏した形になりました。 アルバム1曲目の「Intro」からラストの「Outro」(日本盤には最後2曲が前述のボーナス・トラックですが)まで流れるような構成になっていますが、曲自体はデビュー・アルバム以上にバリエーションが広がり、決して単調なローファイ・アルバムにならなかったところは、プロデューサーのJames Dringの手腕かもしれません。 昨年、女性アーティストとしてはMitskiが大ブレイクし、その少し前にはCoutney Burnettが大ブレイクして、両者共に来日公演も行っていますが、私が昨年にこのブログで紹介したKINO KIMINO同様、このHONEYBLOODも私自身が期待をかけているオルタナ女子です(もっとも、HONEYBLOODはデュオですが…)。 元々、NMEで高く評価されていたデュオだけに英国内でブレイクすれば来日公演を行う日が来るのもそう遠くない気がします。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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更なる進化を遂げた3作目




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『I See You』

The xx

 

 

 

 

 

 英ロンドン出身のインディー・ポップ・バンド、The xxが今月13日にリリースしたばかりの3rdアルバム。 2015年にはメンバーのジェイミー・スミスこと、ジェイミーxxがソロ・アルバム『In Colour』をリリースしましたが、バンドとしては2012年にリリースし、UKを含む5ヶ国でアルバム・チャート1位に輝いた2ndアルバム『Coxist』以来、5年ぶりの作品になります。

 大方、世界中の音楽メディアの評価で予想出来ないことではなかったですが、本作の祝祭的な雰囲気に満ちたオープンで晴れやかな作風に、デビュー当初からThe xxを愛聴されていた方は戸惑いを覚えたかもしれません。 初期の彼等は、英国内では"Night Bus Music"とも表現された夜の静けさが似合うメランコリックな曲調と、音数を極端に絞って空間を最大限に生かした演奏、そしてロミー・マドリー・クロフトとオリヴァー・シムのボソボソと囁き合うようなヴォーカルと、暗いモノクロームな印象が付き纏っていましたが、本作はそのモノクロームな印象を覆すカラフルなイメージを持った作品と言えるかもしれません。 しかしジェイミーxxのソロ・アルバム『In Colour』の地続きとして、この作品を捉えるとこの変化はむしろ自然なものと言えると思います。 『In Colour』にはロミーとオリヴァーも参加していますが、ジェイミーがDJ/リミキサーとしての経験をダイレクトに生かした作品で、ダブステップ、UKガラージアンビエントからレゲエまで様々な音楽を飲み込んだ、先鋭的な作品で世界中の音楽メディアに高い評価を受けました。 また『In Colour』はトラックメイカーとしてのジェイミーの才能を遺憾なく発揮した作品でもありますが、本作では、そのジェイミーのソロ・アルバムでのトラックメイカーとしての才能をバンドの作品にフィードバックしたものとも言えるかもしれません。 元々、The xxはロミーとオリヴァーによって結成されたバンドで、後から加入したジェイミーは初期2作品では二人のヴォーカルを生かす黒子に徹していた感もあるように感じましたが、ジェイミーのソロ・アルバムで三人が共演し、更にそのソロ・アルバムが成功を収め、ジェイミーがプロデューサーとしても引く手数多になったことで、本作ではジェイミーのプロデューサー/トラックメイカーとしての手腕を存分に活かした音作りになったのだと思います。 祝祭感を感じるベースのビートが心地好いアルバム1曲目の「Dangerous」、まるでOF MONSTERS OF MENのような男女ヴォーカルの掛け合いが聴ける「Say Something Loving」と、初っ端から過去2作品との違いを感じさせますが、ロミーとオリヴァーもこのサウンドの変化に負けないくらい、生き生きと歌い上げて、ボソボソと囁き合うように歌っていた過去とは違った二人の"歌"そのものを前面に押し出した作品になったと思います。 どんより曇った空に注いだ暖かい日差しのようなアルバムでもありますが、ジェイミーがソロ・アルバムでやった自由度の高いサウンドを、The xxにフィードバックした作品でもあります。 私は昨年のThe xxの来日公演は、MARCHING CHURCHの来日公演と同日なので断念しましたが、新たなステージに立ったバンドのライヴを機会あったら体験したいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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